腰痛でお悩みのみなさん。腰痛を感じると日常生活がままならず、思い通りに日々の生活を送れないといった方も多いのではないでしょうか。病院を受診したり、薬を飲んだりしても腰痛が治らなければ、一生付き合っていくしかないのか…と諦めてしまいがちです。そうなると、食欲や活動意欲などが低下してしまうこともあるでしょう。腰痛の痛みを和らげて、少しでも活力ある毎日を送れるように、腰痛と活動意欲との関連性や腰痛との上手な付き合い方をご紹介します。

腰痛が意欲を低下させる?

腰痛を感じると、多くの人は倦怠感や苦痛を感じます。人間はマイナスの感情を一度感じると、それ以上にプラスとなる出来事やマイナスの感情を忘れるほどの体験などを経験しない限りは、中々消えないでしょう。結果的に、腰痛から引き起こされるマイナス感情が引き金となり、今まで気にしていなかった身体の不調を気にし始めたり、さまざまな不安感情を抱き始めたりし、身体面のみならず心理面でのトラブルも引き起こしかねません。腰痛というのは、単なる腰の痛みとして捉えるのではなく、その人自身の生活に大きな影響をもたらす病気の1つとして捉えることも大切です。

どのような意欲が低下される?

腰痛によるさまざまな意欲の低下は、食事・睡眠・活動さまざまな面で影響を及ぼしています。まれに、怖い病気まで隠れている可能性があり、正しい情報を知っておくことが大切です。それでは、腰痛と意欲低下との関連性を詳しく見ていきましょう。

食欲の低下

1つ目に、腰痛により食欲の低下を引き起こす可能性があります。私たちにとって毎日を送るために必要な栄養をとるために、食事というのは欠かせない日常生活における活動の1つです。しかし、ふとした拍子に、腰痛が生じることで、楽しんでいたはずの食事の手が止まる機会が増えたり、食べても美味しくないと感じたり、食事することすら億劫に感じたりしてしまうこともあるでしょう。腰痛がひどくなり、食欲もなく、食事もままならない、体重減少したといった場合、十二指腸潰瘍や胆嚢炎のほか、膵臓癌や心筋梗塞、大動脈解離といった命の危険に関わる病気も原因として考えられます。腰痛だからといって放置せず、早期に病院を受診するようにしましょう。

睡眠欲の低下

2つ目に、腰痛により睡眠欲の低下を引き起こす可能性があります。ゆっくり休みたいと思い、横になったにもかかわらず、「腰痛が生じて寝つけない」「何度も目が覚めてしまう」「朝、目が覚めると腰痛が悪化している」というように、辛い思いを抱えている方もいるのではないでしょうか。腰痛が引きこされることで、本来、身体を休めるために重要といえる睡眠時間が妨げられ、睡眠を十分にとれなければストレスが溜まってしまいます。不眠が続けばうつ病などの精神面の問題や、他の病気を引き起こしかねません。睡眠剤に頼らざるを得なくなることにならないよう、寝る姿勢の工夫や寝具の調整により、腰痛改善を図り、十分な睡眠を得られるようにしましょう。

活動意欲の低下

3つ目に、腰痛により活動意欲の低下を引き起こす可能性があります。腰痛が引き起こされると、何をやるにもやる気が起きないと感じる方は多く、嫌でもストレスは溜まる一方です。しかし、こうした腰痛による活動性の意欲の低下には、自律神経失調症が関係している場合もあります。そもそも、人間は全身の器官をバランスよくコントロールするために、自律神経が働いています。自律神経は自律神経・交感神経に分かれており、この2つの神経バランスが乱れることにより、腰痛のほか、胸痛や息苦しさ、動悸、ほてりといった不快な症状や集中力の低下や倦怠感なども引き起こしかねません。これを自律神経失調症といいます。年齢問わず、多くの方に見られる病気の1つです。腰痛によるストレスが引き金となり、自律神経失調症を引き起こしている可能性もあれば、自律神経失調症が引き起こされることで腰痛や活動意欲が引き起こされる可能性もあります。そのため、腰痛の症状改善に向けた生活習慣の見直しが大切です。ビタミン群やビタミンCを補える食事を取り入れる食生活への改善を図ったり、好きなことややりたいことをし、適度にストレス発散したりするなど。

腰痛は、私たちのさまざまな意欲を低下させてしまっていることが分かります。当たり前の日常生活を送れるよう、改善方法を見つけることが重要といえるでしょう。

意欲向上につながる脱却方法

腰痛が関連して引き起こされるさまざまな意欲の低下というのは、対処法がいくつかあります。症状の改善につながる方法を知り、辛い毎日から解放されましょう。

他者とのコミュニケーション・社会参加

他者とのコミュニケーションや社会参加は、腰痛と意欲低下の改善につながるといわれています。腰痛を感じると、多くの方が腰痛を悪化させないようにと安静を図り、家に引きこもりがちとなってしまいます。結果、人との関わりも少なくなり、コミュニケーションや社会参加を図る機会が減ってしまうのです。これが生活を送る上での意欲の低下につながる元といえます。もちろん、元々、他者とのコミュニケーションは苦手という方もいるかもしれません。しかし、誰かと話すということで、自分の辛い思いを吐き出す機会が作られ、共感してもらえるといった安心感を生み、心に溜めこんでいたものをきれいさっぱりと流せます。こうした感情は、腰痛に対する気持ちを少し軽くしてくれるでしょう。また、地域の活動などちょっとした社会活動に参加することで、自分の居場所・役割・生き甲斐を感じられ、腰痛が引きこした意欲の低下を軽減してくれます。誰かとつながりを持つとことは、私たちに温かい温もりを与えてくれ、心理面から引き起こされる腰痛の症状改善につながるでしょう。ぜひ、試してみてください。

適度な運動

適度な運動は腰痛とストレスどちらの症状改善にも効果的です。運動といっても嫌々行うのではなく、ウォーキングやストレッチなど無理のない範囲で楽しむことが大切でしょう。実際に、運動は腰痛の予防や再発防止に対して有効であると、日本整形外科学会の「腰痛診療ガイドライン」に明記されています。簡単なストレッチなど身体を動かすことで、筋肉の緊張がほぐれ、柔軟性を高められるため、腰痛改善につながります。また、深部の筋トレなどをすると、腹筋や背筋を鍛えられ、日常生活動作に伴う腰部への負担軽減につながります。さらに、活動性の向上や精神面でのポジティブな感情を生み出してくれるでしょう。適度な運動は、私たちにとって、心身ともにプラスの影響をもたらしてくれるのです。

サポートグッズ利用

腰痛や意欲の低下に効果的な方法として、腰痛サポートグッズの利用もおすすめです。座っているときにはエアークッション、立っているときには腰用サポーター、寝る前には骨盤ストレッチグッズなどを利用し、骨盤を正しい位置に調整することで、日常生活動作を送りやすく、腰痛改善を目指せるでしょう。グッズを利用することで腰痛の改善が図れたら、辛い気持ちも張れて、活動意欲の向上にもつながります。さらに、姿勢が正されることで、自然としゃきっとした気持ちにもなり、何かをやりたいという気持ちが生まれることもあります。腰痛改善につながるサポートグッズは100均から値段が張るものまで、さまざまですが、試し価値はありです。

病院受診で専門治療

食事・運動・社会参加など自分でできる対処療法をしてみても、腰痛の症状や意欲の低下が改善されない場合には、病気が関連している可能性があるため、その際には、病院で検査・治療を受けることが大切です。病院受診というと、気が引けたり、足が遠のいたりする方もいると思いますが、手術や内服治療でなければ、症状の改善が図れない場合ももちろんあります。病院を受診することは何も悪いことではありません。自分の腰痛の原因を知り、原因に適した治療法を受けることが何よりも大切なのです。


腰痛により食事・睡眠・活動といったさまざまな意欲の低下につながってしまうことが分かりました。いくつか重なってしまうと、「また悪いことが起こるのではないか」などと不安感情が引き起こされ、その不安が悪循環となります。すると、私たちのQOL(生活の質)をより低下させてしまうことになるでしょう。腰痛による意欲低下はご紹介した方法で改善を図れる場合があります。ぜひ、腰痛・意欲低下の原因として、自分に当てはまるものを見つけ、症状の改善方法を試してみてください。全く改善が図れず、悪化したり、他の症状も引き起こされたりした場合には、早期に病院を受診し、専門医へ相談するようにしましょう。


■参考文献
知るほどTOPICS/うつ病のサイン
一般社団法人日本臨床内科医会/自律神経失調症
LIFULL介護/慢性腰痛の2つの要因と改善方法
日本老年医学会雑誌編集委員会/老年医学update 2007-08
ドクターサーチみやぎ/仙台放送が運営する宮城県のヘルスケア情報サイト
滋賀医大/慢性腰痛
日本医療・健康情報研究所/創新社 /腰痛の原因は精神的なストレス 自分で簡単にできる腰痛の治し方
月刊デイ/生活に意欲を持ち、 社会性を維持するための工夫

著者情報

腰痛メディア編集部
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