MENU
メニュー

現代人はデスクワークの増加など生活スタイルの変化により、若い方からご年配の方まで幅広い世代の方が腰痛に悩まされています。

腰痛は慢性化すると日常生活にも支障をきたすため、予防方法から、少しでも腰痛を和らげたる改善策まで知りたいと感じる方は多いはずですが、実際にはケアが不十分であることが多いのです。

今回は「お辞儀」の姿勢を活用することによって、腰痛のリスクがあるのかどうかを判断し、さらには、お辞儀の動作を利用し腰痛の予防や腰痛の軽減を図る方法を分かりやすく説明していきます。

腰痛リスクの確認方法

意外と知られていないかもしれませんが、腰痛の原因は特定できないものがほとんどです。

腰椎椎間板ヘルニアや圧迫骨折など具体的な診断がつくものもあれば、その大半は診断がつかないケースもあるのです。

しかし、身体の柔軟性が低下していたり、長時間同じ姿勢で作業をしていたりする場合には、腰痛になりやすい傾向がみられます。

具体的には、背中から太ももの裏にかけての筋肉が固くなってしまい、腰などにストレスがかかることで腰痛が発生します。

腰痛と言えば腰回りの筋肉が固いと思われがちですが、実は腰から膝裏に付着している太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)の柔軟性が大きく関係しています。

なぜなら、このハムストリングスの筋肉が固いとお辞儀をした際に、骨盤の傾きが少なく腰背部に負担がかかるからです。

他にも、太ももの内側の筋力が弱くなってしまうことで、股関節の柔軟性が低下した場合などにも、腰に負担がかかり腰痛が生じやすくなるのです。

そこで、ご自身の身体に十分な柔軟性があるのかどうか「お辞儀」を利用した確認方法をお伝えします。

柔軟性の確認方法

まず、両足をくっつけた状態で膝を曲げないようにして、身体を前傾させます。

その際には、股関節から上半身を折り曲げながらお辞儀を行います。

この時に膝を曲げずに体を90°折り曲げられないようだと身体が硬く、腰痛のリスクが高い状態と言えます。

このような方の多くは、主にハムストリングスが固いことになります。

※このお辞儀を試す際は、上体を起こす時には膝を軽く折り曲げるようにしてください。膝を伸ばしたまま状態を起こすと、場合によっては腰に大きな負担がかかり腰痛の原因となってしまうことがあるので注意しましょう。

お辞儀で痛みが強く出る場合には?

一方、お辞儀の動作自体で腰に痛みを感じる方は、腰椎の椎間板や靭帯、関節等に障害を起こしている可能性もあるでしょう。

その際には、無理に腰を折り曲げ前屈することによって腰痛を悪化させるリスクが非常に高まるため、腰になるべく刺激を与えないように腰痛を改善していく必要があります。

お辞儀によって強い痛みを感じる場合はこの後に記述するストレッチなどは行わずに、まずは整形外科など適切な医療機関を受診し医師の判断を仰ぐことをおすすめします。

腰痛が起きたらどこに行けば良い?名医はいる?病院・整形外科・整骨院(接骨院)のそれぞれの特徴について紹介します!

お辞儀を使ったセルフケアの方法

前屈をする女性の画像

体幹の前屈

呼吸を止めないようにして上半身を前屈しお辞儀を行います。

まっすぐ頭を下げたり、左右斜めに頭を下げたりと身体の向きを変えることで違う部位をのばすことができるため、余裕がある場合には試してみてください。期待できる効果としては、主に太ももの裏とお尻の筋肉の柔軟性を高めることができるでしょう。

正座をした状態からのお辞儀

床に正座をした状態でお辞儀をします。腰から上体を曲げ背中を丸めるような形になります。このお辞儀は主に背中の筋肉を伸ばすためのストレッチとなります。

コツとしては背中を丸めた際にしっかりと臍を覗き込むように首も伸ばすとより効果的に筋肉をストレッチすることが期待できるのです。

足を伸ばした状態での前屈

床に座り、足を伸ばした状態でお辞儀をします。太ももの裏が伸ばされていきます。痛いと感じる場合は、足を伸ばし切るのではなく少し曲げた状態でお辞儀をしても大丈夫です。

ここで、太ももの裏が痛く膝を曲げる必要がある場合には、柔軟性が低下しているため重点的にストレッチを行うことが望ましいでしょう。

椅子に座ってお辞儀

椅子に座り地面に足を付けたまま両足を少し前に伸ばします。この状態でお辞儀をします。これは太ももの下の方を伸ばすことのできるストレッチとなります。

椅子に座り足を組んだ状態でのお辞儀

椅子に座り片足の足首をもう片方の足の膝あたりに乗せ、4の字になるように足を組みます。この状態でお辞儀をしていきます。

主にお尻の筋肉を伸ばすことができます。これは左右ともに行います。

お辞儀を使った運動のする時には、腰椎、骨盤、股関節が適正なリズムをもって強調した屈強が重要です。
股関節の動きが少ないお辞儀運動をしていると部分的な運動になってしまい、そこに負荷がかかることで悪化する可能性があるので、注意が必要です。(参考:金岡恒治(2016年3月)『腰痛の病態別運動療法』文光堂)

お辞儀と腰痛まとめ

”ハムストリングの伸長性を高め、股関節の屈曲可動域を改善することで椎間板の負担は減少する。”

出典:金岡恒治(2016年3月)『腰痛の病態別運動療法』文光堂

あまり意識することのない「お辞儀」の姿勢を活用することで、腰痛になりやすいリスクがあるのかどうかを判断し、さらには、お辞儀の動作を利用し身体のケアを行うことも可能です。

デスクワークの多い方でも、仕事の合間に椅子に座った状態でもよいので、腰やハムストリングスの柔軟を行いましょう。

最も大切なことは、日ごろから適度な運動ストレッチを行い、身体にとって正しい姿勢で生活を行っていくことです。

もし、十分に時間を確保することが難しい場合には、まずは隙間時間に「お辞儀」を活用したケアを取り入れることで、腰痛の予防や軽減の効果が期待できるはずです。

ぜひ、取り入れてみてはいかがでしょうか。

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

痛みや体の不調で悩むあなたへ、役立つ情報をお届け。

自分の体の状況(病態)を正しく理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目的です。

記事のご意見・ご感想お待ちしております。

この著者の他の記事を見る
wholebodyeducator