腰痛について解説しますと、腰痛とは「腰の痛み」ですがその原因は多岐にわたっています。多くの人から訴えが多い症状の一つで、現在増加傾向にあります。それでは、なぜ人間にはこれほど腰痛が多いのでしょうか?それは四足歩行から直立二足歩行に進化したことが原因だと言われています。実際に四足歩行の動物に腰痛が発症するのはまれであると考えられています。
直立二足歩行とは、脊椎(背骨)と大腿骨を垂直にして歩くことです。人間の他にもペンギンやカンガルーなども二足歩行をしていますが、脊椎(背骨)と大腿骨が垂直なっていない点が異なります。
そこで、直立二足歩行を行うことで人間は手が自由に使えるようになり骨盤の上に上半身が乗り、大腿骨が体重を支えたり歩行に必要な形になり、骨盤に近い腰椎に体の上半身の体重が集中することが腰痛になりやすい体形になったと言われています。

椎間板ヘルニアと腰痛

腰痛の原因は二足歩行ではないかと上記しましたが、実際に腰痛の症例を細かく分析すると実に多彩です。原因が特定できるものはわずか15%程度で多くは原因不明ですが、特定される疾患としては椎間板ヘルニアや高齢者に多い腰部脊柱管狭窄症、骨粗しょう症などがあります。その他の原因としては感染症や炎症、癌による転移さらにはストレスによっても発症することがあります。
それでは今回のテーマでもある椎間板ヘルニアの中で20歳代から40歳代多く見られる腰椎椎間板ヘルニアと頸椎椎間板ヘルニアを取り上げてみます。
脊椎には骨と骨の間にクッションとなる椎間板というものがあり、何らかの理由で椎間板に負担がかかり正しい位置からずれてしまう現象が椎間板ヘルニアです。その中でも主に腰痛が発症するのは腰椎椎間板ヘルニアです。他に頸椎にできる頸椎椎間板ヘルニアと発症の頻度は低いのですが胸椎椎間板ヘルニアがあります。
今回は頸椎椎間板ヘルニアについてと腰椎椎間板ヘルニアについて腰痛の症状を含めてその違いや治療法等について記載します。

脊椎の構成と腰部と頸椎ヘルニアについて

そもそもヘルニアとは、体内で臓器や組織が元々の場所から飛び出してしてしまった状態のことで、脊椎(背骨)で飛び出した組織などが神経に影響を及ぼすのが椎間板ヘルニアです。
脊椎(背骨)は頭部から近い首にある7個の頸椎、胸部にある12個の胸椎、腰部にある5個の腰椎、仙椎および尾骨から構成されています。さらに、脊椎(背骨)には、頚髄(脊髄)とよばれる神経が通っており、脳からの指令を司っています。そして上記しましたが、各頚椎の間には椎間板と呼ばれる頚椎に間の刺激を和らげるクッションの役目を果たす組織があります。これが何らかの刺激によりが破れて飛び出し、脊髄(神経)を圧迫する状態が椎間板ヘルニアです。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアには腰椎椎間板ヘルニア、頸椎椎間板ヘルニアと頻度は低いのですが胸椎椎間板ヘルニアがあると上記しました。それでは椎間板ヘルニア発症の原因について記載します。
椎間板ヘルニアの原因の一つとして、老化現象による機能の低下が挙げられます。特に椎間板はクッションとしての役目から負荷がかかりやすく、組織の中で最も早く老化が起こるとされます。職業ドライバーや金属や機械業就労者、ラグビーなどのスポーツで過激な練習をすると腰部に負担がかかり腰部椎間板ヘルニアが、姿勢の悪い形で仕事など首に負担がかけて発症のするのは頸椎椎間板ヘルニアだと言われていて、喫煙や遺伝的な要素も椎間板ヘルニアの発症に影響があると考えられています。

頸椎椎間板ヘルニア

頸椎椎間板ヘルニアは腰椎椎間板ヘルニアのように、今回のテーマでもある「腰痛」の発症は軽いか少ないです。腰椎椎間板ヘルニアとはその発生する場所の違いから症状が異なります。それでは各々詳細を解説します。
はじめに腰椎椎間板ヘルニアですが、その症状としては、腰痛をはじめ臀部の痛み、座骨神経痛による足の痛みとしびれ、下半身の痛みやしびれ感、足が上手く動かせなくなる運動麻痺、感覚が鈍くなる感覚麻痺、筋力低下、歩行困難などの症状がみられます。さらに、前かがみになったり、椅子に座ったりすると痛みやしびれが強くなることがあります。また、尿が出にくい、便秘傾向になるといった症状が出ることもあります。
頚椎腰椎椎間板ヘルニアは椎椎間板ヘルニアと病態は同様ですが、症状、治療方法などに違いがあります。頸椎に障害があるので首から肩部にかけての症状で首や肩、腕に痛みやしびれが現れることがあります。首の後ろ側にある椎間関節に影響があると首の後ろ側から背中にかけて疼痛やだるさや違和感などの症状が起こることが多いです。
4番目の頸椎ヘルニアでは肩、腕に痛みやしびれの他、肩上肢の痛み、さらに、腕のだるさ、手のむくみ、握力低下、腕の筋肉の萎縮なども起こることがあります。悪化すると首を後に動かす首や腕に強い痛みが起こることもあります。
3番目の頸椎ヘルニアが障害されると、首の後から後頭部や側頭部にかけて痛みが起こります。眼精疲労や目の奧が痛み、充血なども発生します。
一方、頸椎椎間板ヘルニアがあってもまったく症状が現れず、気づいていない場合もあるので注意が必要です。
検査・診断
椎間板ヘルニアの診断にはレントゲン検査の他CTやMRIを行い確定診断します。CTとMRIはどちらも画像診断の方法ですが、検査方法は異なります。少々難しいですが、CTは CつまりコンピューターシステムとX線の検査を組み合わせた検査方法です。これに対してMRIは磁場(磁力)を使用してコンピューターで解析するシステムで、放射線による被ばくが少なく、一般の方や小児が安心して検査を受けることができます。
MRIによるヘルニアの検査では体を輪切りにしたような断面画像や立体的な画像を得ることができ、神経や筋肉などの軟らかい組織を画像として写し出すため、脊髄(神経)などの圧迫した状況等が確認できます。それにより確定診断が可能になります。

頚椎椎間板ヘルニアを治すには

椎間板ヘルニアの多くは、保存療法として症状を和らげるため鎮痛薬(NSAID)や炎症を抑える薬の内服、局所麻酔剤とステロイド剤によるブロック注射等が中心になります。さらに安静保持も重要で頸椎カラーやコルセットの装具を用いることもあります。
ヘルニアは数か月で自然に縮小することもあり、症状が軽くなるとことも多いです。飛び出した椎間板のヘルニアが完全に縮小しなくても影響が少なく、骨髄(神経)の圧迫がされなくなったり、圧迫されていた神経の炎症が収まることで症状が改善することもあります。この様な保存療法が第一の選択になります。
しかし、このような治療をしても腰椎椎間板ヘルニアでは症状が長く続く場合(3ヶ月以上)や、症状が出てからの期間が短くても手足に痛みやしびれが強く力が入らない場合には、さらに、尿が出にくい排尿障害や歩行障害などを伴う場合は手術を選択する方法も考えられます。
頸椎椎間板ヘルニアも同様に症状が長く続く場合や上肢の筋力が著しく低下し、改善しない場合には手術的治療を選択する方法も考えられます。
椎間板ヘルニアの手術は摘出する方法や髄核の一部を摘出することで突出した部分を戻す方法で、最近は内視鏡を使った低侵襲手術、経皮的内視鏡頚椎椎間板ヘルニア摘出術なども行われていて身体への負担が少なく入院期間も短縮されるようになりました。

最後に

椎間板ヘルニアの原因や症状、治療法として保存療法や手術による治療法について解説しました。椎間板ヘルニアには多くの症状があり軽快を見る事もありますが悪化することもありますので医師とよく相談をして治療を行うことが大切です。

ヤンセンファーマ株式会社 :https://www.jnj.co.jp/jjmkk/general/disk
あいちせぼねびょういん:https://www.itoortho.jp/spine/
「脊椎椎間板ヘルニア」日本整形外科学会:https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/spinal_disc_herniation.html
オムロン:https://www.healthcare.omron.co.jp/pain-with/back-pain/herniated-lumbar-disc/

著者情報

腰痛メディア編集部
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