成長期のスポーツ活動は、腰への負担から疲労骨折を導きやすいです。日々の練習の積み重ねによる腰への負荷がかかる動きなどが原因となります。成長期のスポーツは腰への負荷動作から腰痛になりやすく、疲労骨折を引き金に腰椎分離症へと移行します。成長期の腰痛では腰椎分離症が関連していることが報告されています。そこで今回は、成長期のスポーツ活動で腰痛から疲労骨折、腰椎分離症へ進行する過程や治療法、再発予防などについて詳しく説明します。中高生のスポーツ活動からの腰痛で悩んでいる方々に参考にしていただけたらと思います。

腰痛から生じる疲労骨折とは

腰痛は、さまざまな要因から疲労骨折へと移行し、その後「腰椎分離症」へ進行します。最初は、腰部の神経の後ろにある骨に、ヒビが生じます。このヒビが入っている状態は、疲労骨折です。ヒビの状態から骨が分離した状態を「腰椎分離症」と言います。腰椎は5つの椎体で構成され、好発部位が第5腰椎で他の腰椎よりも頻度が高いです。

原因

腰椎分離症は、成長過程であり骨の発達が未熟な時期である中高生に発症しやすいです。女子よりも男子に起きやすい特徴があります。中高生は、部活動などでスポーツを行います。サッカー、野球、バレーボール、ハンドボール、バスケットボール、ラクビ―などは、腰椎分離症を引き起こす原因です。前後や左右のひねりなどの腰の動作、ジャンプと着地など腰の動作を反復して行うことで生じることがあります。成長期に生じる腰痛の25%は、腰椎分離症です。部活動への興味などから、無理な練習により疲労が腰へと蓄積されていきます。激しい練習の積み重ねから腰への負担がかかり発症することもありますが、発症しやすい体質なども考えられます。腰椎分離症が原因で分離した部分の腰椎の安定性が失われ、上下の骨にずれ(すべり)が生じる「腰椎分離すべり症」を発症することもあります。

症状

腰椎分離症の主な症状は、腰痛です。安静時の痛みはほとんど無く、体勢によって症状が出現することが特徴です。腰の左右のひねりと後ろにそらす動作は、痛みを感じます。2週間以上継続する腰痛は、腰椎分離症の可能性があります。逆に、1週間程度で腰痛が軽減する場合は、腰椎分離症の可能性が低くなります。腰椎分離症は、分離した部分の神経が押しつぶされることがあります。この状態を「腰椎分離すべり症」と言います。症状としては、坐骨神経痛によって腰から下肢にかけてのしびれや痛み、感覚機能の低下などが生じます。腰痛の痛みが悪化する前に、整形外科を受診することをおすすめします。

検査・診断

最初に、レントゲン検査を行います。疲労骨折の場合、レントゲンで写し出されるとは限りません。椎弓根部の硬化や細くなる部分は、見えやすいです。病状が進行してくると椎弓の分離が鮮明に分かります。分離部分は、犬の首輪のようなため「スコッチテリアサイン」と呼ばれる像が見られます。しかし、レントゲン検査では確認できないことが多いです。2週間以上継続する腰痛とスポーツをしている中高生の場合、打ち身や捻挫の可能性は低く、何かの疾患が疑われます。レントゲン検査にて異常がみられない場合は、磁気共鳴画像装置(MRI)を実施します。MRIは、疲労骨折が生じている部分を映し出すことが可能です。MRI検査を実施することで、腰椎分離症の診断が確定します。MRIのSTIRという撮影法はMRIより、分離している部分が鮮明に写し出されむくみや内出血なども分かります。CTの検査目的は、腰椎分離症の進行度を調べるために行います。レントゲン・MRI・CTの画像検査の結果から、腰椎分離症の状況を評価し、治療法の決定へと導きます。

治療法

腰椎分離症の原因は、スポーツです。まずは、原因であるスポーツを中止し、安静にすることが大事です。医師の指示のもと、数ヵ月間の安静が必要となります。腰への負担をかけないために、安静と併用してコルセットの着用をします。コルセットは、正しく装着しないと効果がありません。痛みに対して最初に行うのは、鎮痛消炎剤の投与、湿布です。その後の痛みに対する治療は、神経ブロックや低周波療法、温熱療法などが行われます。保存療法は、分離した腰椎が元通りに改善するのと痛みの消失に効果がみられます。保存療法にて症状の改善をしても、再び腰痛をおこしやすいです。腹筋と背筋のバランスがとれた筋力の向上は、再発予防になります。筋力トレーニングとストレッチの継続が大切となります。保存療法で効果がなく神経症状が見られる場合は、手術療法も検討します。手術の方法は2種類で、除圧術と固定術です。除圧術は、神経を圧迫している骨などを切除する方法です。脊椎固定術は椎間板を固定するため、腰椎すべり症へ進行した場合に行います。

再発予防

腰椎分離症は、再発しやすい特徴があります。日頃から腰痛再燃予防のための筋力向上トレーニングとストレッチが必要となります。腰椎に対するトレーニングを行うと、再発しにくいです。股関節の筋肉の柔軟性と可動域の保持、体幹筋力の強化がポイントです。股関節の動作に制限があると、腰椎への負担が大きくなります。トレーニングは、段階的に行っていきます。症状が安定し最初に行うトレーニングは、腰背部、殿部、大腿部3カ所のストレッチです。下記の動画を参照しながら行いましょう。股関節の伸展位や腰椎前屈位が強くならないよう注意が必要です。

・腰背部のストレッチング

・臀部のストレッチング

・大腿四頭筋のストレッチング

・ハムストリングのストレッチング

次のステップのトレーニングを行います。腰椎分離症の予防には、股関節伸展のストレッチングと体幹の後屈、腹筋トレーニングが必要です。下記のサイトの写真7~9のトレーニングを参照しましょう。腹筋に関しては、動画も参照してください。

・写真7~9のトレーニング

腰椎分離症

・腹筋

まとめ

成長期のスポーツ活動は「なぜ腰痛から疲労骨折そして腰椎分離症へと発展するのか」についてと治療法や再発予防も含め解説しました。成長期は、骨の発達が未熟でありスポーツ活動への興味から無理をしやすく、腰痛を引き起こしやすいです。腰椎分離症は、治療後にトレーニングを行い再発予防に努めることが大切です。

<参考文献>
医療法人 大場整形外科 
独立行政法人 国立病院機構 村山医療センター

・zamst 腰椎分離症
再発予防のyoutube動画参照

腰椎分離症

東京都内についに腰痛専門のパーソナルスタジオがオープン

著者情報

腰痛メディア編集部
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著者情報

岡野 恭子 (おかの きょうこ)

保有資格

看護師

経歴

総合病院と老人保健施設で15年の経験あり。

フリーライターとして活動中。

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