スポーツ選手は、運動器への物理的な負担が多く、同じ動作を繰り返し行うことで同じ部位に負担が集中し「運動器の障害」を引き起こすリスクが高まります。
スポーツ選手における運動器の障害は、パフォーマンスの低下に大きく影響を与えるだけでなく、大きなケガにもつながってしまい大変注意が必要です。
今回は、運動時の体幹部の安定に寄与している「骨盤底筋群」や骨盤部の側方方向の安定性を担っている「腰方形筋」に着目し、エクササイズを紹介していきます。

骨盤底筋とは

骨盤底筋はローカル筋の一つで、骨盤の底にあり、いくつかの筋肉が重なり合ってハンモック状に広がり張り巡らされている筋肉群です。
様々な役割がありますが、3つの役割を紹介します。
1.骨盤の中にある臓器を支えています。
2.尿道、肛門を締めて、尿漏れ、排便をコントロールしています。
3.骨盤底筋、腹横筋、多裂筋、横隔膜が同時に収縮することで腹圧が高まり、体幹を安定させています。

腰方形筋とは

骨盤の周りには、腹横筋、骨盤底筋群、腰方形筋、腸腰筋などの筋肉があります。
腰方形筋が椎間の変位や椎間板内圧を軽減し、安定性を向上させることが分かっています。
骨盤の周りの筋肉が衰えると、体形が崩れてぽっこりお腹やお尻のたるみに繋がります。
 

成田先生おすすめ!「体幹の安定性を高める」ためのエクササイズを紹介

最初は無理せずできる範囲から行ってみてください。
違和感や痛みを強く感じる場合、エクササイズを中断してください。

1.骨盤底筋群を鍛えよう!

*ブリッジエクササイズ
1. 仰向け・膝立ての状態になり、肛門をキュッと閉じるつもりで力を入れておきます
(この時、力は全力で入れず、30%程度の力加減で行います)
2. 息を吐いて、おへそを顔に近づけるように腹圧をかけ、お尻を床から少し上げます
3. 息を吸って、1はキープしたまま、下腹部の力を緩めてゆっくりとお尻を床に
下ろします
4. 2と3を10回繰り返しましょう
  ※慣れてきたら2のお尻の高さを徐々に上げたり、両脚の位置を変えてみたりするのも効果的

*ボールつぶしエクササイズ
1. 仰向け・膝立ての状態になり、肛門をキュッと閉じるつもりで力を入れておきます
(この時、力は全力で入れず、30%程度の力加減で行います)
2. 両太ももの内側に軽く力を入れ、ボールを挟みます
3. 息を吐いて、下腹部を背中に近づけるように腹圧をかけます
4. 息を吸って、1と2はキープしたまま、下腹部の力を緩めます
5. 3と4を10回繰り返しましょう

ポイント!過度な収縮は、不快感や他の筋の過剰な収縮につながるため、注意が必要です。

2.腰方形筋を鍛えよう!

*足の上げ下げエクササイズ
1. 床に対して横を向き、下側の手を耳の横に伸ばし、上側の手で身体を支えます
2. 両足を床から持ち上げてキープします
3. 両足を床にゆっくりと下ろします
4. 2と3を10回繰り返しましょう
5. 1~4を左右行いましょう

~器具を用いたエクササイズ~
 *ダンベルサイドベンド(上級者向け)
1. 足を肩幅に広げ背筋をまっすぐにして立ち、片手を頭の後ろに添えもう一方の手に
2キロのダンベルをもちます
2. ダンベルをもった手の体側にゆっくりと上半身を曲げます
3. ゆっくりと上半身をもとに戻します
4. 2と3を10回繰り返しましょう 反動をつけると効果が半減するので注意!
ダンベルは中身の入った2Lペットボトルで代用しても◎慣れてきたらダンベルの
重さを増やしてみましょう
5. 1~4を左右行いましょう

毎日のエクササイズで運動時の体幹の安定性を高めていきましょう。筋肉の持久力を上げることで、パフォーマンスのときに筋肉のフルパワーを出すことが期待できます。
また、「骨盤底筋群」は、腰痛の改善に深い関わりのある大事な筋群です。スポーツのケガ予防にも大変効果的なエクササイズですので、是非継続してみてください

著者情報

成田 崇矢(なりた・たかや)

桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部スポーツテクノロジー学科教授

理学療法士

日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー

全米公認ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(NSCA-CSCS)日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー

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