坐骨神経痛とは

坐骨神経痛とは、お尻から足の裏まで繋がっている坐骨神経という大きな神経が痛みを引き起こしている症状のことです。

坐骨神経のもとになる神経は腰の骨の隙間から出ていて、その神経が椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症によって圧迫され、それによって神経が炎症を起こすと足の痛みやしびれ、ひどい場合には足の筋力の低下を引き起こします。

よりひどい場合には、間欠性跛行という、足がしびれて歩けなくなるという症状も引き起こします。坐骨神経痛はヘルニアが右に出るか左に出るかによって、痛みの現れる位置が変わります。

脊柱管狭窄症も右側が狭い場合には右側の足に痛みが、左側が狭い場合には左側の足に痛みが出ます。中には脊柱管全体が狭くなってる場合には両足に症状が出ることもあります。

坐骨神経痛がひどい場合には運動療法で良くならない可能性もあるので病院に行って検査を受けた方がいいと思います。もし坐骨神経痛の程度がひどくて、何ヶ月も薬や注射や痛みをとるような治療法で良くならない場合には、手術を勧められる可能性もあります。

ただ脊柱管狭窄症に対しては、腰椎の前弯をへらす姿勢(後弯)で症状が楽になる可能性もありますので、運動療法は諦めずにしっかりとやってください。

それでも良くならない場合には、腰の骨を削って神経の圧迫をとるような手術を行うことがあります。手術にはいろんな方法があります。最近では内視鏡で傷を小さくして骨を削る方法も普及はしています。

しかしまだその手術をどこでも行えるというわけではなく、通常は背中の皮膚を一箇所につき5センチぐらい切って、骨を出して音を削るという手術が一般的です。手術をする必要がある場合は、腰痛に対してではなくあくまでも足の痛み足のしびれ、筋肉の低下、筋力の低下のような神経症状に対してのみ手術が通常は行われます。

腰痛だけの症状に対して手術を行う場合はとても稀ですので、腰痛だからといって手術を受けなきゃ治らないと思わないようにしてください。

脊柱管狭窄症とは

背骨や椎間関節が変形して神経の通り道である脊柱管が狭くなり、下肢に行く坐骨神経を圧迫し痛みやしびれが生じた状態です。

症状がひどくなると、歩いていると下肢がしびれて歩けなくなり、立ち止まって前かがみになることで脊柱管が少し広がり、また歩けるようになるという間欠性跛行がでます。

症状が軽いうちは前かがみの姿勢のときと同じような背骨の並び方(腰椎の後弯)をすることで症状が緩和されます。骨盤を後傾し腰椎を後弯させた姿勢を維持するためのエクササイズを行いましょう。

腰椎椎間板ヘルニアとは

腰椎椎間板ヘルニアは、腰痛や膝下~足裏にかけての痺れなどが主な症状で、20~40歳に多く発症し、男女比は2~3:1で男性に多い疾患となっています。
また不良姿勢での動作や作業、くしゃみ、喫煙などでヘルニアが起こりやすくなるとされています。

人の体は脳から脊髄といった神経を介して体に対して指令を送っています。
また、痛い、熱い、冷たいなど体から得た様々な情報を脳に送ることも同じく脊髄を介して行われています。
その脊髄を保護している骨が脊椎と言われ、一般的に背骨と呼ばれている部分にあたります。
人間の脊椎は椎骨という骨がいくつも積み木の様に重なって構成されています。
頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙椎4個で計33個の骨を順番に上から構成されています。

これらの椎骨と椎骨の間には椎間板と呼ばれるクッションの役割を担っている軟部組織が存在し上下の椎骨をつないでくれています。

椎間板は繊維輪と呼ばれるコラーゲン組織で構成されており、中心には髄核と呼ばれる組織が存在しています。

この椎間板は正常では上下の椎骨を支えるための弾性を有しています。
しかし、加齢や運動時のストレスなど様々な要因によって変性が起こるとされています。
これによって弾性が低下することがあります。

腰椎椎間板ヘルニアでは弾性が低下した椎間板の中にある髄核が繊維輪突き破って外に脱出してしまう状態を指します。

そして繊維輪の外へと脱出した髄核が脊髄を圧迫してしまうため痺れや痛みを誘発してしまうということです。

椎間板ヘルニアを分かりやすくするために、アンパンをイメージしていただけると良いかと思います。
椎体と椎体の間にはアンパンがありアンパンがクッションの役割を担っています。
椎間板ヘルニアでは、そのアンパンの中に存在するあんこがパンの外に飛び出してしまい神経に触れてしまうため痺れや痛みを発生させてしまうことになります。

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著者情報

金岡 恒治(かねおか・こうじ)MD,PhD
金岡 恒治(かねおか・こうじ)MD,PhD

早稲田大学スポーツ科学学術院教授

日本整形外科学会専門医・脊椎脊髄病医

日本スポーツ協会認定スポーツドクター

日本水泳連盟理事・医事委員長 ほか

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