腰痛にお悩みの方の中には「いろいろな病院に行ってみたけれど腰痛が治らない」、「腰痛改善グッズを試してみたけれど効果が感じられない」などとお困りの方も多いのではないでしょうか?実際、そうした腰痛対策は一時的な改善になったとしても、根本的な改善にはつながりにくいのが現状です。

そこでこの記事では、腰痛の治療や予防において必要不可欠な「運動療法」という概念をご紹介したいと思います。運動療法を取り入れることで、腰痛を根本的に解決できる可能性も十分に考えられますので、長年腰痛に悩まされているという方はぜひ参考にしてください!

腰痛を根本から解決する「運動療法」とは?

「運動療法」という言葉の意味をなんとなく分かっても、正確に理解されている方は非常に少ないのではないのでしょうか?そこで、まずは「運動療法」という言葉について、その定義や目的について確認しておきましょう。

運動療法の基本概念

「運動療法」とは、文字通り「運動によって病気を治療する方法のこと」です。厚生労働省によると「障害や疾患の治療や予防のために運動を活用すること」と定められています。

運動療法は、体の麻痺などのリハビリとして用いられるイメージが強いですが、近年では糖尿病・高血圧・脂質異常症などの、いわゆる生活習慣病対策としても広く用いられています。実際、運動不足はこうした生活習慣病をはじめ、体の様々な不調を引き起こす要因とも言えますので、「運動によって病気を治療する」という運動療法は、非常に理にかなったものだと言えるでしょう。

腰痛における運動療法の目的

体や骨の歪みが原因となる腰痛においても、運動療法は非常に効果的です。特に腰痛になって間もないという方は、運動療法によって簡単に腰痛を解決できる可能性が高いでしょう。

腰痛における運動療法の最大の目的は「体幹の安定性向上と正しい姿勢の獲得」と言えます。体全体の重みをバランスよく支える姿勢を習得することで、腰痛を根本的に解決することが可能となるのです。

腰痛における運動療法のメリット

運動療法を効果的に取り入れれば、腰痛が改善されるだけでなく、体全体にとってさまざまな効果が期待できます。主なメリットとしては、以下の3つが代表的でしょう。

・筋肉や関節の柔軟性がアップする
・腹筋と背中のバランスが改善する
・免疫力が高まる

腰痛を抱える方のほとんどは体全体が凝り固まっている状態にあり、骨や筋肉の可動域も通常に比べ狭くなっていると言えます。そのため、運動療法を取り入れることで柔軟性を上げることは、腰痛改善において非常に大切なポイントとなってきます。

また、日常的に運動をすれば、当然免疫力も高まり、健康体を維持できるというメリットが期待できます。風邪を引いたり熱を出したりということも減らすことができ、より日常生活を充実したものにできるでしょう。

腰痛改善に効果的な4種類の運動療法

それでは運動療法は、具体的にどのように実践すれば良いのでしょうか?ここでは代表的な4つの方法について、腰痛にもたらす効果やポイントを交えながらご紹介します。

<運動療法の種類1>有酸素運動

有酸素運動とは、「筋肉を収縮させる際に、酸素を必要とする運動のこと」を指します。分かりやすく言い換えると、「軽く息が上がるくらいの強度で、筋肉への負荷が比較的軽い運動」と考えると良いでしょう。具体的には、ウォーキング・ジョギング・サイクリング・ヨガ・ピラティス・エアロビ・水泳・ラジオ体操などがこれに該当します。

体全体を使うことで、日常生活では衰えがちな筋肉を活性化させるのが有酸素運動の最大のポイントです。糖質や脂質をエネルギー源として用いるため、ダイエット効果や健康増進作用も得ることができるでしょう。また、痛みを抑える神経を活性化する作用があることから、腰痛の痛みが直接的に軽減されるという効果も期待できます。

<運動療法の種類2>無酸素運動

有酸素運動に対し、「酸素を使わずに筋肉を収縮させる運動のこと」を無酸素運動と言います。イメージとしては「息が上がり、体への負荷が大きい運動」と捉えると良いでしょう。短距離ダッシュやスクワットなどがこれに該当します。

無酸素運動は短時間で一気に体を動かす分、それだけ体にかかる負担は大きいと言わざるを得ません。実際、乳酸が体に溜まりやすく、疲れも抜けにくくなってしまうので、日常的に運動を継続したいという方にとっては不向きと言えるでしょう。特に腰周辺の神経が痛む方は逆効果になってしまうこともあるので、無酸素運動を取り入れる際は慎重に行ってください。

<運動療法の種類3>筋トレ

誰もがご存じの筋力トレーニングも、運動療法には効果的です。腕立て伏せ、腹筋、背筋など、定番の筋トレメニューを無理なく行うことで、姿勢改善の効果を得ることが期待できます。

筋トレは、関節の動きを伴う「等張性運動」と、関節の動きを伴わない「等尺性運動」の2つに分類されることがあります。特に「等尺性運動」は体への負荷が少ないことからも、運動療法の初期メニューとしてはぴったりでしょう。

<運動療法の種類4>ストレッチ

なるべく体力面で負担を少なくしたいという方には、気軽に行えるストレッチがおすすめです。家の中でも実践できるので、運動療法初心者の方や高齢者の方でも気軽に取り入れることができます。

ストレッチの最大のメリットは、「筋肉の柔軟性を高め、痛みを軽減すること」です。凝り固まった筋肉をじっくりと伸ばしていけば筋肉も柔らかくなり、自ずとリラクゼーション効果を得ることもできるでしょう。

腰痛の悪化に注意!運動療法を行う際の注意点

ここからは、運動療法を実践するうえで気を付けなければならないポイントについてご紹介していきます。闇雲に運動療法をスタートさせると、思わぬケガにつながったり、腰痛が悪化してしまったりという可能性も考えられますので、必ず事前にチェックしてください。

運動療法初心者には有酸素運動やストレッチがおすすめ

有酸素運動・無酸素運動・筋トレ・ストレッチと4種類の運動療法をご紹介しましたが、運動療法初心者や高齢者の方におすすめなのは有酸素運動やストレッチです。

無酸素運動や筋トレは体への負担が大きい分、腰痛を悪化させてしまうリスクも高くなってしまいますが、有酸素運動やストレッチならそうした心配も要りません。無理のない範囲で、長く継続することを意識してみてください。

運動療法の適切な時間と頻度

有酸素運動を行う際には、1回に20~40分程度、1週間に3 回程度実施するのが理想とされています。初めのうちはつい張り切りがちですが、最初から頑張りすぎると継続が難しくなってしまうので、20~40分程度を守るようにしてください。

筋トレやストレッチの場合は、初めのうちは10分程度にとどめ、徐々に体が慣れてきたら30分、1時間と増やしていくのが理想です。また、無酸素運動は「体が丈夫になってきたな」と感じたら、1日に2~3分程度から始めることをおすすめします。

腰が痛むときは運動療法を行わない

運動療法は決して「毎日行わなくてはいけない」というものではないので、もし腰に痛みを感じる場合には、その日の運動は控えてください。同様に、運動を始めてから痛みを感じた場合も、すぐに運動を止めた方が安心でしょう。

痛みが不安な方は、運動前にストレッチを行うこともおすすめです。事前に気になる筋肉を伸ばし、少しでも体への負担を和らげるように意識しましょう。

運動療法を継続して、腰痛のない暮らしを手に入れよう!

運動療法を実践するうえで最も大切なことは、日常的に継続するということです。せっかく運動を始めても、すぐに飽きてしまっては意味がありません。無理せず、楽しみながら行うのが長続きのコツですので、自分なりに上手にアレンジして日常のルーティンに取り入れてみてください。

運動療法を実践すれば、腰痛を改善できるだけでなく、腰痛の予防にもつながります。ぜひこの記事を参考に運動療法を実践して、腰痛のない健やかな暮らしを手に入れてくださいね。

◆参考資料
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/kenkou-undou/undou-ryouhou.html
https://youtsunenrei.com/chiryou/undou.html
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-086.html
https://www.club-dm.jp/basic/diet-exercise/exercise.html
http://www.jossm.or.jp/series/flie/020.pdf

著者情報

腰痛メディア編集部

こんにちは。 腰痛で悩む多くの方に役立つ情報を毎日お届け。それぞれが違った痛みの場所・違った痛みの度合い・違った原因をお持ちです。 一人一人が自分の腰の状況(病態)を理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目標です。記事のご意見・ご感想お待ちしております♬

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