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頭痛は、肩こり・腰痛に次いで日本人の多くが訴える症状です。日本人の3人に1人が頭痛に悩まされているともいわれています。頭痛には、命に関わる頭痛と関わらない頭痛があります。

今回は頭痛の種類や原因について解説します。

一次性頭痛と二次性頭痛

頭痛は、一次性頭痛と二次性頭痛の大きく二つに分けられます。

一次性頭痛:頭痛の原因が病変ではないもの。命に関わらない頭痛。片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など。

二次性頭痛:何らかの病変が原因で起こる頭痛。命に関わることがある。くも膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎、慢性硬膜下血腫など。

二次性頭痛は、もとの疾患を治療することで、頭痛が軽減されます。

一次性頭痛の種類

片頭痛

20-40歳代の女性に多くみられます。主にこめかみから側頭部にかけて、片側や両側に痛みが生じます。痛みは拍動性を伴い、「ズキンズキン」とたとえられます。発作の持続時間は12~24時間程度です。約30%では発作の前に前兆が見られます。

階段の上り下りなどの日常動作によって痛みが悪化し、ときに吐き気や嘔吐を伴います。発作中は光、音、においにも敏感になります。

原因は明らかではありませんが、脳の血管の拡張や、脳の血管の周りの三叉神経の興奮がかかわると考えられています。ストレスや疲労、月経周期、天候などが誘因となります

片頭痛の治療は薬物療法が中心となります。予防薬もありますから、片頭痛に悩まされている場合は一度病院を受診してみると良いでしょう。

緊張型頭痛

一次性頭痛の中で最も多いのが、緊張型頭痛です。主に、首から後頭部の筋肉のこりが原因で起こるとされています。筋肉が緊張して血管が収縮することで、血行不良で凝りの状態となり、痛みが発生します。頭重感や、頭を締め付けるような痛みが特徴です。

痛みはゆっくりと発生し、徐々に増悪します。

まずは原因となる精神的・身体的ストレスを取り除くことが大切です。マッサージなどで改善することがありますが、痛みが強ければ鎮痛薬を用います。

三叉神経・自律神経性頭痛

・群発頭痛

目の奥が強烈に痛くなり、その発症時間と持続期間が決まって出現する病気です。20-40歳代の男性に多く見られます。主に深夜に、突然、片側の目の奥がえぐられるような激痛が1時間ほど続きます。これがおよそ1か月間、毎日同じような時間に発作が出現します。痛みだけでなく、流涙や、目の充血、鼻づまりなどの症状を伴います。原因は明らかではありません。治療は薬物治療を行います。

その他の一次性頭痛

上記3つに分類されない一時的な頭痛。たとえば、「寒冷刺激による頭痛」(アイスなどを食べたときに起こるキーンとした痛み)や「頭蓋外からの圧力による頭痛」(きつい帽子をかぶった時の締め付けによる頭痛)など。

二次性頭痛の種類

二次性頭痛には様々な種類があります。

・頭部外傷による頭痛

・脳内の血管障害に伴う頭痛:くも膜下出血や脳出血、脳梗塞など

・非血管性頭蓋内圧疾患にともなう頭痛:脳腫瘍や頭蓋内病変によって脳内の圧が上がる

・原因物質あるいはその離脱にともなう頭痛:二日酔いや一酸化炭素中毒など

・頭部の以外の感染症にともなう頭痛:かぜなどのウイルスや細菌の感染にともない起きる頭痛

・頭蓋骨、あご、目、鼻、副鼻腔、歯、口、顔面、頭蓋組織に起因する頭痛・顔面痛

・精神疾患による頭痛

・有痛性脳神経ニューロパチー、ほかの顔面神経痛:三叉神経痛や喉頭神経痛、帯状疱疹による頭痛

・その他

緊急度の高い症状を判断したい

日常の外来診療をしていると、頭痛の多くは一時的頭痛で、緊急度は低い場合がほとんどです。
しかし、中には緊急度が高く、一刻を争う症状のこともあります。すぐに受診した方がよい症状についてまとめました。

突然起こった頭痛で痛みが激しい
・頭痛の症状や程度が進行している
・1週間以上頭痛が続く
・マヒやしびれ、けいれんをともなう
・意識がはっきりとしない
・ろれつが回らない
・話している内容がよくわからない
・目が見えにくくなったり、ぼやけて見える、二重に見える
・めまいや吐き気をともなう、実際に吐く
・高熱をともなう
・高齢になってからおきた経験したことのない痛み

これらの症状が確認できれば、重大な脳疾患や神経疾患である可能性があります。意識がなくなった場合には迷わず救急車の要請をしましょう。

最後に

日本人の有訴症状でも上位に食い込んでくる頭痛についてまとめました。
腰痛や肩こりと同じく、日常的に起こりうる症状ですが、中には重大な疾患が隠されていることも。
命に影響がなくても、頭痛が改善すれば日常生活が快適になり過ごしやすくなるとおもいます。自分の頭痛を鑑別し、対処方法を検討する際の参考にしてみてくださいね。

▼参考文献

ドクター真中の頭痛大学

症状からみる病態生理の基本

日本頭痛学会

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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自分の体の状況(病態)を正しく理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目的です。

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