日々つらい腰痛に悩まされている日本人は多いといわれていますが、症状によっては医師の診断を受けた上で手術が必要な場合もあります。しかし一概に手術といってもその種類は様々。本記事では、腰痛に対する手術にはどのようなものがあるのかを紹介します。

感じているのはどんな痛み?場合によっては手術が必要かも

約3,000万人もの方々が悩まされているといわれる「腰痛」。その症状は軽度なものから日常生活に支障をきたすような重度なものまで様々ですが、正しい治療を行わなければ非常に長い期間腰痛と付き合わなければならなくなる可能性があります。
原因が分からないとされる非特異性腰痛の場合は手術によって痛みを取り除くことは難しいことが多いですが、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの場合は手術で腰痛が改善することも。
もし腰痛によって日常生活がままならないような場合は医師に相談の上、手術を視野に入れるのも1つの手。最近は手術方法も多岐にわたり、様々なものの中から選択できる場合が多いです。
もし手術療法を選択するのであれば、医師と相談した上で自分にどのような手術方法が適しているのかを考えてみてくださいね。

最近は入院なしでOKな低侵襲の手術も

手術療法には様々なものがあることをご説明しましたが、最近は医療技術の進歩により日帰りで治療が可能な低侵襲の手術なども増えてきています。
内視鏡やレーザーを用いた低侵襲の手術の場合傷跡もごく小さいものが多いため、傷跡を気にされる方にもおすすめできる手術方法です。
しかし、低侵襲手術の中でも特に低侵襲といわれているレーザー治療は保険適用外となる場合が多いです。それぞれの治療方法にメリットやデメリットがあるので、よく比較した上で治療方法を決定してくださいね。
本記事では、腰痛に対する手術療法の一部を紹介します。

レーザー治療

手術療法の中でも最も低侵襲といわれるのがこのレーザー治療。では、レーザー治療にはどのようなものがあるのか詳しく見ていきましょう。

経皮的レーザー椎間板減圧術(PLDD法)

この方法ではまず、椎間板の中にある髄核にレーザーファイバーと呼ばれる非常に細い管を穿刺。その後レーザーファイバーからレーザーを照射し、髄核を焼いてその部分に空洞を作ります。
空洞ができることでそれに合わせて椎間板も縮むため、神経の圧迫が消え痛みがなくなる仕組みとなっています。
局所麻酔かつ15分程の治療で済むため身体への負担が少なく、日帰りで手術を受けることができますよ。

■適用
・椎間板ヘルニア
■メリット
・傷跡が小さい
・半日で帰宅可能
・出血が少ない
■デメリット
・健康保険適用外(実費)
・内視鏡下や切開手術に比べると有効率が低い

切開手術

切開手術は、今回紹介する手術方法の中で最も歴史のあるものです。腰痛に対する有効率が高い切開手術にはどのようなものがあるのでしょうか?

腰椎固定術:後側方固定術(PLF)

全身麻酔で手術を行い、後方の皮膚を5〜10cm縦に切開します。靭帯などを切除し神経の圧迫を取り除いたのち、椎間板を取り除いてその部分に人工骨を固定。
症状の進行度にもよりますが手術時間は2〜3時間ほどで、入院期間は2〜3週間ほどになることが多いです。

■適用
・脊柱管狭窄症
・すべり症
・腰椎分離症
・腰椎変性側弯症
・腰椎不安定症
・椎間板ヘルニア
・圧迫骨折
など
■メリット
・様々な疾患に対応できる
・腰痛を呈する疾患への有効率が高い
・保険適用可能
■デメリット
・入院期間が長い
・身体への侵襲が大きい

椎弓形成術

腰から背中にかけての皮膚を切開します。背骨にある椎弓の一部を切除することで狭くなった脊柱管などが広がり、圧迫が解除されます。
椎弓を大幅に切除する必要がある場合は、腰椎を固定させるために腰椎固定術を同時に行うことも。

■適用
・脊柱管狭窄症
・椎間板ヘルニア
など
■メリット
・様々な疾患に対応できる
・腰痛を呈する疾患への有効率が高い
・保険適用可能
■デメリット
・入院期間が長い
・身体への侵襲が大きい

内視鏡下手術

内視鏡下手術は現在行われている手術療法の中で、最も選択する方が多いといわれるものです。内視鏡下手術にも様々なものがあるので、それぞれを比較していきます。

内視鏡下腰椎椎間板摘出術(MED)

1995年にアメリカで誕生した、比較的新しい腰椎椎間板ヘルニアに対する手術療法です。椎間板ヘルニアの中でも中度から重度の方に適用されるもので、うつぶせになって行います。
背中側を2cm程切開しそこから内視鏡と外筒管を挿入した上で、内視鏡が映し出す映像を確認しながらヘルニア部分を摘出します。
傷が小さいため筋肉の剥離も最小限で済むので、術後の痛みが少ないのが特徴です。手術時間は1時間程で入院期間も1週間ほどなので、早期に社会復帰することも可能。

■適用
・椎間板ヘルニア
・脊椎腫瘍
■メリット
・傷跡が小さい
・術後の痛みが少ない
・入院期間が短い
・保険適用可能
■デメリット
・高度な技術を要するため、やっているところが少ない

全内視鏡下脊椎手術(FESS)

FESSは、内視鏡下手術の中でも特に低侵襲のものです。直径7mmの非常に小さな内視鏡を用いて手術を行うため切開痕も小さく済み、身体に優しいといわれています。
腰だけでなく首の治療も可能なFESSを用いることで、椎間板ヘルニアだけでなく脊柱管狭窄症や頚椎の疾患なども治療可能に。全身麻酔を用いた手術ですが、術後2〜3日で退院することができるところもポイントです。

■適用
・椎間板ヘルニア
・脊柱管狭窄症
など
■メリット
・筋肉の剥離が非常に少ない
・傷跡が小さい
・術後の痛みが少ない
・通常の内視鏡手術よりも侵襲が少ない
・入院期間が短い
・保険適用可能
■デメリット
・高度な技術を要するため、やっているところが少ない

治療する場所によって独自の手術がある?

ここまで有名な手術方法をいくつか紹介してきましたが、今回紹介したもの以外にも一部の病院やクリニックなどでしか行われていない治療法もあります。
その場合保険適用外の治療であることが多いですが、より低侵襲の手術を選択できる可能性もあります。腰痛の程度によってどのような手術方法が適しているのかは異なるので、迷った場合は医師に直接聞いてみてくださいね。

まとめ

本記事では腰痛に対する手術方法をいくつか紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。腰痛になってしまうと好きなことが自由にできなくなるだけでなく、日常生活が制限されてしまうこともあります。
そうならないためにも、腰痛の状態に合わせて正しい治療方法を選択するようにしましょう。

参考:
医療情報科学研究所(2017)「病気がみえる vol.11 運動器・整形外科 医療情報科学研究所 」メディックメディア

著者情報

腰痛メディア編集部
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