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さてぎっくり腰と聞くと何を想像しますか?動けないほどの激痛が走るが休んでいれば治るなんてイメージはある方も多いと思います。しかしぎっくり腰は「くしゃみ」、「立ち上がっただけ」、「重い荷物を持ち上げた」など様々な状況で受傷している人が多いです。
このような受傷は「腰椎椎間板ヘルニア」、「腰椎圧迫骨折」など放置しているとどんどん状況が悪化するものもあります。そのため医療機関で専門医の受診が好ましいです。しかし忙しい方もいるかと思います。
そんな時は現在無料で使える「オンライン自動問診による診断サービス」がオススメです。こちらは著明な医師が監修したサービスですので安心してご利用いただけます。自分自身の病態をすぐにでも把握したい方はこちらのサービスを一度試してみてはいかがでしょうか?

それではぎっくり腰について解説していきます。

ぎっくり腰とは

医学的な診断名では急性腰痛症です。日本では突然、腰の痛みを発症することからびっくり腰と呼ばれそこから徐々にぎっくり腰となったとされています。海外では「魔女の一撃」、「witch’s shot」です。昔から体調不良は魔女の仕業とされていたからと言われています。

原因としてははっきりとしたものは解明されていません。しかし関節や椎間板などの炎症や亀裂、捻挫などと考えられています。冒頭でも触れましたが腰痛椎間板ヘルニアや腰椎圧迫骨折などの可能性が考えられます。

または筋肉の場合もあり、急な動作や長時間デスクワークで同じ姿勢を続けていると腰部を支えている筋群に過負荷がかかり炎症を起こすともいわれています。筋肉の原因としてfascia(ファシア)と言われるが原因とも考えられています。Fasciaは筋と筋の間いわゆる筋膜や筋と脂肪、皮膚、神経などの繊維構成体と言われています。Fasciaの異常により筋肉の間にある筋膜などに炎症が起こり疼痛を引き起こします。

こんな症状は注意

ぎっくり腰を起こして徐々に痛みが軽減する、安静にしていればいたくないなど症状が落ち着いている場合は大丈夫ですが、次のような症状は注意が必要です。

「時間や動作に関係のない腰痛」、「発熱」、「広範囲に神経症状がある場合」などこのような症状が出る場合は骨折や腰椎椎間板ヘルニア、最悪の場合は「ガン」が潜んでいる場合があります。高齢者の場合は脆弱性腰椎圧迫骨折なども考えられるため「くしゃみ」でも骨折することもあり注意が必要です。
また「ガン」は早期に対応しないと転位や早期に手術することも考慮しなければいけません。腰の痛みと同時に熱が出た、しびれが出たなどの症状が全くひかない場合は我慢せず医療機関で相談することが重要です。

安静にしていると起こる問題

ぎっくり腰をでは動けなくなるぐらいの腰痛に見舞われる人が多いですが、安静にしていることが当たり前と思われていると思います。しかし安静にしている期間が長いと全身の筋肉量低下なども起きてきます。
安静にしていてずっと寝ているだけと生活していると1日で筋力が約1~3%低下すると言われています。1週間で10~15%、3~5週間で50%低下します。さらに筋力低下が起こることで腰椎を支えるローカル筋、グローバル筋の機能低下が起こります。
それが原因により腰部が不安定になり急性期が過ぎても慢性時痛が残存するケースも多くあります。その結果日常生活への復帰も難しくなります。

動いた方がいい理由

安静ではなく動いた方がいい理由は前述したとおり筋肉量が落ちないようにする目的があります。そのほかにも安静期間によって日常生活に復帰できる期間が変わります。まず1週間疼痛がなくなるまで安静にしているとその後も日常生活で疼痛を訴えることが多くあり、日常生活への復帰が遅くなるといわれています。
逆に2日間安静にしたあと徐々に疼痛範囲内で活動した人は日常復帰が早く、疼痛を感じるものの動くことができます。これらの理由から疼痛範囲内で動いた方がいい理由になります。
ほかの報告でもなるべく日常生活を過ごすことを行った方は安静にしている方やリハビリを受けている方よりも回復が早く、安静にしている場合は症状を長引かせるとする報告が上がっています。リハビリを受けている方よりも回復が早いことに驚きますが多くの報告が上がっています。

コルセットや注射を用いて痛みをコントロールする

ただ安静にしていてもつらい場合はコルセットや注射を用いて疼痛をコントロールします。コルセットは症状が安定するが逆に筋肉量低下などがよく危惧されますがコルセットは装着することによって腹筋に力が入りやすくなる、それによって腰椎の安定が期待でき痛めた腰部筋群へのストレスを緩和することができます。
コルセットは長期間の装着でなければ基本的には筋力低下の心配はありません。トレーニングを並行して行うことで筋力・筋肉量低下を防ぐことができます。コルセットで活動範囲が広がるのであれば最初は積極的に装着し疼痛が軽減し、外しても不安がないぐらいにする方が我慢するよりもはるかに良いです。
症状が少しずつ改善していくと、仕事中だけ、この作業だけと限定してコルセットを着用するようにすると長期間つけっぱなしということもなくなります。コルセットは正しく使うことで問題視されているようなことはほとんど起きません。

しかしコルセットでも疼痛が軽減しない場合は注射で疼痛の軽減を図ることもあります。

その場合は疼痛部位へのトリガーポイント注射やブロック注射、ハイドロリリースを行うことで疼痛軽減を狙います。注射する組織は様々で神経や筋肉、筋膜、関節などが挙げられます。これらは症状によって選択されていきます。コルセット同様、我慢して疼痛を引き延ばすよりも注射により早急に改善させることで日常生活への復帰を目指します。

まとめ

以上がぎっくり腰で安静にしすぎてはならない、動いた方がよい理由です。安静にしてはいけないわけではないので痛みが強い時は無理をせず動ける範囲で動きましょう。ただ安静にしすぎると1日、1週間、1か月で筋力はどんどん低下していきます。
それを防ぐためにも痛みは我慢せずコルセットでの患部の保護や、注射などを用いて疼痛軽減を図りましょう。またストレッチや筋トレなどの運動を、腰痛体操としてリハビリを行っていきましょう。なるべく動ける環境づくりを行っていきましょう。

そのためにも冒頭でも説明しましたが、まずは自分自身の病態を把握することが大事です。医療機関で専門医を受診する。もしくは無料で使える「オンライン自動問診による診断サービス」を活用する。これは著明な医師の監修のもと作られているため正確な診断が可能です。
現在の病態が確認できるため自分自身にあった治療プランを立てることができます。いまは安静にした方がいいのか?動いた方がいいのか?など疑問の解決に役立ちます。医療機関に受診する時間がないという方は一度試してみてはいかがでしょうか?

参考:日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/acute_low_back.html

著者情報

金岡 恒治(かねおか・こうじ)MD,PhD
金岡 恒治(かねおか・こうじ)MD,PhD

早稲田大学スポーツ科学学術院教授

日本整形外科学会専門医・脊椎脊髄病医

日本スポーツ協会認定スポーツドクター

日本水泳連盟理事・医事委員長 ほか

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