MENU
メニュー

朝起きたときに、腰が痛いと感じたことはありませんか。
また、眠っているときに、腰痛がひどくて目が覚めてしまうようなことはないでしょうか。
体を横にして腰を休めているつもりでも、実はその寝方が、あなたの腰痛を悪化させているかもしれません。
寝るときの姿勢や、使う寝具で、腰への負担は大きく変わります。
逆にいうと、これらを改善するだけで、腰痛を劇的に改善する可能性もあります。
そこで本日は、寝ているときや起きたときのつらい腰痛で悩むほうに向けて、寝るときのよい姿勢や、よい寝具の選び方について紹介します。

腰痛の原因

仕事や家事、姿勢の悪さ、運動不足など、腰痛の原因はさまざまですが、なかには寝るときの姿勢や寝具が問題であることがあります。
朝起きたときに腰が痛い、体の節々が痛いと感じるほうは、もしかしたら寝方に問題があるかもしれません。

腰をラクにする姿勢

背骨がS字のカーブを描いているときが、もっとも腰がリラックスした状態といわれています。
この正しい姿勢を、日常生活だけでなく、寝ているときも保つ必要があります。
寝具の選び方②0419
人間の背骨は、横からみると、首あたりは前にカーブし、胸あたりで後ろにカーブし、そしてくびれから腰にかけては前にカーブしているという風に、なだらかなS字状のカーブを描いています。
このカーブがたとえば曲がりすぎると、背骨やその周辺の筋肉、靱帯に負担がかかり、腰痛につながります。

寝るときのよい姿勢

背骨がS字カーブの状態を崩すと、たとえ体を横にして休んでいたとしても、腰痛につながります。
正しい姿勢で寝るようにし、腰痛をやわらげましょう。
そこで、寝るときの姿勢や工夫できることについて、仰向けや横向き、うつ伏せに分けて紹介します。

仰向け

仰向けで足をまっすぐに伸ばしたまま寝ると、腰が反りすぎて負担がかかりやすくなります。
そこで仰向けで寝るときのおすすめの寝方は「膝を立てること」です。
膝を曲げて、さらに膝の下にクッションなどをあてがうことで、腰が反りにくくなり、ラクに寝ることができます。

横向き

横向きであれば、「エビのような寝方」がおすすめです。
膝と股関節を軽く曲げて、両膝を少しおなかに近づける感じで、エビのように丸くなってみましょう。
さらに曲げた両膝の間にタオルを丸めてはさんだり、クッションなどを抱えるようにしたりすると、上側にある膝や腕が、下にいかず置き場所が安定するため、よりラクに寝ることができます。

ただし、仰向けと比べてマットレスに接する面積が少ないため、体全体や腰に少し負担がかかる可能性があります。
寝返りを適切な回数打つようにして、負担を分散させるようにして工夫しましょう。

うつ伏せ

腰にもっともよくない体位ですので、できるだけ避けるようにしましょう。
うつ伏せの姿勢は、腰あたりの背骨がより前にカーブしてしまうため、腰に負担がかかりやすいです。
どうしてもうつ伏せで寝るときは、できるだけ腰が反らないように、おなかの下にバスタオルや毛布を敷くようにしましょう。
またうつ伏せで絶対に避けるべきこととして、うつ伏せのまま上体を起こして読書をしたり、テレビをみたりすることです。
さらに腰を反らせる姿勢になり、腰痛の悪化につながるため、絶対にやめましょう。

寝具の選び方~マットレスと枕~

体を横にして腰を休ませるためには、姿勢だけでなく、適切なマットレスや枕選びが大切です。
背骨が正しいS字カーブを描くように、自分の体にあった適切な寝具を選びましょう。

マットレスの選び方


寝具の選び方③0419
背中とおしりがほんの少し沈みこむような、適度なかたさのマットレスを選びましょう。

柔らかすぎるマットレスは、体全体が沈みこみ、腰痛が悪化しやすいです。
仰向けであれば、背中とおしりが沈み込みすぎて、腰の前カーブが強くなり、腰に負担がかかります。
横向きに寝たときも、背中や腰が沈みこんで、横からみて背骨が曲がった状態になります。
また、体が沈みこむことで寝返りも打ちにくくなるため、腰への負担がさらに続き、腰痛の悪化につながります。

一方でかたすぎるマットレスでも、腰痛が悪化しやすいです。
仰向けであれば、おしりがまったく沈まないことで、腰が反った状態になり、腰への負担になります
また、横向きに寝たときも、背中や腰が沈みこまず、横からみて背骨が曲がった状態になります。
仰向けで膝を立てたりと、姿勢を工夫することで、腰への負担を少し軽くすることはできます。
しかし、体がマットレスと接している部分がかたすぎるために、しびれたり疲れたりして、よく休めず、腰痛の悪化につながります。

自分に合ったマットレスを選ぶためには、実際にお店に行って寝てみるのがおすすめです。
背中とおしりがほんの少し沈む程度のかたさで、寝返りが打ちやすいものを選ぶようにしましょう。

枕の選び方


寝具の選び方④0419
首のカーブが自然に保てる、適切な高さの枕がおすすめです。
柔らかすぎる枕は、頭が沈んでしまい、背骨のS字カーブが崩れるため、腰によくありません。
逆に高さがありすぎる枕も、首に負担がかかりやすいです。
またさらに横に小さい枕も、寝返りを打つときにはずれてしまうので避けたほうがよいでしょう。

仰向けでよく寝るほうは、首が15度くらい前に傾く高さの枕に、また横向きでよく寝るほうは、首の高さが、首から肩までの幅と同じになるような枕にするのが、首に負担がかからずよいでしょう。
素材はソバカラが詰まったようなかためのもので、また大きさも、寝返りではずれにくい大きめのものを選んでください。
バスタオルなどをかたく丸めて、高さを直径15cmぐらいにして、自分にあった高さの枕をつくってみるのもよいでしょう。

さらに工夫できること

クッションや抱き枕

横向きで寝るときに、膝の下にクッションを入れると、膝を曲げた状態が安定しやすいです。
また、抱き枕を抱えて寝ることで、上側になった腕や足が、下に落ちることなく体が安定します。

座布団

仰向けで寝るときに、膝を立ててその膝下に座布団を敷くか、または座布団を敷いた上に足をのせて寝ることで、腰に負担のない姿勢を保つことができます。
また、座布団をウエスト下に敷くのも、S字カーブが維持されて、よいでしょう。

腰をあたためる(ホットパックなど)

腰痛がひどくて眠れないほうは、腰をあたためてから寝るのもおすすめです。
慢性的な腰痛は、腰をあたためることによって、筋肉や腱などの緊張がほぐれ、血液の循環がよくなり、痛みのもととなる物質が取り除かれることで、痛みが和らぎます。

ホットパックは、病院で使用するような医療用のものもありますが、薬局やネット通販で家庭用のものを購入することもできます。
気軽に使える電子式のホットパックや、熱湯を利用するものなどいろいろなタイプのものがありますので、探してみましょう。
ホットパック以外にも、体をあたためるものとして、湯たんぽや使い捨てカイロなどを活用してみるのもおすすめです。

お金をかけず、買わずにすませる方法として、蒸しタオルを活用することもできます。
濡れたタオルを軽くしぼってビニール袋に入れ、電子レンジで一分ほど加熱します。
袋ごと、乾いたタオルで包んで腰にあてることで、布団を濡らさず、長時間あたたかいまま使えます。

ただし、長く使うことによる低温やけどには、十分注意しましょう。

まとめ

今回は、夜寝るときの腰痛対策として、寝るときの姿勢、腰を休めやすい寝具の選び方、さらに工夫できることについて紹介しました。
せっかく、体を横にして腰を休めたいのに、逆に腰痛を悪化させてしまっていたら嫌ですよね。睡眠不足は自律神経失調症や慢性疲労症候群などを発症し、生活動作のパフォーマンスを低下させる原因となってしまいます。
寝る姿勢や寝具を変えることは、腰の負担を軽くして、劇的に腰痛を改善させるかもしれません。
今回紹介した内容を参考に、ぜひあなたの腰痛に合った寝方をみつけてみてください。

【参考文献】
青木虎吉 監修 1985年「図解[腰痛の治し方]」主婦の友社
藤巻悦夫 監修 2000年「よく効く腰痛治療全ガイド」主婦と生活社
黒田栄史 監修 1999年「家庭でできる腰痛の原因と治し方」西東社

【参考】 日本整形外科学会

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

痛みや体の不調で悩むあなたへ、役立つ情報をお届け。

自分の体の状況(病態)を正しく理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目的です。

記事のご意見・ご感想お待ちしております。

この著者の他の記事を見る
wholebodyeducator