原因が特定できない腰痛

寒い冬が苦手という方も多いと思いますが、寒さだけでも行動が億劫になってしまうのに、そこにさらに腰痛のつらさが加わるとなると、楽しく過ごすことがなかなか難しくなってしまいます。でもなぜ冬になると腰痛がひどくなるのでしょうか。
腰痛の約85%は、神経症状(しびれやまひなど)や重い基礎疾患などがなく、エックス線やMRIなどの画像検査をしても、どこが痛みの原因なのか特定しきれない「非特異的腰痛」と言われており、原因を特定できる「特異的腰痛」は全体の15%程度です。これだけ医学が進んだ21世紀の現在で、国民で一番有症者が多い腰痛の原因の85%が特定しきれていないとは、驚きですよね。
腰痛が起こる原因はさまざまで、複数の要因が絡んでいる場合が多いですが、寒くなると腰痛がひどくなると原因はどこにあるのでしょうか。

末梢神経と筋肉の関係

末梢神経とは、脳や脊髄などの中枢神経から分かれて全身の器官・組織に分布する神経のことです。身体の内部から筋肉の間を通って伸びていくものがあり、全身の末端まで伸びています。末梢神経は感覚器官(目・鼻・皮膚など)から中枢神経に刺激を伝える感覚神経と、中枢神経からの命令を筋肉に伝える運動神経からできています。感覚神経は体外から受けた刺激に興奮して、脳の中枢にそれらの情報を伝える神経で、伝達経路が末端から中心に向かっているので「求心性神経」とも呼ばれます。運動神経は、大脳皮質から発せられた指令を、全身の各部位に伝えるための神経で、伝達経路が中枢から末端、遠方に向かっているので「遠心性神経」とも呼ばれます。多くの脊髄神経では、皮膚の触覚・味覚を伝える感覚神経は、運動神経と混ざった形でからだ中に張り巡らされています。
中学校の理科で習ったことが頭の古い引き出しから少し出てきましたでしょうか。腰だけでなく頭もショートしないように、詳細説明は控えめにしつつ、もう少しだけ続けますね。
人間は発熱体です。人間も動物も生きていくエネルギーは、食物を摂取し燃焼することで得ています。そして生きている限り、体から熱を出し続けています。例えば、一つの部屋にたくさんの人が集まると、暑さでムンムンしてくることがあると思いますが、あれはそこいる一人一人が発熱しているからです。体の中で熱を一番つくっているのは筋肉です。その筋肉で発生した熱は、血液によって全身から心臓に運ばれます。そこで心臓が体の中で最も温かい場所となるのです。心臓の温かい血液は全身に送り出され、表面の皮膚にまで行き渡ります。皮膚は空気と接しているので、最も熱が体外に逃げやすいのです。つまり身体の熱はここで放熱されバランスをとり、体温を一定に保っているわけです。
寒くなると体の熱が大幅に失われ、体温が下がります。そうなると代謝も落ちてしまうので、熱が逃げないよう、体の活動を活発にする交感神経がさかんに働き始めます。交感神経は、血管を締める働きがあります。血管が締まると血流が少なくなります。つまり、皮膚の表面を流れる動脈が収縮し、流れる血液の量が減らすことで放熱を抑えようとするのです。そうなると筋肉も圧迫されます。そして筋肉の間に挟まれている末梢神経も圧迫されることとなり、その結果、末梢神経から脳に痛みを伝達してしまうのです。
寒いと腰痛がひどくなる要因は、体内のこのようなメカニズムからきています。

運動不足と血行不良によるもの。

寒い冬はどうしても家に引きこもりがちになり、屋外での活動量が低下してしまいます。筋肉は使わないと衰えます。特に腰回りの筋肉が衰えることで、上半身の重さを支える腰が悲鳴を上げ、腰痛を引き起こしやすくなります。
また、運動不足による筋肉の低下と寒さの「冷え」により、血行不良も引き起こします。血液には、筋肉にたまった疲労物質を回収する役割がありますが、血流が悪くなるとこれら疲労物質がたまりやすくなり、この疲労物質を何とか代謝しようとする体の働きが、腰痛という形で現れるのです。
運動不足は良くないと頭ではわかっていても、なかなか一人ではジョギングも長続きしなかったり、家に引きこもりがちで、悪循環から出れずに悪化させてしまう方が多いのも寒い冬の特徴でしょう。

負担の大きな姿勢で腰痛を刺激。

寒い日はどうしても、暖房の入った暖かい部屋でずっとごろごろしたりして、出不精になりがちです。
休日もタブレットやスマートフォンでネットサーフィンしたりしている方が多いのではないでしょうか。私もネットでいろいろ視聴していたら、驚くぐらい時間が過ぎていたなんていうこともよくあります。そんなとき実は、腰に負担のかかる姿勢を長時間とってしまい、腰痛を刺激してしまっていることがあります。

そもそも四足歩行の動物とは異なり、直立二足歩行をするように進化したヒトは、頭部と上半身の体重を支えるために、背骨に垂直方向の力で強い負担がかかります。また姿勢が悪いと負担は増し、腰の筋肉などが疲労して腰痛を招いてしまいます。
垂直方向の力を分散するために、ヒトの背骨はゆるやかなS字カーブを描くように並んでいます。この姿勢を保つメカニズムが疲労したりダメージを受けたりすると、腰痛を発症するのです。
良い姿勢」というのは、骨と筋肉のいずれにも余分な負担がかからない状態です。逆に「悪い姿勢」というのは、体の1ヶ所に大きな負担がかかり続ける姿勢です。実は座っている姿勢というのは、腰への負担が大きいのです。「立っている」ときの椎間板にかかる圧力を100としたら、実は「座っている」姿勢ではその値は140で、「座って前傾」の姿勢ではなんと185と、とても大きな負担がかかっているのです。普段の無意識な行動で、とても大きな負担をかけてしまっています。
また横になっているときも、実は腰に負担がかかっているのです。ゴロゴロしていて立ち上がった時に、腰が痛くなるとていう経験をされたことのある方も少なくないと思います。横向きに寝ているときは、腰部の支えがなく腰椎に負担がかかっている状態になります。適度に寝返りをうてば軽減されますが、長い時間その姿勢のままでいると、ある一定の箇所に集中的に負担がかかってしまいます。ついついスマホの画面に意識が集中して長時間そのままの姿勢でいると、腰痛を刺激しています。
腰痛を引き起こす要因としてはさまざまありますが、正しい姿勢を維持することが、腰痛対策としてとても大切です。

ピラティス

ピラティスでは、体幹と背骨にフォーカスし、トータルボディコンディショニングを行ないます。

マシンピラティスは専用のマシンを使ってエクササイズを行い、さまざまな方向に身体を動かすことで可動域を広げていき、普段の成果一では意識していない筋肉を強化し同時に体幹や体の軸を鍛えます。

マット・ピラティスは、身体への意識を深めることを目的とし、例えば「ロールダウン」のエクササイズでは、24本ある背骨の1つ1つを丁寧に動かしている感覚を認識できるようになります。
グループレッスンでもプライベートレッスンでも、個人として継続やすいスタイルを選択されることをお勧めします。

きっとあなたの毎日の生活が変わっていきます。

著者情報

腰痛メディア編集部

こんにちは。 腰痛で悩む多くの方に役立つ情報を毎日お届け。それぞれが違った痛みの場所・違った痛みの度合い・違った原因をお持ちです。 一人一人が自分の腰の状況(病態)を理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目標です。記事のご意見・ご感想お待ちしております♬

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