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腰痛を抱えながら日常生活をしている人はたくさん存在します。私自身もその一人で他にも私の周りにも多くの人が腰痛に悩みながら生活をしています。

腰痛はずっと付き合っていかなければならない厄介なものです。ここでは脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどによる腰痛・下肢痛のコントロールに目を向けお薬の正しい使い方やうまく付き合っていく方法を紹介したいと思います。

痛みを止めて!

私は仕事をしながら常に「この痛みを何とかしてほしい。」と願っていますがそう簡単に痛みが消えるはずはありません。多くの腰痛を抱えている人はコルセットを使用したりしていると思います。

コルセットは痛みを緩和するというよりは、腰の位置を安定させることで神経に触れるのを防ぐという効果があります。コルセットは別名で支持療法と言われ腰の周囲を覆っている腹横筋を強化する意味合いがあります。腹横筋をしっかりと固定することで腰がしっかりと固定される効果があります。

ここで注意が必要なのは、コルセットはあくまで腰痛を防止するためにあるもので疼痛が出現してから使用するのは遅いということです。

またコルセットにもいくつか種類があり、薬局やスポーツ店で販売されているものと病院で作ることの出来るコルセットがあります。

病院で作るコルセットは保険が適用となるため市販されているものよりも安く購入することが出来ます。専門医や専門の装具士が見ながら作成をするために市販で買うよりも自身の体形に合ったものを購入することが出来るので効果が期待されています。

腰痛の時に鎮痛剤は飲みますか?正しい知識を取り入れて薬について理解を深めよう

痛みの種類

実際に痛みが出てしまってからではコルセットなどによる鎮痛は全く効果がありません。これは私自身も体験したことで体動などにより痛みがピキッと走りますとそこから痛みが続きます。

こうなっては鎮痛剤を使用する手段はありません。鎮痛剤と一口に言っても様々な種類の鎮痛剤が存在します。ここからは薬について説明したいと思います。その前に痛みについて説明したいと思います。

私たちが日常生活の中で腹痛や頭痛などの痛み全般に関わる原因物質がプロスタグランジンと言われる物質になります。この物質が一般的な痛みを引き起こすとされています。

プロスタグランジンが関与する疼痛は侵害受容性疼痛と言われます。一方で椎間板ヘルニアなどにより神経が障害されて発生する疼痛の事を神経障害性疼痛と言います。

鎮痛剤の種類

アセトアミノフェン

アセトアミノフェンは商品名ではカロナール、点滴ではアセリオなどが該当します。アセトアミノフェンはアスピリンと同じく解熱鎮痛作用を発揮しますが不思議なことに抗炎症作用は持たないのが特徴です。

また臨床で使用していますとカロナールはこれから紹介する鎮痛剤に比べると効果が弱い傾向にあります。また神経性疾患による疼痛にも効果は弱いと言われています。

NSAIDs

NSAIDsは非ステロイド性抗炎症薬と呼ばれるものです。炎症性疾患の場合にはステロイドでの治療が第一選択とされていましたが、このお薬が出てきたことでステロイドを使用せずにこちらを使用することも増えてきました。NSAIDsの代表例としてはロキソニンが挙げられます。

こちらのお薬は比較的効果の強いお薬となっています。そのため使用する際には胃薬などと一緒に飲むことで胃痛などを防止ししてくれるものです。幅広い範囲で炎症性疾患による疼痛緩和などでも使用されるお薬で腰痛にも効果的です。

プレガバリン

プレガバリンは一般商品名はリリカと呼ばれるお薬で神経性疼痛の緩和に有効とされるお薬です。特に帯状疱疹後に発生する神経性疼痛や脊柱管狭窄症による疼痛、椎間板ヘルニアの疼痛治療に使われる先ほどの2種類のお薬とは異なるものです。

このお薬はアセトアミノフェンなどと異なり、神経伝達物質や神経そのものに作用します。そのために副作用として神経の働きが抑制されることで眠気や倦怠感などの出現が報告されています。

今現在の日本国内で神経性疼痛の治療薬としてはリリカのみとなっており2017年の発売当初から神経性疼痛の緩和に有効なまるで救世主のようなお薬と言われています。前述したように救世主であるかのお薬なために疼痛があるからと言ってすぐに処方されるものではありません。

最初は弱いアセトアミノフェンなどの薬から疼痛の緩和療法が始まっていき様々な薬の量を変えて処方します。それでも改善がない場合にはリリカという手段を使うことがほとんどです。

鎮痛剤の落とし穴

腰痛や下肢の疼痛がひどい場合には頻回に鎮痛剤を使用することがあります。ここでいくつか注意が必要です。まず鎮痛剤はアセトアミノフェンやNSAIDsに関わりなく胃の粘膜にものすごく負担をかけます。これは飲み薬だけと思われていますが実は湿布についても同じです。

実際にロキソニン湿布を張り続けた高齢者の人でそれが原因となり胃潰瘍となったケースがあります。湿布薬も飲み薬も投与経路は異なるものの血管内に鎮痛成分を到達させる点では同一のものとなります。

当然飲み薬の方が血管内へ入り込むスピードが速いため鎮痛効果は期待出来ます。湿布は飲み薬に比べて血管内へ薬剤が到達するのに時間がかかります。

しかし利点としては、ピンポイントで痛い部位に張ることが出来ることです。また飲み薬に比べて比較的長時間作用するためゆっくり、長く効果を続かせたい人にはもってこいのものかもしれません。

湿布のデメリットとしては前述した副作用と長時間皮膚に薬剤を張るという点で接触性皮膚炎、薬剤性皮膚炎、掻痒感を誘発する恐れがあるために注意が必要となります。そのため出来ればですが、飲み薬、湿布薬を問わずに鎮痛剤を飲まれる場合には必ず胃粘膜を保護する目的で胃薬の内服を併用することが大事となってきます。

最後に

疼痛治療はリリカの発売により選択肢の幅が以前よりも増えましたがそれでもまだ海外の国に比べると選択肢は少なくなっています。椎間板ヘルニアをはじめとする腰痛を症状とする疾患では疼痛が始まってからでは薬はなかなか効果がありません。

そのために支持療法や運動や仕事をはじめる前に予防的に鎮痛薬を内服するなど私たちが日常生活の中で工夫することが求められます。

予防的に支持療法を使うなどすることで病気の進行や悪化を指せないという効果にもつながりますので、この記事を読んで今自分が行っている予防方法は何か、そしてこれから痛みを緩和するために自分で出来ることは何かを考える機会になればいいと思います。そしてこの記事がその一助となることを願っています。

<参考文献>
・丸山敬 「これならわかる薬理学」 ナツメ社

エーザイ株式会社 リリカ治療薬 https://www.eisai.co.jp/news/news201727.html

・東和薬品株式会社 アセトアミノフェン
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/medley-medicine/prescriptionpdf/480235_1141007F1187_1_01.pdf

・メディカ出版 オペナーシング 2018Vol.33

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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