毎日しんどい腰痛を改善するためにできることはさまざまですが、そのうちのひとつに「鍼灸院」があります。問題のある箇所に医療用の鍼や灸を打ち、血流の流れを良化してもらうという方法です。

しかし、鍼灸院を利用する際には、いろいろと確かめておかなければならないことがあります。今回は、鍼灸院選びの注意点やポイントについて解説していきましょう。

鍼灸院はどこでもよいわけではない

町のさまざまな場所で運営されている鍼灸院ですが、どこに行ってもいいかと問われれば、以下のような理由から決してそうだとは言えません。

鍼灸師の数自体は多い

鍼灸院で施術を行う「鍼灸師」は、専門学校で技術を学び、国家資格を取得しています。しかし、「鍼灸師」という資格自体が存在しないということは、あまり知られていないようです。

実は、鍼灸の学校で取得できるのは、「はり師」と「きゅう師」というふたつの国家資格です。これら二つの資格を取得しなければ施術は行えません。

しかし、その資格試験の合格率は、2020年2019年ともに70パーセントを超えており、比較的低いとされた2018年度でも55パーセントを超えています。合格者も毎年2,000〜3,000人ほどと、数自体は決して少ないというわけではありません。

試験の合格率が高く、毎年これだけの人数が鍼灸師となっているということは、それだけスキルの差も生じやすいとも言えるでしょう。(決してすべての鍼灸師のスキルが低いと主張しているわけではありません)

鍼灸師にも専門分野がある

また、一口に「鍼灸」といってもその内容はひとつではありません。鍼に灸、そして按摩等、施術方法は多岐に渡ります。そうした手法のいずれを得意としているかは、鍼灸師によって異なるでしょう。

それに加えて、専門分野の問題もあります。美容関係の知識経験が豊富なのか、あるいはスポーツでのケガに強いのか、これも実にさまざま。すべての鍼灸師がオールマイティになんでも対応できるというわけではないのです。

モラルの低い鍼灸師に注意

また、注意すべきはモラルの低い鍼灸師の存在です。前述したはり師やきゅう師等の国家資格を有していないにも関わらず、あたかもそうであるかのように錯覚させる事業者も少なからずいるようです。

それに加えて、施術と称してわいせつな行為を働く、怪しげな治療で高額の請求を行う等して摘発を受けたといった事例も過去に報じられています。このような信頼できない施設への通院は避けるべきでしょう。

正しい鍼灸院の選び方(ネット編)

それでは、信頼できる鍼灸院はどのようにして探せばよいのでしょうか。この記事では、「ネット上」と「実際の訪問」ふたつのケースにおける選び方を紹介していきます。

HPが見やすく、わかりやすいか

まず着目すべきはHPです。今やHPというのは店の看板に等しいもの。これを見るだけでも、その施設のレベルを判断する材料のひとつになるでしょう。

HP内のレイアウトが複雑でなく、鍼灸に関する内容がわかりやすく解説されている施設は、それだけ患者のことを考えていると言えます。「ちゃんと自分たちの治療のよさを理解してもらいたい」と思っているからこそ、HPづくりにも力を入れていると考えることができるのです。

自分の悩みにあった分野をフォローしているか

鍼灸師にも得意分野、専門分野があるということはすでに説明しました。だとすれば、利用する側もそれを念頭に置いたうえで施設を選ばなければなりません。

鍼での施術をとくに受けたいのであれば、鍼に強みを持つ施設を選びましょう。スポーツが起因で発生した腰痛であれば、いわゆる「スポーツ鍼灸」とも言うべき施設を検索し、相性のよい治療院を見つけるべきです。

余計な治療をすすめる文章がない

ひとつ注意しておきたいのは、HP内のレイアウトのみならず、そこで解説されている内容について。よくよく読んでみると、何やら鍼灸とはあまり関係のなさそうなことが書かれていたりはしないでしょうか。聞き覚えのない、どこか怪しげな治療法が妙に推されてはいないでしょうか。

もしそうなら、訪問した際にもそういった治療を受けさせられるかもしれません。その際、高額な料金を請求されるおそれもあります。

口コミのチェックの仕方

ネットで鍼灸院を選ぶ際には、口コミが役立ってくれます。過去にそこを利用したユーザーの意見を参考にすることができ、判断材料のひとつとなってくれるでしょう。

しかし、口コミのすべてを鵜呑みにしてはいけません。個人的な恨みをぶつけていたり、施設の関係者が書いていたりもするからです。
あまりにも感情的、ないしは過剰に褒めているような口コミは、少しだけ疑ってみましょう。逆に信用できるのは、内部の風景から施術の内容まで詳細に説明してくれているようなものです。

正しい鍼灸院の選び方(リアル編)

さて、次は施設を訪問した際によく見ておきたいポイントについてです。ここで何か引っかかるようなことがあるのなら、別のところに切り替えるというのも悪くありません。

ちゃんと話を聞いてくれるか

よい鍼灸師かどうか見極めるポイントのひとつが、ヒアリング力の高さです。自分がどのような悩みを抱えているか、ちゃんと聴いてくれるでしょうか。話していてモヤモヤしたものが残らないでしょうか。

ちゃんとこちらの話を聞かず、さっさと何かしらの施術を行おうとするようであれば、少し注意した方がよいかもしれません。治療自体よりも、とりあえず数多く患者を入れることばかりを考えている可能性があります。

高圧的でないか

また、鍼灸師の態度もよくチェックしておきましょう。いわゆる「上から目線」とでも言うべき、終始こちらを見下したような態度の鍼灸師は、あまりおすすめできません。無理矢理求めていない施術を押し付けられるようなことも考えられますし、何より不快です。

定期的に通うのであれば、患者に対して真摯に向かい合ってくれる鍼灸師が一番。仕事というわけでもないのですから、相性が悪いと感じた鍼灸師のいる施設へ無理に通う必要はありません。

物を強引に売りつけられない

鍼灸院で主に行われているのは、はりやお灸等の施術です。中にはサプリメントや寝具を販売しているようなところもありますが、それはあくまでも二次的なものであって、患者が買わなければならないといったようなことはありません。

ただ販売しているだけならよいのですが、中にはやや強引に商品を買うよう迫ってくる鍼灸院もあるようです。いくら脅しめいたらことを言われようが、そのような商品を購入する必要はありませんし、信用の観点から見てもそうしたことをする鍼灸院は通うべきではありません。

衛生観念がしっかりしているか

鍼灸院は、人々の健康に深く関わる施設です。だからこそ、衛生管理には気を遣って当然と言えます。ましてや感染症の危険性が大きく取り沙汰されている昨今、清潔さに無頓着であるというのは致命的です。

信頼性の高い鍼灸院は、衛生観念もしっかりしています。ですので、診察室や待合室が散らかっていないか、至るところにホコリやゴミが溜まっていないかを確認してみれば、その施設の意識をある程度把握することができるでしょう。

まとめ

鍼灸院への定期的通院は、腰痛を改善するための有効な方法のひとつです。しかし、鍼灸院といってもその数はたくさんあり、レベルにも差が生じています。決して安くないお金を払って通院するのであれば、信頼できる鍼灸院を選びましょう。

参考
よい鍼灸院の選び方
鍼灸師として独立開業はできる?
鍼灸師とは・資格
施術中に患者の下半身触る 64歳の鍼灸マッサージ師逮捕
鍼灸師になるのは難しい?
鍼灸師
あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師従事者数の推移
あん摩マッサージ指圧・はり・きゅうを受ける皆様へ
施術情報|薬事法ドットコム

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腰痛メディア編集部
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