厚生労働省の国民生活基礎調査によると、けがや病気などの自覚症状のある人のなかで腰痛を訴える人の割合が高い(男性1位、女性2位)ことがわかっています。
実際、仕事で長時間のパソコン作業や腰に負担のかかる作業をされている方の多くは腰痛にお悩みではないでしょうか。
この記事では、そんな腰痛の原因や腰痛対策におすすめのストレッチ、予防におすすめの筋力トレーニングを紹介します。
この記事を読めば、腰痛対策を正しく理解できるようになるでしょう。

腰痛の原因

腰痛の原因は、病気とその他の2つに分けられます。まずは国民病ともいわれる腰痛の原因を見ていきましょう。

原因①病気

病気など痛みの原因を特定できる腰痛は「特異的腰痛」といいます。
次のような病気が腰痛を発症させる可能性があります。

腰部脊柱管狭窄症
椎間板ヘルニア
・変形性脊椎症
・骨粗しょう症
・脊椎炎
・がんの転移

特異的腰痛は背中の神経が圧迫されることで痛みが生じます。神経の圧迫度合いがひどい場合は、脚のしびれや筋力低下も引き起こすでしょう。

また、スポーツによる障害や、外からの衝撃で骨がズレる骨折・筋肉の炎症も腰痛の原因となる場合があります。

次のような内臓や血管の病気も腰痛につながる恐れがあります。

・腎結石
・胆石
・大動脈解離

なかでも、腹部の大動脈の内側が破れる「大動脈解離」は救急治療が必要とされる病気です。

このように腰痛は病気が原因で発症している場合があります。

原因②その他

病気以外のことが原因とされる腰痛は「非特異的腰痛」といいます。腰痛全体の約85%を占めるといわれています。
レントゲンやMRIなどの画像検査をしても異常が見当たらないことが特徴です。
ぎっくり腰や慢性腰痛なども非特異的腰痛に含まれます。

非特異的腰痛は筋肉の凝りやこわばり、血流の減少、筋力低下などが組み合わさって発症している可能性があります。

一般的に短期間のセルフケアで良くなることがほとんどです。しかし、ストレスなどの心理的要因があったり、十分な休養がとれなかったりすると長引く場合があります。

非特異的腰痛は仕事や家事で同じ姿勢を取り続けることで発症する場合もあります。
とくに注意が必要なのは長時間のデスクワークや中腰での作業、重いものを持ち上げる作業です。
仕事でパソコンを使う方や、家のなかで重いものを持つ役割の方は腰に負担がかかっている自覚があるのではないでしょうか。

日頃、腰に負担のかかる作業をしている方は、自宅でできるセルフケアや休養を取ることを意識して腰痛対策に務めましょう。

腰痛対策におすすめのストレッチ5選

ここからは、手軽に実践できるストレッチを5つ紹介します。
オフィスでパソコン作業をしている合間にもできるので、腰痛にお悩みの方はぜひやってみてください。

腸腰筋のストレッチ

腸腰筋は上半身と下半身をつないでいる筋肉です。太ももや膝を持ち上げる働きがあります。腰痛の方の多くは腸腰筋が固くなっているため、ストレッチでしっかりゆるめましょう。

1. 右足を前に、左足を後ろに開いて立つ
2. 腰に手を置く
3. 右膝を曲げて上半身を沈める
4. 股関節を伸ばす
5. 4の状態で20~30秒キープする
6. 左右を入れ替えて3セット程度おこなう

ハムストリングスのストレッチ

ハムストリングスはお尻から膝裏にかけての筋肉です。膝を曲げる働きがあります。ハムストリングスが硬くなると、骨盤を前に傾けにくくなります。前傾するためにはより背骨を曲げる必要が出てくるため、結果として腰痛につながります。
ハムストリングスをやわらかくして腰痛を改善させましょう。

1. 肩幅よりも大きく足を広げる
2. 膝に手を置く
3. 右膝を曲げて左足の後ろ(ハムストリングス)を伸ばす
4. 3の状態で20~30秒キープする
5. 左右を入れ替えておこなう
6. 計3~4セットおこなう

腰の筋肉のストレッチ

腰の筋肉や腰椎をゆるめるストレッチです。オフィスでも実践しやすいストレッチですので、デスクワークをされている方は作業の合間に取り入れてみてください。

1. 椅子に座る
2. 上体を抱えるようにして前傾する
3. 30秒ほどキープする
4. 元に戻る
5. 3~4セットおこなう

胸の筋肉のストレッチ

胸の筋肉をストレッチすると猫背改善につながり、正しい姿勢づくりに役立ちます。猫背の状態がつづくと背骨のS字が崩れて腰への負担が大きくなります。
パソコンやスマートフォンを長時間使ったあとは猫背になっていることが多いため、積極的におこないましょう。

1. 足を肩幅くらいに開く
2. 背中側で両手をにぎる
3. そのまま斜め下に両手を伸ばす
4. 同時に上を向く
5. 10~30秒ほどキープする
6. 2の状態にもどる
7. 3セット程度おこなう

猫のポーズ

猫のようなポーズで背中を反らせたり丸めたりするストレッチです。背中を反らせるときのポイントは、肩甲骨同士を寄せることです。背骨全体がスムーズに動くように意識しておこないましょう。

1. 四つん這いになる
2. 手と足を肩幅くらいに開く
3. 背中を丸めたり反らせたりする
4. 5回程度繰り返す

腰痛予防におすすめの筋力トレーニング5選

つづいて腰痛予防に効果が期待できる筋力トレーニングを紹介します。

カールアップ

カールアップは膝を立てておこなう腹筋運動です。腹筋を鍛えると腰回りの筋肉への負担が軽減されるため、腰痛の予防効果が期待できます。筋力に自信のない方でも無理なくおこなえるトレーニングです。

1. 仰向けになる
2. 膝を立てる
3. 頭の後ろで両手を組む
4. おへそを覗き込むようにあごを引く
5. 3の状態にもどる
6. 10回を1セットおこなう(慣れてきたら3セット)

腸腰筋のトレーニング

腸腰筋が衰えると正しい姿勢を維持するのが難しくなり猫背につながります。猫背は腰に負担がかかるため、腸腰筋を鍛えて日頃から正しい姿勢を保てるようにしましょう。

1. 肩幅くらいに脚を開いて立つ
2. 腰に手を置く
3. 片脚を上げたまま3秒キープする
4. 3で膝が腰より上にきていることを確認する
5. 脚をゆっくりと戻す
6. 左右それぞれの脚で10回おこなう

ドローイン

ドローインは体幹を鍛える運動です。体幹を鍛えることは正しい姿勢の維持につながります。慣れてくると立った状態や座った状態でもおこなえます。

1. 仰向けになる
2. 膝を立てる
3. 腰骨のやや内側(腹横筋)に指を当てる
4. お腹を思い切り凹ませる
5. 4の状態で腹横筋が固くなっているか確認する
6. 10~30秒キープする
7. もとに戻る
8. 3セット程度おこなう

フロントブリッジ

フロントブリッジは腹筋と背筋を同時に鍛えるトレーニングです。トレーニングに慣れてきたら少しずつ時間を伸ばしていきましょう。

1. うつ伏せになる
2. 前腕とつま先で体を支える
3. 体のラインが一直線か確認する
4. 3の状態で30秒キープする
5. 10秒休憩する
6. 3の状態で30秒キープする

スーパーマン

スーパーマンは腹筋と背筋に同時にアプローチしつつ、体幹のバランス能力も鍛えられるトレーニングです。手足を上げすぎないことや、指先から足先までまっすぐにすることがポイントです。

1. 四つん這いになる
2. 右手を前へ、左足をうしろへ伸ばす
3. 2の状態で3秒キープする
4. 1の状態にもどる
5. 左手を前へ、右足をうしろへ伸ばす
6. 5の状態を3秒キープする
7. 1の状態にもどる
8. 1~7を10回程度繰り返す

まとめ

腰痛がひどくなると長時間同じ姿勢を保つことは難しくなります。また、中腰での作業や重いものを持つ作業は腰痛をさらに悪化させる恐れがあります。

病気以外が原因と考えられる非特異的腰痛は、セルフケアをすることで改善効果が期待できます。慢性的な腰痛にお悩みの方は、今回紹介したストレッチや筋力トレーニングを普段の生活のなかに取り入れてみてください。セルフケアを続ければ、つらい腰痛もきっと改善しますよ。

著者情報

腰痛メディア編集部

こんにちは。 腰痛で悩む多くの方に役立つ情報を毎日お届け。それぞれが違った痛みの場所・違った痛みの度合い・違った原因をお持ちです。 一人一人が自分の腰の状況(病態)を理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目標です。記事のご意見・ご感想お待ちしております♬

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