強い腰の痛みがある場合は、コルセットを巻いたほうが良いこともあります。コルセットをつければ、腹圧が高まり、腰回りの筋肉にかかる負担が少なくなるからです。また体幹の安定性が増し、不必要に腰が動かなくなることからも、腰痛の軽減が期待できます。しかし、コルセット着用には弊害もあるので、つけるタイミングについては気をつけるべきです。

今回は寝るときに腰痛用のコルセットをして良いかについて解説します。就寝中にコルセットを巻くデメリットやつけるべきケースも紹介するので参考にしてください。

腰痛用のコルセットは「寝るときは外す」が基本

基本的にコルセットは寝るときにつけてはいけません。医者から特別な指示を受けているのでない限り、就寝中は外すようにしましょう。

就寝中にコルセットをすると血行不良で悪化することがある

コルセットは腰回りを圧迫して、体幹の安定性や腰の固定具合を高め、腰痛を軽減するための道具です。活動時につけるのが基本であり、起きているときであれば、コルセットの圧迫があっても、筋肉が動いているので血液循環が正常に保たれます。

しかし、寝るときは筋肉があまり動かないため、コルセットで腰回りを圧迫すると血流が悪くなってしまいます。血行不良になると自然治癒力を低下させたり、筋肉の緊張を招いてさらなる腰痛を招いたりする可能性があることから、就寝中はコルセットを外してください。なお、これはダイエット用のコルセットの場合も同様です。血流が悪くなると、内臓の働きが悪くなるなどしてダイエットにも悪影響が出ることがあります。

コルセットを常用することは筋力低下を招く

コルセットを巻くと腹圧が高まり、腹筋群をはじめとする腰回りの筋肉の負担が軽減されます。そのため、腰に強い痛みがある場合はコルセットの着用が効果的です。しかし、負担が軽減されるということは、コルセット着用時には筋肉を使わないということなので、コルセットを常用していると筋力が低下していきます。

筋力が落ちるとかえって腰痛がひどくなったり、コルセットなしで生活できなくなったりする恐れもあるため、常にコルセットをつけるのは良くありません。痛みがひどくて日中つけなくてはならないときも、寝るときくらいは外しましょう。

腰椎椎間板ヘルニアでも寝るときはしない

寝るときにコルセットを外すべきなのは、腰椎椎間板ヘルニアの場合でも同じです。医者から就寝中もつけるようにとの指示があるのでない限り、椎間板ヘルニアでも寝るときのコルセットは避けましょう。

ちなみに椎間板に強い負担がかかるのは、立った状態で腰を曲げたときです。体を横にすると、椎間板にはあまり圧力がかからなくなるので、就寝中の悪化はそれほど心配する必要はありません。それよりもむしろ、中腰で重いものを持たないなど、活動中の動作に気を配るべきです。

コルセットは8時間すれば十分な効果が得られる

腰痛を軽減するためのコルセットは、常時着用する必要はなく、8時間ほどつければ効果が得られると言われています。この説を信用するなら、コルセットは日中に巻くだけで十分です。朝から夕方ごろまでつけておけば、8時間は着用できるので、寝るときまでつける必要はありません。コルセットの使い過ぎには確かな弊害があるため、限定的に使用するのがおすすめです。

腰が痛いときは寝方を工夫する

寝るときに腰が痛いという場合は、コルセットを着用するのではなく、寝方を工夫することによって対処しましょう。基本的には横向きで少し丸くなって寝るのが、腰に負担が少ないとされているのでおすすめです。また仰向けのほうが楽だという場合は、膝を少し曲げて、その下にクッションなどを挟むことを推奨します。

なお、満足に眠れないほど就寝中の腰痛がひどい場合は、一度医療機関を受診しましょう。がんや内臓疾患などが原因で腰痛が起こっている可能性が考えられます。

脊椎骨折では寝るときにもコルセットを巻くべき

普通の腰痛では就寝中はコルセットを外すべきですが、脊椎を骨折している場合は寝るときにもコルセットが必要です。

寝返りや起き上がりでさらに骨折する可能性がある

脊椎を骨折している場合、寝返りや起き上がりなどの動作によって、背骨に負担をかけてしまうことがあります。特に骨粗鬆症で脊椎を圧迫骨折している高齢者は、腰を曲げたり、反らせたりすることで骨折が連鎖しやすいので、就寝中もコルセットの着用が必要です。ただし、痩せ型の人など、場合によっては寝るときにはコルセットを外したほうが良い人も存在します。

ちなみに高齢者が背骨を圧迫骨折すると、医療用のダーメンコルセットやフレームコルセットを着用し、2ヶ月程度は安静にして過ごさなければなりません。

普通の腰痛は動いて治すのが鉄則

ぎっくり腰を含め、一般的な腰痛は体を動かしたほうが良くなる確率が高いです。コルセットを常用し、安静にしていたのでは、かえって治りを遅らせてしまうこともあります。

基本的にコルセットが要るのは急性の腰痛に対してだけ

脊椎骨折以外でコルセットを着マイナビコメディカル, 腰痛改善にコルセットが効果的な理由とは?継続使用にはデメリットも用したほうが良いのは、基本的に急性腰痛症(ぎっくり腰)を発症した直後や腰椎椎間板ヘルニアの急性期など、炎症を伴う強烈な痛みがある場合だけです。患部が炎症を起こしており、動かすと激しい痛みを生じるケースでは、コルセットを巻いて腰回りを固定することで、痛みの軽減が期待できます。

痛みを怖がってコルセットを常用してはいけない

医者から指示が出ているので限り、いつまでもコルセットを使い続けるのはおすすめできません。上述の通り、コルセットを巻くとサポートされた筋肉の力が低下してしまうので、コルセットを常用すると治るどころか、腰痛が慢性化する恐れもあります。

また腰痛を怖がりすぎるのも良くありません。腰の痛みへの不安や悩みが過度なストレスになると、自律神経や脳の機能に異常をきたし、痛みに敏感な体になってしまうことがあります。

体幹を鍛えて腰痛になりにくい体を!

腹筋や背筋などの体幹を鍛えて腰回りの安定性を強化すれば、腰痛になりにくい体を作ることができます。そうなればコルセットは必要ありません。コルセットを常用すれば、腰回りの筋力が衰えて腰痛が出やすくなり、より一層コルセットが手放せなくなるという悪循環に陥ることもあります。そのため、どこかのタイミングで思い切ってコルセットを外さなければなりません。強い痛みがないのであれば、コルセットではなく、自分の筋肉で腰回りをサポートする生活に切り替えましょう。

なお、「腰痛ドクターアプリ」というオンラインサービスでは、それぞれの腰痛に合った腰回りの鍛え方を動画で教えてもらえます。自分に適した筋トレの方法が知りたいという方は、ぜひお試しください。

寝るときはコルセットをつけない

脊椎を骨折しているのでない限り、寝るときにコルセットをつけてはいけません。コルセットの圧迫が血流を阻害し、腰痛の治りが遅くなってしまいます。またコルセットを常用すると、腰回りの筋力が低下してしまうため、かえって腰痛が慢性化することもあります。よって炎症を伴うような激しい痛みがないなら、思い切ってコルセットを外し、体幹を鍛えて、腰痛になりにくい体作りを始めましょう。

参考URL
教えて!先生!腰痛の専門医による安心アドバイス, 腰痛,
古賀昭義, 患者指導ワンポイントレッスン
ぎっくり腰の対処法
いわさ整骨院, サポーター・コルセットを就寝時につけっぱなしにしてませんか?
足立慶友医療コラム, 脊椎圧迫骨折:リハビリや日常生活の注意点について

著者情報

腰痛メディア編集部

こんにちは。 腰痛で悩む多くの方に役立つ情報を毎日お届け。それぞれが違った痛みの場所・違った痛みの度合い・違った原因をお持ちです。 一人一人が自分の腰の状況(病態)を理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目標です。記事のご意見・ご感想お待ちしております♬

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