腰痛にはさまざまな原因や症状がありますが、正しく腰痛のことを理解するためにはまず痛みが起こるメカニズムについて知ることが重要です。腰痛が発生する理由はさまざまですが、本記事では特に「腰痛と食事の関係性」「食生活の乱れなどが原因で引き起こされる腰痛」などについて紹介します。

腰痛と食事の意外な関係とは?

現代社会で生きる多くの日本人が1度は痛みを訴えたことがあると言われている腰痛。さまざまな原因によって引き起こされるこのつらい症状ですが、「食生活の乱れ」が原因となる可能性があることをご存じですか?

一見関係が無いように見える食事と腰痛ですが、何故食生活の乱れによって腰痛が引き起こされるのでしょうか。その理由はいくつか存在します。

腰痛を発症する原因の1つに、腰を支える骨である腰椎や筋肉が衰えてしまっていることが挙げられます。この場合、食生活において骨や筋肉を作る栄養素が不足していることが考えられるでしょう。

さらに、食事の際に糖質を過剰に摂取しすぎてしまうことでも腰痛が起こりやすいと言われています。糖質を摂取すると、その糖質は身体の中でブドウ糖に変化し、このブドウ糖が身体の中に多くあると、たんぱく質を結合して糖化最終生成物ができ上がります。

糖化最終生成物には骨や筋肉を劣化させる働きがあるため、この物質が増えると腰にある椎間板を形作る線維ももろくなります。そのため、糖質の過剰摂取は腰痛を引き起こすと言われているのです。

腰痛を予防・改善するために骨や筋肉の栄養素不足を改善する必要があります。どのような栄養素や食事が効果的かをこれから紹介するので、参考にしてみてください。

腰痛に関係のある栄養素

腰痛を予防・改善するためには、骨や筋肉を作るためにさまざまな栄養素をバランスよく摂取することが重要です。では、どのような栄養素が効果的なのでしょうか?

タンパク質

「筋肉を強くすること」は、腰痛予防にとってとても重要です。そのためには、タンパク質をきちんと摂取する必要があります。

タンパク質は、肉・魚・卵・大豆などに多く含まれます。男女によって多少の差はありますが一般の人が1日に必要とするたんぱく質の量は体重1キロあたり0.8gであると言われているので、それを目安に摂取するように心がけてください。

食事のみでタンパク質をそれだけ摂取するのはなかなか難しいという方もいらっしゃると思いますが、その場合は無理をせずにプロテインなども上手く利用しながら工夫してみてください。

カルシウム

皆さんもご存じの通り、骨を強くするためにはカルシウムの存在が非常に重要となっています。

成長期のお子さんであれば給食で牛乳や小魚がよく出るため、意識せずともカルシウムを必要量摂取することができている場合が多いです。しかし、大人になると自分で意識しない限りカルシウムを1日の必要量摂取することは少し難しいかもしれません。

年齢や性別によっても少し異なりますが、1日に必要とされているカルシウムの量は男性の場合650mg~800mg、女性の場合は600mgとされています。牛乳コップ1杯(200ml)のカルシウム含有量が220mg程であると言われているため、牛乳であれば3杯程飲む必要があることが分かりますね。

ビタミンD

ビタミンDは、骨を形作るカルシウムの吸収を手助けする働きがあると言われています。そのため、カルシウムとともにビタミンDを摂取するとより効率的にカルシウムを吸収することができますよ。

また筋肉や血液中にあるカルシウムの濃度を維持する働きもあるため、ビタミンDが不足すると筋力の低下などを引き起こす可能性があります。

ビタミンDはきのこ類や魚介類に多く含まれているため、適切な量を摂取するように心がけましょう。

ビタミンB群

ビタミンB群には、疲労回復効果があると言われています。特にビタミンB1には、筋肉の疲労を回復させる効果があります。腰回りに筋肉の疲労が回復することで、腰痛の改善が期待できます。ビタミンB12は糖質を身体に必要なエネルギーに変換する働きもあるため、糖質と一緒に摂取するのも効果的です。

またビタミンB12にダメージを受けた末梢神経を修復する働きがあるため、神経痛などに効果的な可能性があります。

ビタミンB1であればレバー・ナッツ・ゴマ・きのこ類など、ビタミンB12は貝類・青魚などに豊富に含まれています。

マグネシウム

骨を形作るために必要な栄養素は、カルシウムだけではありません。カルシウムと同時にマグネシウムもバランス良く摂取することで、カルシウムが身体に吸収されやすくなります。

この場合、カルシウムとマグネシウムを2:1のバランスで摂取するとちょうどよいと言われています。

この他にも直接的ではないものの腰痛に効果的な栄養素にはさまざまなものがあるため、ここで紹介した栄養素に限らずさまざまなものをバランス良く摂取するようにしてください。

腰痛改善に効果的な食べ物

腰痛改善に効果的な栄養素の一部を紹介しましたが、どのような食べ物であれば効率よく摂取することができるのかを紹介します。ここに書いてあるものが全てではないので、参考程度にご覧ください。

干しエビ

カルシウムを多く含む魚介類の中でも、エビはより多くのカルシウムを含んでいます。日干しをするとカルシウムの量が倍増すると言われているため、干しエビは普通にエビを食べるよりも効率的にカルシウムを摂取することができます。

カッテージチーズ

乳製品にもカルシウムが多く含まれています。乳製品の中でも気軽に取り入れやすいものとしてチーズが挙げられますが、特におすすめなのがカッテージチーズ。

カッテージチーズにはカルシウムだけでなくタンパク質も豊富に含まれています。実はこのカッテージチーズ、家でも簡単に作ることができます。

1L程度の牛乳を鍋で少し温めたのち、大さじ5程度の酢を少しずつ加えていきます。段々と牛乳が分離してくるので、それをフキンで軽くしぼったら出来上がりです。

玄米

玄米は普通の米に比べビタミンB群を多く含んでいるだけでなく、その他栄養価も高いことが特徴。血行不良や内臓からくる腰痛がある方は、玄米食がおすすめです。

普通の米に比べると玄米は硬いため、消化不良などをおこさないようによく噛んで食べるようにしてください。

魚は良質なタンパク質や脂質を含んでいるとともに、サバなどの青魚であれば血流を改善する効果のあるDHAも多く含んでいます。

血流が改善することで、腰痛が改善する場合もあります。

まとめ

日頃から栄養バランスをしっかり考えた上で食事をとっているという方はあまり多くないかもしれません。しかし現在腰痛あり日頃の食生活の乱れに自覚があるという方は、栄養バランスを意識した食事をとることで意外にも腰痛を改善できる可能性があります。

勿論腰痛の原因は食生活の乱れだけとは限らず同時に他の原因も存在している場合があるため、腰痛が長引く場合や痛みがひどい場合にはまず専門家の指示を受けるようにしてください。

現在腰痛に関する悩みなどがない方は、今のうちから出来るだけ正しい食生活を心がけて腰痛を予防するようにしましょう。

【参考資料】
ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト
「日本人筋肉量の加齢による特徴」谷本芳美,渡辺美鈴,河野令,広田千賀,高崎恭輔,河野公一.(日本老年医学)2010:(47)52-57.

著者情報

腰痛メディア編集部
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