骨粗しょう症や強い外傷などにより起こる脊椎圧迫骨折。
一般的な骨折とは違い、圧迫骨折は様々な後遺症が引き起こされる可能性があります。
今回は脊椎圧迫骨折による後遺症をご紹介いたします。

さまざまな後遺症

背骨がまがる

これは、脊椎側弯症や脊椎後弯曲症などといわれます。
圧迫骨折の衝撃により脊椎の椎体がつぶれ、背骨がゆがんだり、まがってしまう症状です。
この後遺症により、神経に伴う痛みが生じることもあります。そのため、日常で歩行や立ち上がるといった動作に痛みが生じ、通常の生活が困難になる可能性があります。
骨粗しょう症などにより気づかぬうちに圧迫骨折を引き起こし治療時期が遅れ、骨の治療が正常に進まずに経過してしまった場合に多く起こるとされています。

歪みやまがってしまった骨を矯正する治療で症状の改善が見込まれることが多いですが、
過度に歪んでいる場合には、継続的な治療は必要になる場合もあります。

神経症状の出現

圧迫骨折により神経の通り道が狭窄を起こし、神経が圧迫されることで麻痺やしびれなどの神経症状を引き起こす可能性があります。
これは脊柱管狭窄症といい、症状が増悪すると歩行で痛みやしびれにより長距離の歩行が難しくなる間欠性跛行という症状が出現するリスクもあります。

また麻痺による血行障害が考えられます。血行障害により筋肉に十分な血液や酸素がいきわたらないことで、筋や関節の動きが鈍くなったり拘縮する可能性も考えられます。
あまりにもこの症状が増悪する場合は、手術療法が選択される場合があります。手術は圧迫している神経を圧迫している骨を削り、症状の緩和をはかります。

逆流性食道炎

圧迫骨折により、背骨が歪んだ状態で治癒すると、腹部が圧迫される状態となります。
腹部が圧迫される影響で、胃が圧迫され、胃液が食道へ逆流してしまう逆流性食道炎を引き起こす可能性があります。これは、通常食べた物を消化する胃液が食道に逆流することで、粘膜を誤って消化し傷つけてしまい食欲の低下や胸やけのような症状が起こります。
逆流性食道炎は圧迫骨折の治癒過程で併発する可能性のある疾患であるため、
圧迫骨折の治療を早期に行うことで予防することにつながります。

まとめ

いかがでしたか。
骨粗しょう症による圧迫骨折は、本人が気づかぬうちに骨折している場合も考えられます。
少しでも違和感や痛みが生じている場合には早期に病院の受診をし、適切な治療をうけられる環境を整えていきましょう。

【参考文献】
種市 洋ら(2002)「骨粗鬆症性椎体圧潰(偽関節)発生のリスクファクター解析」臨床整形外科
茂木 文孝・草野 元康(2013)「GERDと骨粗鬆症に伴う危弱性骨折による亀背,それによる食道裂孔ヘルニアとの関連」medicina,
萩野 浩(2007)「高齢者骨粗鬆症のQOLへの脊椎骨折の影響 (新時代の骨粗鬆症学–骨折予防を見据えて ; QOL)」日本臨床

著者情報

岡田 ひかり
岡田 ひかり

保有資格

看護師、保健師

経歴

看護の大学を卒業後、都内大学病院の外科病棟で急性期の看護を学ぶ。

その後、福祉施設で通所介護や在宅支援へ向けた看護業務実施。

この著者の他の記事を見る
バナー画像