「猫背はダメ!背筋を伸ばして!」猫背のみなさんも、一度はこんなセリフを言われてことありませんか?

猫背は、「骨盤が後傾することで背骨が丸まった状態」のことです。猫背は見た目が悪いというだけでなく、腰痛の原因にもなりえます。そのため、「猫背を治そう」と無理に背筋を伸ばしたり、胸を張った姿勢を続けている方も多いのではないでしょうか。

確かに猫背が腰痛の原因になることは正しいのですが、誤った矯正方法では「かえって猫背の矯正が腰痛を悪化させる」こともあるのです。

今回の記事では、猫背と腰痛の関係について解説しています。猫背は腰に負担をかけがちな姿勢ですが、多くの方はその正しい矯正方法を理解していません。本記事を読んでいただければ、猫背の概要と正しい矯正方法について学べると思います。

猫背でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

猫背と腰痛の関係

猫背は悪い姿勢の代名詞ですが、なぜ猫背が腰痛を引き起こすのでしょうか。ここでは、日常生活に潜む猫背の原因と、猫背が腰痛を引き起こすメカニズムについてお伝えいたします。

猫背の原因は日常生活にあり

「猫背は悪い」と頭では理解していても、現実ではたくさんの人が猫背が治らないことに悩んでいます。

猫背の矯正が難しい理由の一つが、その原因にあります。猫背を引き起こす原因のほとんどは、私たちの日常生活に潜んでいます。そのため、知らず知らずのうちに猫背を誘発する悪習慣を繰り返していることが多いのです。

特に、スマートフォンやパソコンでの作業は猫背と深い関係があります。スマホを使っているときの自分を想像してみてください。画面を覗き込むために、肩甲骨が前に引っ張られ、極端な前傾姿勢になっていないでしょうか。しかも、スマホの操作は長時間に及ぶことも多く、これが習慣化することで猫背の原因になるのです。加えて、首も前傾しがちのため、「ストレートネック」も併発しかねません。

また、デスクワーク中心の生活スタイルも猫背のメジャーな原因です。作業をしているうちに、どうしても骨盤が後傾し、書き物をする際には前屈にもなるため、猫背を誘発しやすいのです。

猫背でお悩みのみなさんも、心当たりがあったことと思います。本気で猫背を治したいなら、日常のフとした瞬間に自分を客観視することをおすすめします。無意識のうちに背骨が丸まっていたら、それがあなたの猫背の原因かもしれません。

猫背は腰痛の原因になる

間違った猫背の矯正は腰痛を悪化させる

猫背が腰痛を引き起こすメカニズムが分かると、「猫背を治さなきゃ!」という気持ちになるかもしれません。しかし、多くのケースにおいて、猫背の正しい矯正方法が行われていないのです。

よくある誤解として、「丸まった背中を無理やり伸ばせばいい」「胸を張って生活すればいい」と考える方がいますが、この矯正方法だと、別の原因で腰痛を引き起こす可能性があります。なぜなら、このような姿勢は「反り腰」を惹起する可能性が高いからです。

反り腰とは、極端な後屈姿勢のことです。後屈姿勢を続けると、背骨の中でも椎間関節と呼ばれる部分を損傷しやすく、これが腰痛を引き起こします。腰を反るだけでなく、ひねる動きが多い方でも、椎間関節がズレやすいので注意が必要です。腰痛の特徴としては、痛みの部位が左右どちらかに痛みが限局しやすいことがあげられます。

「猫背を無理に矯正しようとしたら、かえって腰痛が悪化した」といった場合、この「反り腰腰痛」を併発しているかもしれません。こうならないためにも、次に説明する正しい方法で、猫背を矯正するようにしましょう。

正しい猫背の矯正方法とは?

ハムストリングのストレッチ

「猫背の話をしているのに、なんでハムストリングなの?」と疑問に思う方もいるかと思います。

ハムストリングは太もも裏にある筋肉群のことです。ハムストリングは骨盤にも付着している筋肉のため、これが硬くなると骨盤周囲の筋肉も下へ引っ張られ、骨盤も後傾してしまうのです。骨盤の後傾すれば、自然と背骨も丸まってしまうのです。

そのためハムストリングを柔らかくすることは、猫背の改善に直結します。具体的なストレッチ方法を以下に示すので、ぜひ実践してみてください。

1.椅子の上にかかとを乗せ、足先から付け根までを一直線に伸ばします。
2.両手で膝を押さえたら、少しずつ体を前に倒していきます。このときのポイントは、顔は前を見たまま体を倒すこと。胸を膝に近づけるように倒れるとよいでしょう。

ハムストリングの柔軟性をアップすれば、自然と腰が伸びるようになりますよ。

腹斜筋のストレッチ

実は、猫背と腹筋には大きな関連があります。猫背では、背中が極端に弯曲しているため、腹筋は慢性的な緊張状態なのです。腹筋が硬直すると、上半身を直立させることも困難になり、さらに猫背を悪化させます。

そこで、猫背を矯正するには腹筋のストレッチが有効です。腹筋にも何種類かありますが、なかでも「腹斜筋」と呼ばれる腹筋の柔軟性が大切です。腹斜筋は脇腹に位置する腹筋群で、外腹斜筋と内腹斜筋の2種類が存在します。普段の働きとしては、体幹をひねる際に動く筋肉になります。

では、腹斜筋のストレッチ方法をお伝えしますので、どうぞ参考にしてください。

1.壁を左にして直立姿勢をとったら、右手をあげて手の平を壁に密着させます。
2.右手で壁を触れながら、空に向かって右手をゆっくりあげています。右の脇腹がじわーっと伸びていることを感じましょう
3.今後は壁を右にして、左脇腹のストレッチも同様おこないます。

腹斜筋を鍛えることは、「くびれ」の形成にも役立ちます。くびれができるとスリムな印象になりますね。

まとめ:猫背は正しい方法で矯正しよう

今回の記事では、猫背と腰痛の関係、猫背の正しい矯正方法について解説しました。

猫背は見た目が悪いだけでなく、腰への負担も大きい姿勢なので、正しい方法で矯正することが大切です。反り腰姿勢によるムリな矯正は、腰痛を悪化させるリスクがあります。絶対に避けるようにしましょう。

猫背の正しい矯正は筋肉のストレッチです。特に、ハムストリングと腹斜筋のストレッチが効果的でしたね。いずれも特別な器具は必要なく、今日から簡単に実践できるストレッチ法です。猫背でお悩みの方は、ぜひ参考にしてくださいね。

【参考文献】
 美しい姿勢を保つための運動 稲次 潤子 
更年期と加齢のヘルスケア (1347-801X)15巻2号 Page345-348(2016.12)

著者情報

広下若葉
広下若葉

保持資格

医師国家資格・麻酔科標榜医

経歴

2015年:医師国家資格 取得

2017年:初期臨床研修プログラム 修了

2020年:麻酔科標榜医 取得

    麻酔科専門研修プログラム 修了

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