日本人の多くが抱えている腰痛は、時に意欲の低下を引き起こします。腰の痛みが原因でいまいち仕事に身が入らないという方もいるでしょう。事実、腰痛によって年間で3兆円規模の経済損失が出ていると言われるもあり、腰痛の改善は国民的課題です。

また意欲の低下を伴う腰痛には、重大な病気が潜んでいる可能性もあるので、注意しなければなりません。そこで今回は腰痛が起こり、意欲が低下してきたら実践すべきことについて解説します。意欲の低下を伴う腰痛の原因や、簡単に専門家の診断を受けられるおすすめのサービスも紹介するので参考にしてください。

意欲の低下を伴う腰痛の原因

腰痛やそれに伴う意欲の低下の原因には様々な要因が考えられます。以下ではその一例を紹介するので参考にしてください。

骨粗鬆症の痛みが慢性化すると意欲が低下する
「骨粗鬆症」は骨の代謝に関するバランスが崩れ、骨がスカスカに脆くなってしまう病気です。骨の形成には骨を生み出す「骨芽細胞」と骨を溶かして壊していく「破骨細胞」が関わっており、両者の働きによって骨はどんどん新しく生まれ変わっていきます。この新陳代謝のバランスが狂ってしまうと、骨を壊す活動がメインになって、骨が弱くなってしまいます。

骨粗鬆症になると、少しの衝撃でも簡単に骨が折れるようになるので危険です。背骨が圧迫骨折によって段々潰れていき、腰痛や背部痛が慢性化することも珍しくありません。腰痛がひどくなると動くのが億劫になり、動かないことによって筋肉や骨が弱ってさらなる骨折を招くという悪い循環にはまってしまうことも多いです。また圧迫骨折による腰痛やそれに対する不安などが強いストレスになり、意欲の低下や抑うつ状態を招くこともあります。

なお、骨粗鬆症は閉経後の女性に多い病気です。女性の場合、60歳以降では1/3、70歳以降では1/2以上の確率で発症すると言われています。女性ホルモンである「エストロゲン」は破骨細胞を抑制する働きをするため、これが減少することによって骨粗鬆症のリスクが高まっていきます。

若い女性にも骨粗鬆症の危険はある
骨粗鬆症は高齢の女性に多い病気ですが、若い女性でも発症する可能性はあります。実際、30代で軽度の骨粗鬆症になった女性の例も報告されているので、若いからといって油断はできません。

また若いうちに過度なダイエットやUVケアなどによって十分な「骨貯金」ができないと、将来骨粗鬆症になるリスクを高めてしまいます。閉経後に骨粗鬆症にならないようにするためには、若いうちからバランスの良い食事や適度な運動を心がけ、将来の備えとして骨量を増やしていくことが重要です。

心理的ストレスが原因で腰痛が起こることも
腰痛の85%程度は原因が特定できない「非特異的腰痛」ですが、それは心理的なストレスによって引き起こされることが多いと言われています。心理的ストレスが原因の場合は、腰痛と合わせて意欲の低下が見られるケースも一般的です。場合によっては「ストレス性障害(適応障害)」や「自律神経失調症」などという病名がつくこともあります。

なお、腰痛の原因が身体的なものか心理的なものかを見極めたい場合は、腰の痛みがいつ現れるかを確認してみてください。もし腰痛が起床直後や午前中にひどくなるのであれば、心理的ストレスから来る腰痛の可能性が高いです。

骨や筋肉に問題がある腰痛であれば、疲労の蓄積などにしたがって痛みが強くなっていくので、痛みは午前中よりも午後や夜に現れます。一方で心理的なストレスによって腰痛が引き起こされている場合は、朝方に「会社に行きたくない」というような抑うつ気分とともに腰に痛みが走ることが多いです。

うつ病の可能性にも注意すべき
「腰痛」と「意欲の低下」は、両方とも「うつ病」にも見られる症状です。特に意欲の低下が長期にわたって継続し、日常生活がままならないレベルであれば、早めに精神科を受診しましょう。うつ病は自殺につながるリスクもあるため、早期の治療が必要です。

なお、うつ病は本人の心が弱いから起こるのではなく、脳機能に不具合が生じているために起こります。純然たる病気なので、他の病気と同じように医療機関で正しく治療することが大切です。またうつ病の場合、本人がなかなか病院に行きたがらないこともあるので、家族や友人などにその疑いがある時は一緒に病院に行ってあげてください。

女性は更年期障害との関係も
女性の場合、更年期障害の症状として腰痛と意欲の低下が同時に起こる可能性もあります。またエストロゲンの減少と骨粗鬆症には密接な関係があるので、40代・50代から骨粗鬆症予備軍になっていく女性も多いです。そのため、中高年の女性は意欲の低下を伴う腰痛になりやすいと言えます。

腰痛で意欲の低下が起きた場合の改善方法

腰痛によって意欲が低下してきた場合には、以下の方法を試してみてください。

好きなことをしてストレスを解消する
特に心因性の腰痛である場合は、十分な休息を取り、リフレッシュすることが有効です。たまには休む時間を作って、好きなことを思いっきり楽しんでみてください。

ストレス性の腰痛の直接的な原因は、痛みを抑制する脳機能の不調にあります。過度なストレスがかかるとノルアドレナリンやセロトニンなどの物質が正しく分泌されなくなってしまうので、意識的にストレス解消をすることは重要です。

適度に運動やストレッチをする
腰痛を治すには安静が必要だと考える方は多いですが、それは急性の腰痛にのみ言えることです。痛みが慢性化している場合は、筋肉のこりをほぐして血流を良くするためにも、むしろ安静にしすぎるのはよくありません。少々痛くても適度に運動やストレッチをした方が、痛みが改善される可能性が高いです。

また体を動かすと、骨芽細胞が刺激されて骨が形成されやすくなるので、骨粗鬆症を予防するためにも適度に運動することは大切です。

栄養バランスの良い食事を心がける
骨粗鬆症を防ぐには、カルシウムやビタミンD、タンパク質などの栄養素をきちんと摂取することが重要です。とくに女性は将来的に骨粗鬆症になるリスクが高いため、若いうちから栄養バランスの良い食事を心がけ、閉経後に備えて骨量を貯金していきましょう。

また腰痛の改善には、血行を良くすることが効果的なので、温かい食べ物・飲み物を摂取することもおすすめです

骨粗鬆症やうつ病の疑いがある場合は早めに医療機関を受診
中高年の女性で、腰痛があり最近背中が曲がってきた、もしくは背中を叩くと痛いというような症状がある場合は、骨粗鬆症による圧迫骨折の可能性があるので、早めに医療機関を受診しましょう。骨粗鬆症は薬物療法などで治療できるため、できるだけ早く診てもらうことが大切です。

また意欲の低下が尋常でない場合は、うつ病が疑われます。こちらも適切な医療的措置で治すことができるため、早めに精神科を受診してください。

腰痛の原因を特定することは難しい

今回は骨粗鬆症や心理的ストレスによる腰痛に注目しましたが、他にも腰痛の原因は無数に考えられます。「腰椎椎間板ヘルニア」や「腰部脊柱管狭窄症」かもしれませんし、腎臓の疾患やがんの転移である可能性もあります。そのため、根本的な治療を目指すなら、一度専門家に診てもらうのがおすすめです。

「腰痛ドクターアプリ」なら手軽に診断を受けられる!
忙しくて専門家に診てもらうのが難しいという場合は、「腰痛ドクターアプリ」というオンラインサービスを活用するのがおすすめです。これは腰痛のスペシャリストが監修したサービスであり、オンライン上での問診で腰痛の状態や危険度を診断してもらうことができます。

さらにそれぞれに合った運動療法の動画も提供されるため、サービスを使ったその日から腰痛改善のためのトレーニングを開始することが可能です。運動は骨粗鬆症予防にもつながるのでぜひお試しください。

意欲の低下を伴う腰痛がある方は運動と食事に気をつけよう!
腰痛や意欲の低下は、骨粗鬆症や心理的ストレスなどによって引き起こされますが、それらを予防・改善するには、適度な運動や栄養バランスの整った食事に気を配ることが重要です。ウォーキングをしたり、乳製品を摂取したりといった少しの努力で予防・改善できるため、早速今日から始めてみましょう。また根本的に腰痛を改善したい場合は、「腰痛ドクターアプリ」で運動療法を教わるのもおすすめです。

参考URL
Re-Bone.jp, 「症状と痛みについて」, <https://www.re-bone.jp/what/symptom.html>, 2021/03/02
社会医療法人 有隣会 東大阪病院, 「骨粗鬆症の治療方法」, < https://www.yurin.or.jp/departments2/rheumatism_osteoporosis/osteoporosis3>, 2021/03/02
NHK(2018), 『若い人も危険「骨粗しょう症」 骨折しやすい人の特徴と「うつ病」との関係』, < https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_532.html>, 2021/03/02
NHK(2018), 「腰痛の危険度セルフチェック。原因や症状、対処法・治療の注意点」, <https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_510.html>, 2021/03/02
未病女子navi, 「女性が気をつけたい健康・未病課題 やせ過ぎ」, < https://joshi.me-byo.com/knowledge/careful/skinny03.html>, 2021/03/02
一般社団法人 日本女性医学学会, 「腰痛 背部痛」, <https://www.jmwh.jp/n-yokuaru16-youtu.html>, 2021/03/02
知るほどTOPICS, 「うつ病のサイン」, <https://www.minamitohoku.or.jp/up/news/konnichiwa/201103/topics.html>, 2021/03/02
漢方ドゥデイ(2015), 「印象に残る症例②」, <http://medical.radionikkei.jp/tsumura/final/pdf/150506.pdf>, 2021/03/02

著者情報

腰痛メディア編集部
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