腰痛の現状

周囲の人々を見ていて、ある程度年齢をかさねている人たちが共通して悩まされていることに、腰痛があると思います。皆さんも周囲の方々に注意深く目を向けてみてください。立ち上がる時、ものを持ちあげる時、運動する時など、人々がつらそうな顔をしているのを目撃することはありませんか?そういった人たちに尋ねるとおそらく「腰が痛い」というでしょう。腰痛は、ありふれた病気で、がんや心筋梗塞のように死にいたるような病気ではないため、付き合っていくもののような認識の方もいるかと思います。腰痛で困っている人に注目すると、その数の多さに驚くことでしょう。実際、厚生労働省の調査では国内で2800万人、およそ 四人に一人が腰痛であると結果があります。病院へ受診していない人や、病識のない方も含めると潜在的な数は、さらに多いと思われます。
しかも、腰痛の8割は原因不明であるという事実があります。つまり腰痛で整形外科を受診、診察、レントゲンやCT、MRIなど現在の医療を駆使しても、診断にいたっていない方が多いということです。原因が分かれば適切な医療によって対応は可能でしょうが、原因不明であるのは適切な対応ができていないとも取れます。腰痛の原因を少しでも究明していくことは、多くの腰痛に悩む方々を救うこととなります。原因不明の腰痛を訴える人は2000万人以上であり、原因不明の割合が多いこの症状に対して(実際周りに多すぎて、もはや生活の一部であり、年をとれば当然とまで思ってしまっているような現状に)、今後フォーカスを当てていくことは、国民全体の生活の質を上げることに大きく寄与するのではないでしょうか。
 現在腰痛は、心理的、社会的ストレスも原因の一つではないかとされています。また健康な人でも(特に糖尿病など基礎疾患のない方)質問してみれば腰痛、肩こりの訴えがあります。
勤務をしている人々は、意識的か無意識的かストレスを感じ、腰痛や肩こりが生じています。しかし、それが当たり前かのように軽視し対症療法をしてしまいがちです。そうやってだましだまし日々の生活を送っています。時にはそれらの無理がたかって重度の症状にまで進行し、労働意欲を失って、職を離れることを余儀なくされることになるかもしれません。
 たしかに現時点では腰痛は原因不明であり、十分な解決策は提示されていないかもしれません。しかし四人に一人は腰痛があり、これら該当する方々が自分の症状を正確に客観的に評価できるようになり、どのような行動でよくなったかの情報が共有できれば、より早い原因究明につながるのではないでしょうか。年齢のせいにはせず、いつまでも健康的な生活を送れるように皆さんでこの「腰痛」というテーマに目を向けてみてはいかがでしょうか。
 腰痛について再度認識していただきたいことは、病院で診断基準を満たさなかった腰痛があること(診断がついていれば多くのエビデンスに基づいた手術、処置など適切な対応がされているため)、また何らかの対応で改善できるものであると理解し原因を探る取り組みが必要であるということです。
まずは腰痛の訴えをもつ人々が、年齢のせいではなく、改善できると思うこと。一人ひとりが腰痛について正しい病気のメカニズム、治療法などを勉強し、自分で自分の体の状態を的確に評価でき、客観的なツールで他人と症状を共有できるようになること。これらが第一歩ではないでしょうか。これだけ多くの方が腰痛で悩まされているのですから、一人ひとりが自分の症状に目を向け、たとえば2800万人が、どのような時間に、どのような動きで、どのような性状の痛みが出現し、どのようにしたら改善したかを集められれば、腰痛の原因究明に近づくのではないだろうか。

健康な生活を続けていくために

中高年になっても社会人でもスポーツを続けている方は多くいらっしゃると思います。中学生や高校生の時はスポーツに青春を注ぎ、社会人になりスポーツからは少し無縁な時期があった方も多いのではないでしょうか。体調管理のために、またスポーツをやってみようかなと思い、始める方が最近多くなってきています。昨今は健康ブームでランニングや筋力トレーニングを推奨する雑誌も増えてきていると思います。球技では、テニスやバドミントンは社会人からでも始める方が多く、バスケットボールやサッカーよりも競技者の年齢層は幅広い印象にあります。しかし久しぶりのスポーツで身体がついてこないためか、健康ブームの裏側にケガで苦しんでいる方も多くいらっしゃると思います。スポーツ外傷のなかでも腰痛、膝痛は上位に位置します。腰や膝の痛みのために、動くことが億劫になり、モチベーションが低下し、体力、筋力が低下していく。こういった人がなるべく早く競技に復帰できるようになるにはどうすればいいでしょうか。

バドミントンは腰、骨盤の捻りをラケットに伝えてシャトルを遠くに飛ばします。広い年齢層で行われているスポーツの代表(競技人口推定000万人ほど)ですが、バドミントンをしている方で腰の痛い方はどのような時に痛むのでしょうか。利き足で溜めた時か、回転の初動か、あるいはスポーツを終えて家にいる時か、それぞれの痛みが発生する誘因を正確に評価し、多くの方を共有することで、同じ症状で解決できていることはすぐに提示できます。解決できていないことは同じような症例があつまれば、仮説が生まれるかもしれません。多くの人に還元できる可能性があると思います。
テニススクールに通い始めて肘が痛むようになった方、どの動作で痛むのか、具体的な部位の名前は何というか。筋肉痛に似ているか、または関節や靭帯の痛みに近いかなど、自分で評価できるようにしましょう。医学的な知識を多少は要しますが、現代ではそのような情報を得ることは難しくはありません。

繰り返すことになりますが、腰痛は日常多くの場面でみられすぎていて、もはや日常背景の一部のようになっている印象を受けます。あるいはその時々で痛みで困ってはいるが、年齢のせいにしてどこか諦めていたような人も多く見受けられます。この記事を読まれている方へお伝えしたいです。生活に支障をきたしているその症状は当たり前ではなく病気であることの認識をもって、丁寧に自分の症状を分析していきましょう。そうすれば、手を変え品を変え、ひっきりなしに出てくる健康食品を手あたり次第に買いあさり、効くかもわからないものを数か月続けて1つ1つ試してくという途方のない作業はなくなると思います。可能性にすがるのではなく、改善に最短で近づけるようにしていくことが大切だと思います。
自分の身体は自分自身が一番よく分かっているはずです。初めてお会いした医者ではありません。ただ自分の症状を他人に詳しく説明できる知識と、症状をひとつひとつ集めて人々に還元するシステム必要なのです。

腰痛をなくすためのご提案

皆さん一人一人の協力が、自分自身の生活上の不安を解決しうると思います。ぜひ、自分の症状を私たちにお聞かせください。どのような些細なことでも構いません。それらを集計し、医学知識をもって傾向を分析し適切なアドバイスをできるように努力してまいります。この日本の国民病とも言える腰痛を克服すべく行動していきましょう。
ご協力をお願いします。

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

痛みや体の不調で悩むあなたへ、役立つ情報をお届け。

自分の体の状況(病態)を正しく理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目的です。

記事のご意見・ご感想お待ちしております。

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