インピンジメント障害っていったい何のこと?あまり聞きなれない病名ですよね。
そんなに頻発する病気ではないのですが、スポーツをする方にとっては覚えておくといいかもしれません。
インピンジメント障害は、関節がある角度に曲げると痛みや引っ掛かりを感じ、それ以上動かすことができなくなる状態のことを総称していいます。人には可動域あり、日常生活で使う可動域とスポーツを行う時の可動域は全く違います。スポーツを行う場合、過伸展などを行うことが多くなり、体への負担がかかります。その負担が蓄積することで様々な症状が出現し、各部位に異常をきたすのです。
インピンジメント障害が悪化すると強張りが出たり、筋肉が低下したりします。夜間に痛みを訴えることあります。
インピンジメント障害で特に多いのが野球など肩を使うスポーツです。投球を行う動作など腕を使うスポーツを行う方の肩に好発するといわれています。
今回はインピンジメント障害の中でも腰に起こる「棘突起間インピンジメント障害」について病態の紹介と注意点や発症した時の上手な付き合い方等について紹介していきたいと思います。

棘突起間インピンジメント障害とは

サッカー選手やバレーボール選手に多くみられる腰を反らす動作。これを繰り返し行うことにより、腰椎椎間関節に負荷が加わり、腰痛を引き起こしてしまいます。また、成長期の場合、骨の発達が未熟なため疲労骨折が起こり、無理に続けることで腰椎への負担も大きくなり、進行し腰椎分離症になってしまいます。また、比較的稀ではありますが、体を反らす動作により隣接する腰椎の棘突起同士が接触し、炎症を起こす場合があります。これを棘突起間インピンジメント障害といいます。腰痛の原因の一つです。

腰痛がある時の自己チェック方法

スポーツや過度なトレーニングにより腰痛を引き起こすことは多々あります。特に腰に負担のかかりやすい動作(体幹の過伸展・屈曲・回旋など)を行うことで腰痛が発症します。
腰痛が起こる場合、どの部分に損傷部位があるのかを自己で確認してみてください。そうすることで、自分の体のどの部分に損傷があり、どの動きに気を付けるべきかに気づきます。

・筋肉に損傷がある場合
前屈みをする動作や腰の筋肉に力を加えた時に痛みが強くなる。
また、温罨法やマッサージを行うことで痛みが軽減する場合にも筋肉の損傷を疑います。
治療としては、無理をせずに安静にして筋肉を休ませることで症状は改善します。ただし、腰痛があるのに無理にスポーツやトレーニングを行うと、筋肉が離解する可能性があるので気を付けることが必要です。

・椎間関節に損傷がある場合
腰を後ろに反らしたり、捻ったりする動作を行うことで腰痛が強くなる場合には椎間関節の損傷を疑います。

・椎骨の疲労骨折を疑う場合
過度の運動を行った時や長時間同じ姿勢を保つことにより、腰痛が増悪する場合に椎骨の疲労骨折を疑います。

腰痛がある時の診断方法

腰痛には様々な原因があり、病態によっても治療方法は大きく異なります。そのため正確な診断を行わないと症状の悪化にも繋がりかねないため、重要とされています。
まず診察を行う際には、体の柔軟性や関節の可動域、体の使い方や本人のもつ癖などのほか、知覚神経や運動神経に障害がないかなど詳しく診察し、ある程度疾患の予測を立て、必要な検査を追加していきます。
その他の検査として、レントゲン・MRI・CTなどの画像検査や筋肉を信号でみる筋電図、血液検査や尿検査などを行います。様々な検査を行うことで、筋骨格系の病気なのか、内臓的な病気なのかを診断することができます。

棘突起間インピンジメント障害が起こった時の治療・リハビリとは

棘突起間インピンジメント障害は体を反らすスポーツ(サッカーやバレーボールなど)にみられます。実際にインピンジメント障害になり、腰痛などの症状が出た時にどのような治療やリハビリを行っていくのでしょうか。
基本的に腰痛症の時の治療はほとんどが同じ対応になります。
急性の腰痛が出現し、身動きが取れない場合には「安静」にすることが大切です。その次にアイシング(冷却)を行います。筋肉を冷やすことで腰痛が緩和するためです。
しかし、いつまでも安静にしているのがいいというわけではありません。長期間の安静や筋力の低下、柔軟性の低下にも繋がります。そのため、身動きが取れる程度に腰痛が軽減した場合には、軽いストレッチなどから始めることが推奨されています。
また腰痛が強い場合には、消炎鎮痛剤や湿布などの外用薬を使用することも腰痛を軽減させるには効果的です。他にも電気治療や低周波、超音波、マッサージ、カイロプラクティックなど様々な治療法がありますが、まずは医師と相談し、原疾患に適応した治療やリハビリを行うことが重要です。
スポーツ選手や日常からスポーツを行う方の場合、腰を守るためにも腰用のベルトを着用し、腰への負担を軽減させるように努めることも重要です。腰用のベルトを着用することでプレーの際も負担を軽減するだけではなく安定も図れます。

腰痛を起こさないためには

スポーツをする方にとって腰痛は切っても切り離せないものです。スポーツ競技者にとって、長期の安静やリハビリは選手生命にとっても大きな痛手になりかねません。そのため、つい無理をしてスポーツをしてしまい取り返しのつかないことになる場合も少なくありません。
スポーツを続けていくためにも、腰痛症にならないように普段からのスポーツ動作を見直すことも重要になります。今のスポーツ動作により腰に負担がかかっていると自覚している場合には、周囲の協力を得て腰に負担の少ないスポーツ動作に変更していきましょう。

まとめ

スポーツ競技者にとって、特にサッカーやバレーボールなど体を反らす動作の多い競技の場合、「腰痛」はつきものです。しかし、無理をして腰椎分離症や腰椎ヘルニア、稀に起こる棘突起間インピンジメント障害など様々な腰痛を起こす原因の疾患に発展しかねないという事実があります。もちろんスポーツだけに限らず、仕事や日常生活においてもよく腰を過伸展させるような動作をする場合には注意が必要です。
起こってからでは遅い腰痛を減らすためにも、正しい知識でスポーツや仕事・日常生活を送るようにしましょう。また、腰痛がすでにある場合には、無理をせずにコルセットや腰部ベルトを着用することで腰部を保護してください。腰痛に悩まされないためにも、上手にスポーツや日常生活などと付き合っていきたいですね。

【参考資料】
・病気がみえる 運動器・整形外科 メディックメディア
・腰痛の病態別運動療法 文光堂出版
・腰痛のプライマリ・ケア 文光堂出版

著者情報

腰痛メディア編集部
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