いつまでも続く慢性的な腰痛に悩まされている人は多いのではないでしょうか?
腰痛は、日本人の実に84%の人が人生の内で一度は経験するとされています。
腰痛は放っておくと痛みだけでなく、筋力低下による姿勢・容姿の変化や、精神的なストレスからあなたの仕事やプライベートにまで大きな支障をもたらす可能性があり、自ら解決するための行動が求められます。

「運動が腰痛には良いっていうけど、実際にどんな運動が一番効くの?」「運動するためにジムへ行く時間もお金もない。」

この記事では、そんな腰痛改善のための一歩を踏み出そうとする多忙な方のために、科学的に腰痛改善効果が認めらてた「自宅で行える体幹トレーニング」についてご紹介します。

腰痛と体幹筋力はなぜ関係が深いのか?

体幹筋力とは、背筋を伸ばす背筋(脊柱起立筋)、体を曲げる腹筋(腹直筋)、体を捻じる回旋筋(腹斜筋・多裂筋)、骨盤を下から支える筋肉(骨盤底筋・腹横筋)など、さまざまな筋肉からなりたちます。これらの体の幹となる筋肉の総称を体幹筋と呼びます。
日本で行われた大規模な研究報告によると、体幹筋の筋肉量の減少が背骨の傾きや腰痛の大きさと有意に関連したと報告しています。(1)つまり、体幹筋肉量は腰痛・姿勢と密接に関係していることが証明されたのです。
体幹の筋肉量が減ると腰痛になるのか、腰痛があるから体幹の筋肉量が減るのか、この因果関係に関しては未だ不明ですが、体幹筋を鍛えることが腰痛改善の一歩となることはさまざまな研究結果から支持される知見となっています。

体幹筋トレーニングを行うことでどんな効果があるのか?

慢性的な腰痛患者に対する運動介入の研究をまとめたシステマティックレビュー論文では、体幹トレーニングや筋力トレーニングは、慢性腰痛患者にとって有効であったと報告しています。一方で、ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動は慢性腰痛患者にとって効果を認めなかったと報告しています。(2)
 腰痛の温床である腰骨(腰椎)は、背骨の中で最も不安定な骨とされています。胸椎には肋骨が付き、骨盤は骨盤輪という骨の輪で安定性が高いのに対して、腰椎は骨の柱一本で支える構造となっているからです。この不安定な腰痛に対し、お腹・背中周りをおおう体幹筋が腰椎の安定性に必要不可欠です。つまりこれらの筋肉の障害は、腰椎の安定性の低下を招き、脊柱の関節や靭帯へのストレスの増加につながると推測されています。(3)
こうした理由から、腰椎を安定させる力を取り戻すために、体幹トレーニングは重要な役割を果たすと考えられます。
 それでは次の項目から、実際の体幹トレーニングの具体的な方法についてご紹介していきます。

運動の前に

ここで紹介する体幹トレーニングは、ピラティスを用いた研究で、慢性腰痛の軽減に有効であったと報告している論文に掲載されているトレーニング方法を参考にしたものです。
どの体操も8回を1セット、合計3セット行い、セットの間は15秒以上の休憩を入れましょう。
リズムは60回/秒のメトロノームの音に合わせて実施することをお勧めします。メトロノームはスマートフォンの無料アプリでも利用可能です。
また、体操中は常に腰部の「ニュートラルポジション」を意識しましょう。ニュートラルポジションとは、腰の骨(腰椎)の位置関係が体の真ん中にある状態のことを言います。
ニュートラルポジションの見つけ方をご説明します。仰向けに寝た状態で両膝を立て、両足を肩幅に開き、お尻・膝・つま先が一直線にそろう姿勢をとります。この時に注意してほしいのが床と腰椎の距離です。背中がそり過ぎていると手のひらがすっぽりと入ってしまい、背中が丸まりすぎていると手のひらが入りません。腰を前後に動かしながら、手のひらがちょうど一つ入る高さがニュートラルポジションです。下腹部を引き締めて、この位置を常にキープしたまま運動を行っていきましょう。

スパインブリッジイング

仰向けに寝て両手を横に、両膝を立てた位置から運動を開始します。ニュートラルポジションを保ったまま、お尻を体と一直線になるところまで高く持ち上げていきます。お尻を持ち上げたとろで5秒キープし、ゆっくりと降ろしていきます。持ち上げる際は息を吐きながら行い、止めている5秒間で息を吸い、また息を吐きながらゆっくりと床へ降ろしていきます。この動作を8回繰り返します。

ハーフロールダウン

仰向けに寝て両手を横に、両膝を立てた位置から運動を開始します。息を吸って下腹部に力を入れ、息を吐きながら両手を前方に伸ばしていきます。同時に、顎を胸につけたまま上体を起こしていきます。頭から腰にかけて背骨を一つ一つ持ち上げるように意識しましょう。挙げたところで息を吸いながら2秒キープします。今度は息を吐きながら腰から頭まで背骨一つずつ順番に床へ降ろしていきもとの姿勢に戻ります。この体操を8回繰り返しましょう.

サイドバランス

右向きに横へ寝た姿勢からスタートします。下側の腕は体と平行に頭部へ伸ばし、その上に頭を置きます。両脚をわずかに床から持ち上げ、さらに上側の腕を天井へ向かって垂直に持ち上げこの姿勢をキープします。続いて、この姿勢から天井に向かって伸ばしていた腕を体の前方に降ろしていきます。それと同時に下側の足は床へ降ろし、上側の足は真っすぐ体の正面に伸ばしていきます。息を吐きながらポーズの移動を行い、息を吸う5秒間は同じポーズでホールドします。計8回行い、次は反対側で同じ運動を実施します。

ローリングライクボール

体育座りの姿勢から開始します.両方のすねを手で持ち、胸に引き寄せます.バランスを取りながら、両足をマットから持ち上げて、体をボールのような形に保ちます.この時、両膝の間は肩幅を保ちます.
息を吸いながら、肩甲骨が床に接するまでに後方へ転がります。そして息を吐きながら、前方に転がりもとの開始姿勢に戻っていきます。この時も、ニュートラルポジションをとっている時と同様に下腹部を引き締め続け、体幹の左右を均等に保ちながら転がるように意識しましょう。また後方へ転がるときには、頭と首がマットに触れないように頭部を保持しましょう。

まとめ

以上、腰痛改善に向けた「自宅で行える体幹トレーニング」をご紹介しました。体幹トレーニングは、体の幹を安定させることで腰椎の安定性を取り戻し、腰痛改善を促すことを目的とした体操です。漫然と続く腰痛撃退のため、まずは自宅で行える体幹トレーニングから始めてみましょう!

しかし、腰痛の原因は人によりさまざまです。体幹トレーニングは、腰椎の不安定性を改善することで痛みの原因を除去する可能性を持ちます。しかし、痛みの原因が腰椎の不安定性以外である場合、体幹トレーニングは有効とならない可能性があります.
そのような方には、腰痛のより正確な診断と、診断に応じた正確な治療方法の選択が必要です。

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参考・引用文献
(1) Hori Y, Hoshino M, Inage K, et al。 ISSLS PRIZE IN CLINICAL SCIENCE 2019: clinical importance of trunk muscle mass for low back pain, spinal balance, and quality of life-a multicenter cross-sectional study。 Eur Spine J。 2019;28(5):914-921。
(2) Searle A, Spink M, Ho A, Chuter V。 Exercise interventions for the treatment of chronic low back pain: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials。 Clin Rehabil。 2015;29(12):1155-67。
(3) Hodges PW, Richardson CA。 Inefficient muscular stabilization of the lumbar spine associated with low back pain。 A motor control evaluation of transversus abdominis。 Spine (Phila Pa 1976)。 1996 ;15;21(22)。

著者情報

腰痛メディア編集部
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