お腹にガスが溜まって苦しい、お腹が張って痛みがある、おならや吃逆(げっぷ)が良く出るなど、私たちの身近な症状であるお腹のトラブル。原因が分からないお腹の症状が頻回に続くと、“もしかして何かの病気かも?!“と心配になりますよね。中には悪い病気が隠れていることもあるので、注意が必要です。
今回は、お腹の張りやガスが溜まる原因、ガス溜まりが腰痛を引き起こす仕組みについて深めていきます。関連する病気や対策・対処方法についても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

お腹の張り(腹部膨満感)の原因とは

ガスが腸管内に溜まるとお腹のはりを感じます。腸管内にガスが異常にたまってしまっている状態を鼓腸(こちょう)と言います。鼓腸(こちょう)になる原因はいろいろありますが、大きく分けると下記の3つに分けられます。

機能的要因
何らかの病気が原因で腸の通りが悪くなっている
機能性要因
腸が刺激に対して過剰に反応してしまっている
蠕動障害が要因
腸の動きが極端に悪くなっている

お腹のガス溜まりが起こるメカニズム

お腹にガスが溜まって苦しくなってしまう「ガス溜まり」は、どのようなことが原因になっているのでしょうか。

ガスを摂りすぎることで起こる

  • 飲食時に飲み込んだ空気

  • 私たちは飲食時に、食べ物や飲み物と一緒に空気を飲み込んでいます。上手にガスを排出できても、体内に入るガスが多すぎるとお腹にガスが溜まってしまうことがあります。具体的には、早食いや大食いの人は一般的に食事の時に飲み込む空気が多いといわれています。また、ビールや炭酸飲料などの発砲系飲料の飲みすぎも体にガスがたまる原因になります。


  • ストレスにより知らず知らずに飲み込んだ空気

  • 緊張やストレスなどで歯を「噛みしめ」ていると、喉の奥に空気や唾液が溜まりやすくなり、たまった唾液を飲み込むときに空気も一緒に飲み込んでしまいます。また、精神的なストレスが増えると、自律神経のバランスが崩れてしまい(交感神経が優位なる)、知らず知らずのうちに腸内にガスが溜まっていることも。繰り返しストレスや緊張がかかると歯を噛みしめることが癖になってしまったり、うつむき加減の姿勢になることがあるため、注意が必要です。


  • 本人の意志とは関係なく飲み込んだ空気

  • 噛みしめ・呑気症・空気嚥下症になると、本人の意思とは関係なく日常生活のなかで無意識に空気を飲み込み、胃や腸が空気でいっぱいになり、胃腸障害をはじめさまざまな症状が発生します。病気が原因で空気を摂り込みすぎていることもあります。

腸の中で異常にガスが発生することで起こる

  • 腸内の細菌が異常に増えてガスが多く発生する

  • 私たちの体の中には500~1000種類の腸内細菌が100兆個存在しています。通常、食べ物(栄養素)を分解するときに、ガスを発生させています。体にとって不要なため、おならとして体の外に排出されます。暴飲暴食を繰り返すと異常酵素が起こり、ガス大量に発生させることがあります。


  • 悪玉菌の増加により腸内細菌のバランスが崩れガスが多く発生する

  • 私たちの体の中には善玉菌と悪玉菌と日和見菌と呼ばれる腸内細菌が存在しています。
    善玉菌が体に良いというのは良く耳にするため、ご存じの方も多いかと思いますが、乳酸菌などの善玉菌は消化吸収を促進してくれる働きがあります。日々、体の中では善玉菌と悪玉菌が陣取り合戦をしており、善玉菌が優位の状態が良い腸内環境につながります。
    健康な人の腸内は、腸内細菌のバランスが保たれていますが、年をとるにつれて善玉菌が減り、そのかわりに悪玉菌が多くなります。腸内細菌のバランスが崩れると、多量のガスが産生されるようになります。

腸の動き(蠕動運動)が悪くなりガスがうまく排出できないことで起こる

通常、口から飲み込んだ空気やお腹の中で発生したガスは、「げっぷ」や「おなら」として排気されます。おならとして排出されるガスは、飲み込んだ空気が7割、体内で発生したガスが残りの3割程と言われています。
お腹にガスがたまっても胃腸に異常がなく、動きがスムーズであれば、過剰にガスがお腹に残ることはありません。しかし、胃腸の機能が弱ったり衰えたりすると、胃腸の動きが悪くなり、ガスがお腹に溜まっていきます。

ガスが溜まりやすい人って?

・早食いや大食い、暴飲暴食をする人
・炭酸飲料を摂りすぎている人
・食物繊維を摂りすぎている人
・運動不足の人
・食事時間や就寝時間は不規則な人
・ストレスや緊張など精神的な負担が多い人

お腹のガス溜まりは女性に多いと言われています。生理や冷えなどで胃腸の動きが悪くなり、ガスが溜まりやすくなる場合もあります。

あなたのガスはどのタイプ?

ガス溜まりの原因について説明してきましたが、 ガスがお腹に溜まる原因はさまざまです。まずはあなたのガス溜まりの原因をチェックしてみましょう!ラッパの整腸薬で有名な大幸薬品で、3つの簡単な質問に回答するとあなたのガスのタイプか分かるので、ぜひあなたのガス溜まりはどのタイプなのか確認してみましょう。
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お腹が張って痛い時は何科に受診すれば良いの?

腸管内のガスは、口臭と同じように腸の健康状態を反映するバロメーターです。
生活習慣に気を付けても症状が長く続いたり、薬を飲んでも改善しない場合は、一度消化器内科や胃腸内科を受診してみましょう。
腸管の病気が原因の場合もありますので、お腹の強い張り、我慢できないほどの痛みなど緊急性が高い場合には、自分で判断せず病院を受診し、診察を仰ぎましょう。

お腹のガス溜まりを予防するために良好な腸内環境を作ろう

お腹(腸管内)にガスが溜まらないようにするにはどうしたら良いのでしょうか?
実は、ちょっとした生活習慣の改善によってお腹のガス溜まりを予防することができます。

食生活に気を付けよう
食生活を改善することで、口から入る空気を減らし、善玉菌を増やす効果が期待できます。結果として、腸への負担が減り、消化不良を改善・腸内環境のバランスを整えられます。下記は取り入れたい食生活を一例です。

1日3食しっかり食べよう
ゆっくりよく噛んで食べよう
・イモ類や豆類など食物繊維が多く含まれた食品を積極的に取り入れよう
(摂りすぎは逆効果に!一日当たりの目標量は、18~64歳で男性21g以上、女性18g以上です[1]。)
・ヨーグルトなど乳酸菌が入った食品を毎日摂取しよう
・バナナ、きな粉などオリゴ糖が含まれた食品を取り入れよう
・納豆など発酵食品を積極的に摂ろう
・食べ過ぎや飲みすぎ、偏食を控えよう
・揚げ物やジャンクフードの摂りすぎには注意しよう
・冷たすぎる飲み物は控えよう
・水分を十分に摂ろう

適度な運動をして腸を活性化させよう
運動不足は腸の働きが落ち便秘につながります。ウォーキングやストレッチ、体操など軽い運動でも良いので毎日行うことが大切です。ガスを出しやすくするヨガの動きや腸活エクササイズもあるので、自分にあった続けやすい運動をとり入れてみましょう。
規則正しい生活リズムで自律神経を整えよう
多忙な生活を送っていると、気が付いたら便秘になっていたという経験がある方も多いのではないでしょうか。多忙な生活や、不規則な生活リズムだと便秘になりやすい傾向があります。また、過労や過度なストレスは、自律神経が崩れて、腸内環境の悪化につながります。実は、睡眠中は副交感神経が活発になり腸が動きやすいため、無意識のうちにおならをして体の外にガスを排出しています。出来る限り十分な睡眠と休息をとり、規則正しい生活を意識しましょう。
リラックスする時間を作りストレスを溜めないようにしよう
過度なストレスや緊張は余分な空気を飲み込む要因になるため、睡眠前の瞑想(めいそう)など自分に合ったリラックスする方法を探し、心身ともにリフレッシュする時間をとるよう心がけましょう。アロマを垂らしたホットパックやお好みの入浴剤を使って湯船につかるなどもリラックスの効果と同時にお腹が温まり腸蠕動の働きをよくする効果も得られるのでおすすめです。

お腹にガスが溜まると腰痛の原因になることも

お腹にガスが溜まると苦しくなりますが、短時間でよくなりその後、繰り返さない場合にはあまり心配はありません。しかし慢性的にガスが溜まっている状況では、お腹だけでなく全身にさまざまな症状を引き起こします。腰痛もその症状のひとつです。なぜ、ガスが溜まることで痛みが生じ、腰痛などお腹以外の部位にも影響を及ぼすのでしょう。

ガスが溜まるとなぜ痛みが起こるの?

お腹にガスがたくさん溜まってしまうと、お腹の張りが強くなり「腹部膨満感」といわれる、お腹が腫れて苦しい状態になります。この膨満感が長く続くと腹痛や息苦しさを感じます。腸にガスが溜まることで、胃に入ったものが腸に進みにくくなり、食欲がなくなります。また、ガスが溜まって膨れた大腸が周囲の血管を圧迫するので、血流が悪くなり、足がむくんでしまったり、尿の量が減ったりすることがあります。このような体の変化が、またストレスとなり腹部へも影響し、腹痛を感じやすくなります。激しい腹痛や横になれないほどの息苦しさがあったり、急激に膨満感が現れてお腹がパンパンに張っていたりする場合には速やかに受診が必要です。

ガスが溜まると腰痛になる理由

便秘になりお腹にガスが溜まると、ガスが腸壁を圧迫し「お腹が張っている」という自覚症状が出ます。ガスで拡張した腸管は周りの組織を圧迫して、さらに神経も圧迫します。そのため腰痛を感じるようになるのです。特に高齢者ではガスが溜まると腰痛を訴える人が散見されます。ただし、腰痛は尿管結石や腎盂腎炎、急性膵炎、大動脈解離、子宮筋腫、大腸がんなど他の臓器の病気が原因でも起こることがあります。「ガス溜まりからくる腰痛」と決めつけず、他の病気の症状でないことを確認することが大切です。

お腹の張りは内臓の病気が原因の場合もあるため注意が必要

お腹が張る原因の病気は多く挙げられますが、代表的なものでいうと「過敏性腸症候群」「大腸がん」「胃がん」「腸閉塞(イレウス)」「慢性膵炎」「肝硬変」「急性心不全」などがあります。
中でも、過敏性腸症候群はガスだまりを起こしやすい病気です。ストレスなどが原因で腸の蠕動運動に異常が起き、お腹の痛みを伴う慢性的な下痢や便秘などを引き起こすことが特徴です。
腸閉塞では、腸がねじれたり、腸管内に便やできものなどがあり、通過障害を認めます。便にガスが溜まり、腹痛やお腹の張り、ひどくなると吐き気や嘔吐などを引き起こすことが特徴です。
いずれにせよ、お腹の張りが長引く時には受診することをおすすめします。激しい腹痛や横になれないほどの息苦しさがあったり、急激に膨満感が現れてお腹がパンパンに張っていたりする場合には速やかな受診が必要です。

まとめ

今回は、お腹のガス溜まりと腹痛の関係についてご紹介しました。
お腹のトラブルは生活習慣が原因の場合と内臓の原因があります。生活習慣に気を付けていても症状が長引く場合は、一度病院を受診することをおすすめします。
お腹の強い張りや我慢できないほどの痛みなど緊急性が高い場合には、自分で判断せず、病院を受診して診察を仰ぎましょう。
良好な腸内環境はさまざまな病気の予防に効果的ですので、この機会に自分の生活習慣を見直してみてみましょう。

参考:
おなかのガスってなに?ラッパ整腸薬BF|大幸薬品

おなかのハリ(腹部膨満感)が気になるあなたに|ビオフェルミン製薬

著者情報

腰痛メディア編集部
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