梨状筋症候群とは

梨状筋はお尻の筋肉で、股関節の後ろに入っています。その筋肉の前に坐骨神経が通っています。

神経は、腰の骨から出た後で骨盤を通り、梨状筋の前を通って足の後ろに繋がっています。そのため梨状筋がたくさん使われて固くなり、坐骨神経が刺激されて足の痛みが出ると言われています。

そのような状態で痛みが出たものを梨状筋症候群と言います。しかし、ほとんどの坐骨神経は腰の部分で圧迫をされたりすることで坐骨神経痛を出しますので、梨状筋症候群で足が痛いという人はそんなに多くはいないと思います。

時々、長距離ランナーでたくさん走るような人の中に、梨状筋が神経を触って足が痛くしびれるという人がいますが、非常にまれです。多くは腰からくる坐骨神経痛だと思っていいと思います。

坐骨神経痛とは

坐骨神経痛とは、お尻から足の裏まで繋がっている坐骨神経という大きな神経が痛みを引き起こしている症状のことです。

坐骨神経のもとになる神経は腰の骨の隙間から出ていて、その神経が椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症によって圧迫され、それによって神経が炎症を起こすと足の痛みやしびれ、ひどい場合には足の筋力の低下を引き起こします。

よりひどい場合には、間欠性跛行という、足がしびれて歩けなくなるという症状も引き起こします。坐骨神経痛はヘルニアが右に出るか左に出るかによって、痛みの現れる位置が変わります。

脊柱管狭窄症とは

脊柱管狭窄症も右側が狭い場合には右側の足に痛みが、左側が狭い場合には左側の足に痛みが出ます。中には脊柱管全体が狭くなってる場合には両足に症状が出ることもあります。

坐骨神経痛がひどい場合には運動療法で良くならない可能性もあるので病院に行って検査を受けた方がいいと思います。もし坐骨神経痛の程度がひどくて、何ヶ月も薬や注射や痛みをとるような治療法で良くならない場合には、手術を勧められる可能性もあります。

ただ脊柱管狭窄症に対しては、腰椎の前弯をへらす姿勢(後弯)で症状が楽になる可能性もありますので、運動療法は諦めずにしっかりとやってください。

それでも良くならない場合には、腰の骨を削って神経の圧迫をとるような手術を行うことがあります。手術にはいろんな方法があります。最近では内視鏡で傷を小さくして骨を削る方法も普及はしています。

しかしまだその手術をどこでも行えるというわけではなく、通常は背中の皮膚を一箇所につき5センチぐらい切って、骨を出して音を削るという手術が一般的です。手術をする必要がある場合は、腰痛に対してではなくあくまでも足の痛み足のしびれ、筋肉の低下、筋力の低下のような神経症状に対してのみ手術が通常は行われます。

腰痛だけの症状に対して手術を行う場合はとても稀ですので、腰痛だからといって手術を受けなければ治らないと思わないようにしてください。

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著者情報

金岡 恒治(かねおか・こうじ)MD,PhD
金岡 恒治(かねおか・こうじ)MD,PhD

早稲田大学スポーツ科学学術院教授

日本整形外科学会専門医・脊椎脊髄病医

日本スポーツ協会認定スポーツドクター

日本水泳連盟理事・医事委員長 ほか

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