皆さんは廃用症候群という言葉を聞いたことはありますか?
「数日間風邪で寝込んでいたら体力が落ちた気がする」「腰が痛くて横になっていたら動く気力が落ちた気がする」
など思ったことはありませんか。これらはもしかしたら廃用症候群という症状かもしれません。
今回はあまり聞きなじみのない廃用症候群について詳しくみていきましょう。

廃用症候群とは

廃用症候群とは心身機能を十分に使用しないことで起こる筋骨格系、循環器系などの身体的および精神的な機能低下を指します。
つまり急性腰痛椎間板ヘルニアなど、腰痛の治療過程で、過度な安静を行っていた場合に起こる可能性がある二次的症状になります。
具体的な症状としては、筋力の低下、心機能低下による起立性低血圧、外的刺激の減少による認知機能の低下、
活動低下により食欲がわかず食事摂取量減少による低栄養など様々なものが挙げられます。

廃用症候群の原因

ベッド上安静を1週間続けると筋力低下が10-15%起こるとされています。
腰痛があるからといって過度に安静にすることで筋力や関節の動きが鈍くなることが考えられます。
そしてこのことがさらに活動性を低下させて悪循環をきたし、ますます全身の身体機能に悪影響をもたらしてしまう可能性があるのです。

廃用症候群の治療

廃用症候群により低栄養や心機能低下などの身体的症状が出現している場合には薬物療法で対応することもありますが、
根本的に廃用症候群を改善するためには外的刺激を増やし活動量を上げていく必要があります。
では具体的にどのようにしたらよいのかみていきましょう。

早期リハビリ

腰痛に対し早期のリハビリが重要になってきます。治療過程で安静が求められる状況もあるかとは思いますので、動ける可動域をしっかりと主治医に確認してから行いましょう。

外的刺激を増やす

日常にメリハリをつけ、様々な刺激を与えていくことが重要です。
そのなかでも大切なのが動く機会をつくることです。
過度な安静を避け、身だしなみを整えることや簡単な家事など活動に積極的に参加してもらうよう促しましょう。

まとめ

廃用症候群を予防するために早期のリハビリや普段通りの日常生活を送ることは重要になります。
鎮痛剤をうまく利用し痛みのコントロールを行いながら、適度な運動を取り入れていきましょう。

【参考文献】
奈良 勲ら(2014)「理学療法から診る廃用症候群―基礎・予防・介入」 文光堂
日本ヒューマン・ナーシング研究学会(2015)「意識障害・寝たきり廃用症候群患者への生活行動回復看護技術(Nicd)教本」メディカ出版

著者情報

岡田 ひかり
岡田 ひかり

保有資格

看護師、保健師

経歴

看護の大学を卒業後、都内大学病院の外科病棟で急性期の看護を学ぶ。

その後、福祉施設で通所介護や在宅支援へ向けた看護業務実施。

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