鍼灸院とは

腰痛でつらいとき、鍼灸院に通って治療を受ける人もいます。
整形外科に通院し治療したけれども症状が解消されず、慢性化した人が鍼灸院に通うケースが多いようです。
しかし、鍼灸院に行ったことがなければ、具体的に鍼灸院と整体やカイロプラクティックがどのように違うのかもわからないという方が多いのではないでしょうか。
そもそも鍼灸院とは、どのようなことをする場所なのか、働いている人はどのような資格を持っているのか、など基本的なところから腰痛に効果的な鍼灸院の選び方までをご紹介します。

鍼灸とはWHOで認められた治療法

鍼灸とは、「はり・きゅう」または「しんきゅう」と読みます。
東洋医学、漢方医学の一分野として中国に起源を持つ日本でも歴史のある伝統的医療です。
鍼は、金属の細い針を経穴(ツボ)に刺します。
灸は、艾(もぐさ)を燃焼させて経絡に刺激を与えて病気を治そうとする施術です。
WHO(世界保健機関)が定めた鍼灸の適応症は、神経系の病気から眼科、耳鼻科、婦人科とさまざまな症状、病気が含まれています。
もちろん、腰痛もWHOが定めた鍼灸の適応症のひとつです。

西洋医学がスタンダードな治療法であると思いがちですが、鍼灸も世界で認められた立派な効果のある治療であるといえるでしょう。

鍼灸院で行うことは鍼、灸の施術

鍼灸院とは、鍼(はり)や灸(きゅう)を使った治療を行う施設です。
医療機関ではありません。
鍼灸施術を行うためには、はり師・きゅう師、つまり、鍼灸師の資格が必要です。
この資格は国家資格ですので、一定水準の技術が保証されることとなります。
高等学校卒業後、鍼灸専門学校、鍼灸大学、鍼灸短期大学等の教育機関で各種の医学ならびに技術の勉学を一定期間受けなければ資格が取得できません。

鍼灸院では健康保険を使える

一部の病気に関しては、健康保険で鍼灸を受けることができます。
健康保険で鍼灸を受けることができるのは、以下の6疾患に限定されています。
1.神経痛
2.リウマチ
3.腰痛症(慢性腰痛)
4.五十肩
5.頚腕症候群
6.頸椎捻挫後遺症

初回申請時には医師の同意書が必要です。
その後も3ヵ月ごとに医師の同意書が求められます。

これは、鍼灸院において健康保険の利用が認められるためには、「医師による適当な治療手段がなく、医師が鍼灸の治療を認めること」が条件だからです。
同じ部位の症状に関して医療機関で治療を受けている場合には、鍼灸の保険適用はできません。
また、原則、上記の6傷病しか鍼灸では健康保険を利用できないのです。
つまり、腰痛椎間板ヘルニアでは健康保険が使えませんし、肩こりや筋肉疲労のように疾病予防目的の場合も健康保険は適用されません。

健康保険が利用できない場合は、すべて自費となります。
1回あたり数千円以上の費用がかかりますので、長期間続けるのが難しい場合もあるでしょう。
費用対効果をよく見定めて、施術を受けるか否かを決めるのが大切です。

整形外科との違い

整形外科は「医療機関」です。治療をするのは医師免許を取得した医師です。
これに対し、鍼灸院は医療機関ではなく、施術をするのは「鍼灸師」となります。

整形外科では、レントゲン検査、CT検査、MRI検査などさまざまな医学的な精密検査を行うことができます。
場合によっては、骨シンチグラフィーなどの特殊な検査を行うこともあります。
これらの検査を行うことで正しい診断をすることが可能となり、正しい診断をすることで効果的な治療を選択できるというのが医療の考え方です。
特に、慢性腰痛の方は、一度は命にかかわる病気である悪性腫瘍などの可能性についても考慮して、しっかりと医師にみてもらう必要があるでしょう。

整骨院、整体、カイロプラクティックとの違い

整骨院は、接骨院とも呼ばれ、昔からの呼び名としては「ほねつぎ」とも呼ばれてきました。
施術をする人は、国家試験を合格した「柔道整復師」です。
各種健康保険が適用されます。

一方、整体師やカイロプラクティックは、国家資格ではなく、民間資格です。
国家資格を取得している施設のほうが信頼できる印象がありますが、一概には言えません。
整体師やカイロプラクティックでも熟練した施術者は存在しますので、選ぶ際にはよく吟味する必要があります。

最近では、インターネットでも鍼灸院を探すこともできます。
口コミや評判などの情報も参考にして選びましょう。

通常の鍼灸だけでなく、電気鍼など特殊な方法もあります。
得意分野、施術内容など、よくみて、比較検討しましょう。

鍼灸院で行う腰痛治療

鍼灸院では、触診、脈診、聴診等の検査をした後、施術を行います。
具体的にどのような施術をするのかわからず、鍼を刺すというと、太い鍼を刺されるのではないか、痛いのか、など不安を抱く人もいらっしゃるでしょう。
ここでは、鍼灸院で行う施術内容について具体的にご紹介します。

鍼の施術について

鍼の施術は、きわめて細いステンレス製の鍼を経穴(ツボ)に刺します。
鍼の太さは0.20mm~0.30mmです。
髪の毛が0.10mm程度ですので非常に細い鍼であることがおわかりいただけるでしょう。
刺入方法としては、管鍼法と言って金属か合成樹脂製の筒を用いて、その筒に鍼を通して刺します。
痛みはほとんどありません。
経穴に刺した鍼は鍼を上下したり、回旋したり、振動させたりという刺激を加え、すぐに抜く方法と10~15分置いておく方法があります。

それ以外には、刺した鍼に微弱な電流を流す「低周波パルス通電」をする方法もあり、痛みや筋肉のこり、血液循環の促進に効果があると言われているのです。

灸の施術について

艾(もぐさ)を用いて経絡(ツボ)に熱刺激を加える方法です。皮膚に乗せて着火させる「直接灸」と艾と皮膚の間を空けて行う「間接灸」という種類があります。
関節灸は、艾と皮膚の間に緩衝材を入れて熱さを軽減していますので安心です。
直接灸では、皮膚にやけどのような赤みや水疱ができることがあります。
これに対して間接灸では、皮膚を傷めることなく、お灸を行うことができますので、慣れない方には向いている方法であるといえるでしょう。
いきなり鍼灸院で行うのが怖い人は、市販のお灸などで試してみるとよいでしょう。
温かい、とてもここちよい感覚を得ることができるはずです。

腰痛があるときの鍼灸院の選び方

鍼灸院をお探しの場合は、以下のサイトから検索するとよいでしょう。
公益社団法人 日本鍼灸師会 鍼灸ネット

インターネットで探す場合には、鍼灸院の評判を調査してみるとよいでしょう。
はり師・きゅう師は国家資格ですので、施術に関し、一定の質は保たれている可能性が高いですが、心配ならば口コミ情報などを参考に好みの鍼灸院を探してみるのもひとつです。

また、インターネット以外では、友人や知人などの体験をきいて、参考にするのもおすすめです。
鍼灸ってどんなことをするんだろう?|公益社団法人 日本鍼灸師会

著者情報

腰痛メディア編集部

こんにちは。 腰痛で悩む多くの方に役立つ情報を毎日お届け。それぞれが違った痛みの場所・違った痛みの度合い・違った原因をお持ちです。 一人一人が自分の腰の状況(病態)を理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目標です。記事のご意見・ご感想お待ちしております♬

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