腰痛が起きるメカニズムには、色々なものがあります。

最初は痛みを感じず違和感程度であったものが、だんだん負担を繰り返していくうちに、その局所に組織の小さい損傷を受けます(微細損傷マイクロインジュアリー)。

それが起きると動く時にいつも痛みが出てしまい、微細損傷をした場所にはその損傷を修復するために白血球がやってきます。

白血球がやってくる理由は、損傷部を修復するための細胞を連れてきて、コラーゲンを作らせて傷んだところを修復するためです。修復が完了すれば元通りということになりますが、負担が加わり続けていれば微細な損傷はだんだんと大きくなります。

炎症が残ると白血球は一生懸命そこを治そうとして、そこに負担が加わるとまた痛みが出るというふうに慢性化します。最初はコラーゲンを作る細胞が治しますが、やがて骨を作る細胞がやってきて、炎症部に骨ができてだんだん骨が変形します。

あるいは軟骨がだんだんと減っていって、関節が変形する「変形性関節症」というような状態になってしまいます。そうなった場合レントゲンを撮ると、骨の変形や椎間板の潰れが病院の検査でわかるようになります。悪い箇所がレントゲンやMRIでわかるようになりますので、必要に応じてその場所を治療するということになります。

変形が強くなって神経を圧迫してしまうと、坐骨神経痛というお尻から足にかけて痛みが出る状態になってしまい、ひどい場合には手術をして変形した骨を削って神経の圧迫を取ることが必要になってきます。

このように、腰痛には色々な段階があります。違和感だけのステージ1、そこに微細損傷が起きたステージ2、炎症が起きてしまったステージ3、骨の変形が始まったステージ4、手術をしなければ治らないような骨の変形が起きてしまったステージ5です。

あなたの腰痛がどの段階かを考えて対処する必要があります。ステージ4・5の人は、病院に行ってある程度の対処が必要になります。しかしステージ1・2・3の人が病院に行っても、どこも悪いところはないと言われてしまいます。

ステージ1・2・3の人は病院で薬をもらう治療はせずに、自分で自分の体を使って運動をし、体の機能を高めるということが必要です。

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著者情報

金岡 恒治(かねおか・こうじ)MD,PhD
金岡 恒治(かねおか・こうじ)MD,PhD

早稲田大学スポーツ科学学術院教授

日本整形外科学会専門医・脊椎脊髄病医

日本スポーツ協会認定スポーツドクター

日本水泳連盟理事・医事委員長 ほか

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