忙しいので時間がない、お風呂を洗って溜めるのが面倒という理由でシャワーだけで済ませていませんか?シャワーだけでは身体が芯まで温まらず、冷えから腰痛に繋がることもあります。
ここでは、冷えと腰痛の関係を解説し、入浴の効果やおすすめの温活方法をお伝えしていきます。

冷えと腰痛の関係

収縮した筋肉による神経圧迫
私たちの身体には末梢神経が張り巡らされており、筋肉の間を通っている神経もあります。
身体は寒さを感じると、熱を体外に逃さないように血管や筋肉を収縮させます。
収縮した筋肉は硬くなり、筋肉の間にある神経が圧迫されることで腰痛に繋がります。

血流の低下
筋肉が収縮して硬くなると、血流が悪くなります。
血流が低下すると筋肉の疲労物質が効果的に排出されず、腰痛に繋がります。
いつも同じ姿勢をしている、運動習慣がない方も筋肉が凝り固まり血流が悪くなりますので注意しましょう。

背中や肩周辺からの筋膜性腰痛の可能性も?!
筋肉は筋膜という膜のようなもので包まれています。
筋膜はからだ全体に張り巡らされ、筋肉同士をつないでいます。
寒いと背中や肩に力が入りがちです。ずっと緊張した状態だと周辺の筋肉が凝り固まり、筋膜が引っ張られて腰回りの筋肉にも負担がかかります。
離れている場所でも筋膜を引っ張られることで、腰痛が引き起こされます。

内臓の冷えも腰痛の原因になる?
私たちの身体には胃や腸など多くの消化器官があります。
食べ物を食べると、これらの消化管が動き出しますが、この時消化管が動くためにエネルギーを消費して熱を産生します。
運動をすると身体がポカポカ温まってきますよね?
消化管の活動によっても熱が作られます。食事をすると身体が温まるのもこのためです。
ですので、胃腸の働きが弱まると消化管の動きも弱くなり、血流も滞りやすくなります。
結果的に産生される熱量も低下しますので、冷えやすくなります。
消化管の機能低下によってお腹周りの血流が低下し下半身が冷えると、腰やお尻周りの血流も低下し、腰痛に繋がる恐れがあります。
腰痛だけでなく下痢や消化不良、胃痛などの不調も起こりやすくなります。

湯船に浸かる習慣を作りましょう

忙しい時はシャワーだけでさっと済ませてしまいがちですが、湯船に浸かって身体を芯から温めることは次のような効果があります。

温熱効果
入浴すると体温が上昇し、血管が拡張するので血流が良くなります。
血流が良くなると新陳代謝が活発になり、身体の中に溜まっている老廃物の排出を促進します。
また、新陳代謝が活発になることで筋肉に溜まっている疲労や痛みを和らげる効果があります。
冷えからくる腰痛や肩こりに悩まされている方は、入浴で身体を温めることがおすすめです。

水圧によるマッサージ効果
湯船に浸かると、からだの表面に水の圧力が加わります。これを水圧と呼ぶのですが、水圧は水深がないと働きませんので、入浴ならではの効果ですね。
水圧によって身体が押されるので、筋肉や血管がマッサージをされるような形になります。
それにより全身の血行が良くなり、新陳代謝のアップが期待できます。
入浴には温まるだけでなく、水圧によるマッサージ効果もあるのです。

浮力作用
プールや海に入ると身体が浮くように湯船でも浮力が働き、感じる体重が空気中の約10分の1となります。
そのため、身体に重力がかかっている時に使っていた筋肉がほぐれ、筋肉がリラックスできます。
リハビリが水中で行われることがあるのも、浮力により筋肉や関節への負担が軽い環境を作るためです。

リラックス効果
人は自律神経をバランス良く保ちながら生活しています。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、仕事や運動をしている時は交感神経が、リラックスしている時は副交感神経が働きます。
入浴中は副交感神経が活発になり、血管が拡張し筋肉が弛緩します。これによりリラックス効果を得ることができます。
さらに好きな香りの入浴剤を使用したり、好きな音楽を聞くなどよりリラックスできる環境を作るのもおすすめです。

入浴の注意点

熱すぎるお湯は逆効果
入浴する時は38~40℃程度のお湯に浸かりましょう。
42℃以上など温度が高すぎると、心臓をはじめ身体に負担がかかりますし、交感神経が働きリラックスすることができなくなってしまいます。交感神経が活発になってしまうので、その後の睡眠の質が悪くなってしまう可能性もあります。

脱衣所は温めておく
あたたかい場所から寒い場所に移動することで、急激な温度変化が起こり血圧が変動します。
失神や不整脈、心筋梗塞などに繋がる危険がありますので、できるだけ浴室内と脱衣所の温度差を小さくしましょう。
特に冬場の脱衣所は特に注意が必要です。

転倒防止
お風呂場は滑りやすく、転倒による怪我や腰痛などを起こす危険があります。
入浴の際は足元に気をつけて、必要であれば手すりに捕まるようにしましょう。
また、こまめに掃除をしてヌメリや汚れをとるようにしましょう。

入浴以外の身体を温める方法

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冷えている部分を温める
肩や腰が冷えている場合は、カイロや腹巻きを使って冷えている部位を温めましょう。
温めることで血行が改善し、筋肉の緊張をほぐすことができます。
また、血行改善により疲労物質の排出も促進されます。

温度調節をする
エアコンやストーブを使用して部屋を温めましょう。
外出する際は重ね着や3つの首(首、手首、足首)を温めるような格好を意識します。
3つの首を温めるためにはマフラーや手袋、長めの靴下やレッグウォーマーなどがおすすめです。

内側から温める
せっかくあたたかい格好をしていても、食べ物や飲み物で身体を冷やしてしまっては元も子もありません。
生野菜ではなく温野菜を食べるようにする、アイスコーヒーではなくホットコーヒーにするなど、冷たいものは控えましょう。
また、過度なダイエットは控えましょう。
熱はエネルギー、タンパク質、脂質、ビタミンなどが上手に関係し合って作っています。
ダイエットで極端に炭水化物を制限したり、食事のバランスが悪くなるとこれらの関係が崩れ、熱が作られにくくなります。過度な食事制限はからだの冷えに繋がりますので、ダイエット時はバランスの良い食事と運動をするようにしましょう。

運動習慣を作る
筋肉量が低下すると基礎代謝が低下し、作られる熱も少なくなります。
普段から運動をして筋肉量を維持・向上することで冷えの改善が期待できます。
運動により全身の血流も良くなり、筋肉が凝り固まることを防ぎ、疲労物質も効果的に排出できます。
1日30分程度でも良いので、ウォーキングやジョギングを取り入れてみましょう。
忙しい方は通勤時に1駅前で降りて職場まで歩く、エレベーターは使わず階段で移動するなど、生活の中に運動を取り入れる方法が続けやすいと思います。
また、ストレッチも取り入れて筋肉の凝りや血流の改善に繋げましょう。
腰痛予防のためには、腰からお尻回りの筋肉を中心にストレッチをするようにしましょう。

まとめ

冷えは腰痛の大敵です。
入浴をはじめ、今回ご紹介した方法を参考に身体を温める習慣を作りましょう。

【参考文献】
千葉県 健康福祉部健康福祉指導課
https://www.pref.chiba.lg.jp/kenshidou/faq/321.html
ナボリン倶楽部 寺本神経内科クリニック 寺本純先生監修
https://www.nabolin.com/info/advice/winter.html
カンポフルライフ 芳地 智子(漢方薬剤師・国際中医師・国際中医薬膳管理師・ハーバルセラピスト)
https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/body/?p=7125
鹿児島県厚生連 地域医療推進課 保健師 前田さん
http://www.kago-ksr.or.jp/wpDir/wp-content/uploads/2012/02/30996301bf90297cb46f484de08d0f9c.pdf
エア・ウォーター
https://www.awi.co.jp/product/viami/category/concern/column2.html

著者情報

腰痛メディア編集部
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著者情報

池澤 ひまり
池澤 ひまり

保有資格

看護師、保健師

経歴

消化器内科病棟にて看護師経験あり。

現在は企業に保健師として勤務中。

主に予防医療や健康経営に携わる。

ライターとしても活動中。

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