ドイツ・エッセン大学病院などの研究では、慢性的な腰痛と頭痛の関連性が指摘されていますが、日本人にも頭痛を伴う腰痛に悩まされている方は多いです。その腰痛を改善することは可能ですが、改善するにはまず原因を知らなければなりません。

そこで今回は同時に起こる腰痛と頭痛の原因をいくつか解説し、それぞれのケースに合った改善方法を紹介します。また手軽に専門家の力を借りられる良い方法もお伝えしますので参考にしてください。

腰痛と頭痛が同時に起こる原因

まず前提としてお伝えしておきたいのが、腰痛の約8割は原因不明であるということです。椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄など、原因がはっきりしている腰痛もありますが、一般的な腰痛に関しては原因の特定がなかなかできません。そのため、以下で紹介する事柄は、腰痛や頭痛の原因となりうる可能性の一つであると思ってください。

悪い姿勢や運動不足が招く筋肉の緊張や血行不良

スマホやタブレットなどの画面をのぞき込むようにして猫背になったり、デスクワーク・リモートワークで長時間同じ姿勢を続けたりすると、筋肉の過度な緊張や血行不良を招きます。筋肉がこわばると血流が悪くなるので、疲労物質の流れを滞らせてしまい、腰の痛みにつながるのです。

また背中には首・肩から腰にかけて長い筋肉があるので、筋肉の緊張や血行不良による腰痛がある時には、緊張型頭痛や肩こりを同時に発症するケースも多いです。さらに運動不足も腰回りの筋力低下や血行不良につながるため、腰痛と緊張型頭痛が同時に起こる要因となり得ます。

心理的ストレスによる自律神経の乱れ

原因不明とされている80%の腰痛は、心理的・社会的ストレスによって引き起こされることが多いです。オーバーワークや人間関係のトラブルなどでストレスがかかると、交感神経が過剰に働いてしまいます。交感神経には筋肉や血管を収縮させる働きがあるので、筋肉の緊張や血行不良につながり、結果的に腰痛が起こるのです。筋肉が緊張して血流が滞れば、緊張型頭痛になることもあります。

また交感神経の働きによって感覚が鋭敏になることも、腰痛や頭痛を感じやすくなる原因です。痛み自体もストレスとなるため、どんどん腰痛や頭痛がひどくなる負のスパイラルを作ってしまうこともあります。

女性は更年期障害で腰痛・頭痛が起こることも

倦怠感やめまい、動機などさまざまな症状が見られる更年期障害では、腰痛や頭痛、肩こりを発症する頻度が比較的高いです。更年期障害の場合も、筋力の低下や血行不良、ストレスなどによって腰・肩の張りや緊張型頭痛などが引き起こされます。また女性の場合、生理によるホルモンバランスの変動によって腰痛や頭痛が起こることも多いです。

新型コロナやインフルエンザの症状であることも

発熱や咳、頭痛などの症状がよく知られている新型コロナウイルス感染症では、発症中や回復後に強い腰痛を伴うことがあります。これはインフルエンザの場合も同様です。インフルエンザでも、高熱や全身倦怠感、関節痛などとともに、腰痛や頭痛が起こり得ます。

しかし、腰痛・頭痛を覚えたからといってすぐに新型コロナやインフルエンザを心配しないといけないわけではありません。ただし、痛みが急激である場合は早めに病院を受診するのが良いでしょう。

腰痛と頭痛を改善する3つの方法

以下では原因が特定できない非特異的腰痛やそれに伴う頭痛を改善する方法を3つ紹介します。いずれも手軽に実践できる方法ですので、是非お試しください。

ストレッチや筋トレ、有酸素運動を行う

多くの腰痛や緊張型頭痛は筋肉の緊張によって引き起こされるので、それを予防するための方法としてストレッチは有効です。リモートワークで長時間座りっぱなしという方は、たまには立って体をほぐしてみましょう。

また筋トレをして腰回りの筋肉を強化したり、適度な有酸素運動で血流を改善したりするのもおすすめです。ちなみにこれらの方法は更年期障害を改善するための方法としても知られています。

体を温めて血流を良くする

血行不良は腰痛や緊張型頭痛の原因となりうるので、体を温めることによって血流の改善を目指すのもおすすめです。具体的にはカイロなどで腰や首、肩を温めたり、入浴したりするのが良いでしょう。また体が温まるような食べ物や飲み物も良いです。特に冬場は冷えによる血行不良で腰痛や緊張型頭痛が起こることもあるので、意識的に体を温めるように心がけましょう。

片頭痛の場合は温めてはいけないので注意

緊張型頭痛は血行不良によって起こりますが、片頭痛は血管の拡張によって起こるため、温めるのは逆効果です。心臓の拍動に合わせるようにズキズキと激しく痛むのであれば片頭痛なので、温めないように注意してください。

なお、片頭痛は女性に多い症状であり、特にエストロゲンが減少する月経前や閉経前によく起こります。そのため、特に女性は注意しましょう。ちなみに片頭痛がひどい時は、暗くて静かな場所で患部を冷やしながら安静にするのがおすすめです。

十分な休息をとってストレスや疲労を軽減する

心理的なストレスも腰痛や頭痛の大きな原因です。過度に心理的なストレスがかかると、それが身体に反映され、腰痛や頭痛、肩こり、吐き気、発熱などのさまざまな不具合を生じさせます。そのため、オーバーワークやストレス過多の自覚がある場合は、十分に休息を取ることを心がけましょう。心身ともにしっかりとリフレッシュし、自律神経の働きを正常化させれば、腰痛や頭痛は改善に向かいます。

専門家の診断を受けるのが最善

上記で紹介した方法を試せば、多くの腰痛・頭痛はましになるはずですが、根本的な改善を図るには原因を突き止めなければなりません。頭痛を伴う腰痛から卒業し、人生をより豊かにしたいのであれば、やはり専門家の診断を受けるべきです。

内臓や脊椎の病気が原因の腰痛もある

腰痛の2%は、内臓や脊椎などの病気が原因です。慢性膵炎や腎盂腎炎、化膿性脊椎炎、がんの骨への転移などによって腰痛が引き起こされます。女性の場合、子宮内膜症や子宮がんも腰痛を伴う病気です。

このように内臓や脊椎などの病気が原因なら、生死に関わる事態が起きている可能性もあるので、やはり専門家に診てもらうのがベストです。特に安静にしていても腰が痛む場合は注意してください。

運動療法や手術でしか治せない腰痛もある

病気でなかったとしても、程度によっては運動療法や理学療法、手術などの手段を講じないと治せない腰痛もあります。その場合、自分で色々と工夫をしても徒労に終わってしまうので、専門家のアドバイスをもとに正しい方法で治療していくのがおすすめです。

体をほぐしたり、温めたりすることから始めてみましょう

一部重篤なケースはあるものの、基本的には筋肉の緊張や血行不良、心理的ストレスなどから頭痛を伴う腰痛が起こることが多いです。そのため、まずはストレッチや運動で体をほぐしたり、入浴で体をしっかり温めたりすることなどから始めてみましょう。また時にはゆっくりと休息を取って、心身ともにリフレッシュすることも大切です。

「頻発する腰痛」と「頭痛」の関係|Care Net

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腰痛メディア編集部
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