腰痛に効果的な自宅で行えるセルフケアとしては①ストレッチ②マッサージ③筋力トレーニング④ストレッチポールやバランスボールを用いた運動など様々な方法があります。
今回は腰痛で悩んでいる方が自宅で簡単に行える、硬式テニスボールを用いたセルフマッサージの方法についてご紹介します。
この方法は腰痛の原因や症状、状態によっては適応しない場合もありますので、この記事を読んで効果的な方法と注意点について確認をしてみて下さい。

腰痛の種類について

腰痛には様々な原因があり、変形性腰椎症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間関節症、筋・筋膜性腰痛症など疾患名に分けると多くの病名が存在する。
これらは関節や筋肉、神経などの組織が原因となり痛みを発生させています。
今回は「筋肉」が原因となり発症した腰痛をピックアップし、病態やケアの方法をお伝えします。

「筋肉」由来の腰痛とは

筋肉由来の腰痛の原因としては「筋攣縮(きんれんしゅく)」という状態になっていることが考えられます。
筋攣縮とは筋肉の緊張が増した状態で、筋肉内の循環が低下することで痛みを発生させる発痛物質が出現する。
これによって痛みの閾値が下がり(痛みを感じやすくなる)筋肉を指で圧迫した際に痛みを感じやすくなる。
また座っている時や寝転がっている時などの安静時痛はみられず、腰を動かして筋肉を使う際に軽い腰痛や張り、コリ感がみられることがありあます。

筋肉由来の腰痛の特徴

筋攣縮を起こした筋肉は触るとコリコリした過緊張になっている状態を確認でき、この部位を指で圧迫した際に痛みが出現します。身体を動かす時(筋肉を使う時)に腰痛が出現し、じっとしている際の安静時痛はなく、殿部~下肢への痛みと痺れの広がりもみられません。
またテニスボールマッサージを行うことで腰痛が軽減することも特徴の一つです。

テニスボールマッサージはどのような方に適応するのか

① 生活動作には支障がない程度だが、慢性的な軽度の腰痛がある方
② 仕事などで腰回りが凝り固まっている方
③ 身体の柔軟性が低下気味な方 

などにはこのテニスボールを用いたセルフマッサージが効果的であると考えられます。以下に記載する注意点を確認し試してみましょう。

テニスボールマッサージの注意点としては

テニスボールマッサージを行う際には以下の点に注意が必要です。

① 炎症症状が疑われる腰痛の場合
② テニスボールマッサージを行っても腰痛が軽減しない
③ マッサージの際に圧迫力が強く、圧迫時間が長い

先ず①の炎症症状が疑われる痛みの場合には行わないようにして下さい。炎症症状が強いとは腰を動かした時の腰痛が強い、動かずじっとしていてもジンジン痛い、臀部や脚にかけて痺れや痛みが出ている等の状態を意味します。
これらの痛みがある場合にはテニスボースのマッサージは行わないようにし整形外科を受診しましょう。

次に②テニスボールマッサージを行っても腰痛が軽減しない場合は原因となる組織が筋由来ではなく、違う組織である可能性が高いです。この場合も整形外科を受診し医師の診断を受けましょう。

最後に③マッサージの際に圧迫力が強く圧迫時間が長いと、筋肉を傷める可能性が高くなります。心地よい圧迫強度と30秒~1分程度の圧迫時間を心掛け安全に行いましょう。

テニスボールを用いたセルフマッサージの方法について

硬式のテニスボールをマッサージの道具として利用する理由としては硬度がちょうど良く、筋肉を傷める可能性が低いのでマッサージに適しています。
ではテニスボールマッサージを行う際のコツを以下にご紹介します。

① 脱力してリラックスする
② 「気持ちのいい」「心地よい」圧迫力で行う
③ 1~2秒間隔で体を左右に揺らしながら、一か所に30秒~1分程度行う
④ 凝っていそうで、ボールが当たると少し痛いポイントにボールを当てる
⑤ 揉み返しが起こらないように注意する

以上に中止し、マッサージを行うように注意しましょう。30秒経過付近から徐々にほぐれてきているのが感じられると思いますので、力まないようにリラックスして行って下さい。
行っている最中に痛みが増してくる場合は神経を圧迫している可能性や、筋肉に負担が掛かっていることが考えられますので一旦マッサージを中止し、様子をみるようにしましょう。

次にテニスボールを当てる場所についてですが、腰痛の際には以下の場所をターゲットとし行ってみましょう。

① 左右の肩甲骨の間
② 背骨の横
③ 腰部
④ 殿部

仰向けで膝を曲げた姿勢で、これらの部位にテニスボースを当ててマッサージを行います。1秒間隔で左右に体を揺らし、30秒~1分程度行ってみて下さい。
徐々に痛みやコリ感が軽減していくことを感じるように心掛けましょう。

テニスボールの当たっている刺激が強い方は無理をせずに、バスタオルや毛布をテニスボールの上に置くことで刺激が緩和されますのでこの方法を試してみましょう。

また圧迫力が強いと感じる方は、ブリッジ運動の要領で骨盤を少しだけ持ち上げることで荷重量をコントロールし圧迫力の調整を行って下さい。

自宅でのケアはいつ行うのが理想か

運動を行う際の準備運動と運動後のクールダウンをイメージしてみましょう。体を動かす前に柔軟性を高め、体を使った後はケアをするのが基本です。
これは日常生活でも同じで、「仕事」を運動に置き換え、セルフケアのタイミングとしては

① 朝の出勤前
② 帰宅後のお風呂上り

を目標に行ってみましょう。また帰宅後に関してはお風呂上がりの血流が増し、体温が上がったタイミングを狙って行うと循環がさらに良くなるためおすすめです。
余裕のある方は仕事の休憩時間を利用して行うようにし、朝、昼、晩の1日3回を目標に行うとより良いでしょう。

マッサージを行った後は少し筋肉を使ってあげましょう
テニスボールマッサージ等を行って筋肉をほぐした後は、運動療法により筋肉を使ってあげることで効果が持続されやすくなります。
今回は腰痛に効果的な背骨~骨盤の運動をご紹介します。

1.四つ這い姿勢でのキャット&ドッグ運動

① 肩の真下に手のひら、股関節の真下に膝がくるように四つ這いの姿勢をとる
② その姿勢からおへそを覗き込むように首を曲げていく
③ これと同時におへその部分を中心に天井方向へ持ち上げながら背中を丸めていく
④ この四つ這いで丸まった状態を5秒間キープ
⑤ その後頭を持ち上げながら前方を向いていく
⑥ これと同時におへその部分を床に下ろすように背中から腰を反る
⑦ この四つ這いで背中を反った状態を5秒間キープ

2.座った状態での背骨~骨盤の運動

① 椅子に座る
② そこからおへそを前方に突き出すように腰を反る(胸を張りながら)
③ 次におへそを後方へ引くように腰を丸めていく

この2つの運動を10回×2セット程度繰り返し、背骨~骨盤の可動性を出しながら筋肉を使用するようにしましょう。可動範囲は無理のない範囲でゆっくりと行い、痛みが出ないように注意しましょう。

まとめ

今回は筋肉由来の腰痛に効果的なテニスボールを用いたマッサージについてご紹介させて頂きました。

筋肉由来の腰痛や、コリなどにはテニスボールでのマッサージが効果的です。上記に記載した注意点を確認し、日々の自宅でのセルフケアとして取り入れてみてはいかがでしょうか。

また、炎症が強いと疑われる腰痛や、テニスボールのマッサージを行っても痛みが軽減しない腰痛は、直ぐに整形外科を受診し医師の診断と理学療法士によるリハビリテーションを受け、自宅でのセルフケアを行いましょう。

ご自身の症状について不安な方や、病院探しで困っている方は「腰痛ドクターアプリ」を活用してみて下さい。

引用・参考文献
1)松村 将司,三木 貴弘(2020年9月3日刊行)『適切な判断を導くための整形外科徒手検査法』メジカルビュー社
2)成田 崇矢(2019年2月3日刊行)『脊柱理学療法マネジメント』メジカルビュー社
3)整形外科リハビリテーション学会(2014年3月14日刊行)『整形外科運動療法ナビゲーション』メジカルビュー社

著者情報

枡中 昂也
枡中 昂也

保有資格

理学療法士

経歴

整形外科病院勤務12年目。現在は臨床業務を行いながら、当メディア内でWebライターとして記事の執筆と校正・校閲業務に携わる。

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