看護師の職業病ともいわれている「腰痛」。
看護師の仕事は、患者様の日常生活の介助はもちろんのこと、検査出しやオペ出し、おむつ交換や入浴介助等、休む暇なく業務にあたります。
また、特に女性に関していえば、自分よりも大きな患者様を車椅子やベッドに移乗したり、シーツ交換やおむつ介助等で臥位から横向けへと体位変換したりする機会も多く、一日の終わりには、手足の関節から肩こり、腰痛と、全身が疲労と痛みで動けないなんてこともしばしば。
また、夜勤業務もあるため、不規則な生活から体調を崩し、意欲の低下や食欲不振なども起きやすく、逆に体重が増えて入職時から比べて大幅に太ってしまった!という人も多いはずです。様々な原因で身体の不調を抱えている看護師は多く存在し、その中でも特に看護師の多くが「腰痛」に悩まされている現状にあります。

日本看護協会の看護職の労働安全衛生において「腰痛予防対策について」という記事が掲載されています。
その中で「保健衛生業で発生する業務上疾病全体の約8割は腰痛」であると記されているように、多くの看護師が年齢に関係なく腰痛に悩まされていることが分かります。
それゆえに、ひどい腰痛を抱えていたとしても、同じように腰痛を抱えながら業務にあたる仲間をみていると、無理をしてでも業務を遂行してしまう人は多く、その頑張りがさらなる腰痛の悪化に繋がるという悪循環を繰り返しているように思います。
看護師業界において、腰痛が職業病といわれてはいますが、かといって腰痛を理由に労災申請をしたり、治療のために休みを取ったりする人もおらず、職場への迷惑や穴をあけてしまう申し訳なさ等から、結局は休みを取らずに仕事を続けていく人のほうが圧倒的に多いのだと思います。
腰痛を引き起こす、思い当たる原因は分かっていたとしても、結局はやるべき仕事は同じなので、何か対策を講じなければ結局は同じことを繰り返すだけになってしまうのです。
そこで、私が実際に腰痛対策として行った体験を話していきたいと思います。

整骨院へ行ってみた

同僚の旦那さんが整骨院で働いていらしたため、腰痛対策としてまずは整骨院へいってみました。一回1時間ほどの施術で、施術してもらった後は少し和らいだような、軽くなったような感覚はありますが、完治する訳ではないので一時的な効果でした。また、整骨院へは定期的に通わなければ意味がなく、施術料一回3500円、結局は月に6~8回のペースで通っていたため、2万円以上の出費でした。効果は一時的、出費はかなりの痛手ということもあり、2か月程通って以降は行くことも止めてしまいました。効果としては、全体的に軽くなったような感じはありました。

コルセットを購入してみた

薬局で売ってある簡易的なものを購入しました。コルセットを巻くと姿勢が矯正されるので、猫背の私には最適でした。また、コルセットの圧迫により動きが制限され、痛みの緩和に繋がりました。しかし、サイズや締め具合等、これで合っているのか?という疑問を抱えながらも、業務中は巻くようにしていましたが、効果としてはただの気休め程度で、私はあまり意味がないなと感じ、いつからかコルセットも使用しなくなりました。

ダイエット

学生の頃と比べ、体重が10㎏ほど増えてしまっており、体重増加も腰痛の原因であると考え、ダイエットにも取り組んでみました。しかし、そもそも続かず、効果は不明です。

マッサージ・ストレッチ

寝返りができないほど辛い日などは、旦那にマッサージをお願いしています。男性は指も太く力もあるので、女性と比べてピンポイントに疼痛部へ圧をかけてくれるので、一時的な緩和には効果がありました。

上記4つを習慣的、定期的に実施していくのは、個人的にとても負担が大きく、持続することもできていませんでしたが、複数のことを試すよりある一つのものに絞って検証してみてはどうかと思い「お風呂・シャワー」に着目してみました。
そもそもお風呂は毎日必ず行うことの一つですが、シャワー浴でぱっぱと済ませてしまう日常から、毎日15分~1時間は湯船にお湯を張り、つかってみるようにしてみました。

お風呂につかるようにしてみた

腰痛は、やはり筋肉の痛みということもあり、いつもはシャワー派のところを、日常的にお湯につかる時間を作りました。
シャワー浴の時と比べ、筋肉がほぐれ、睡眠もよく取れるようになり、ストレス解消に加えて満足感は十分にありました。
お湯につかることで、全身の筋肉が柔らかくなること、それにより血液循環が良くなり、痛みの緩和や疲労回復といった効果も得られます。

確かに、臨床の現場でも慢性的な疼痛に苦しむ患者様へ、負担のないように入浴を積極的に促すときがあります。疼痛の緩和目的だけでなく、お湯につかることでリラックス効果も得られるメリットもあるのです。
また、時間がある際には入浴剤を使用しています。入浴剤を使用することでいつもと違う香りや雰囲気を楽しめるだけでなく、炭酸系の入浴剤であれば、普通にお風呂に入るよりも効果的に血流を良くする働きがあります。血流が良くなることで、筋肉を動かすために必要な酵素の供給や、筋肉に溜まった老廃物等を排泄する力が高まるため、効率よく筋肉の疲労を取ることができるのです。
一週間程継続して湯船につかってきた結果、腰痛が徐々に緩和していき、それに加えて入浴後のストレッチを習慣づけたことで、インナーマッスルも鍛えられ今ではほとんどといっていいほどに腰痛がなくなりました。
私個人としては、整骨院やコルセットを巻くよりも効果が得られたという結果になりました。

ここで重要なポイントとして、「全ての腰痛に効くわけではない」ということです。湯船につかる入浴方法は腰痛を引き起こす原因が、筋肉疲労や負荷がかかっていたことによる筋肉の硬直(硬さ)によるものへの効果が期待できるというものであり、神経の圧迫によって生じる椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などには効果がありません。一時的な緩和に繋がることはあっても、症状自体の改善には至らないため、神経が原因の腰痛に関しては、病院受診し医師と相談のうえ、個別性に沿ったプランを検討していく必要があると思います。
しかし逆をいえば、継続的に湯船につかり、+αでコルセットの使用や整骨院なども試し、少しの改善もみられない場合は、その腰痛原因が筋肉や姿勢が原因で引き起こされるものではなく、神経の圧迫による腰痛である可能性が高いということになります。自分自身で改善しようと模索するのではなく、試しても効果がない場合は諦めずにまずは受診をし、自らの腰痛原因がどこからくるものなのか、解決できる糸口を見つけることが大切です。

まとめ

私だけでなく、多くの人たちが自分なりに対策を考えたり、行動に移したりしていると思いますが、果たしてどれだけの人が効果を実感しているのでしょうか。
看護師ということもあり、自らが病院へ受診することに抵抗を感じてしまう人も少なくありません。そのため、悪化をしてしまうと分かっていてもどう行動していいのか分からず、鎮痛剤や矯正ベルト等でごまかしながら業務にあたっている現実があります。原因が分からない、思い当たる原因が分かっていても、どう動き出せばいいのか分からない、多くの人が抱えるこの悩みを解決できれば、働くことが楽しく、より充実でき、活気ある日常を送ることができるのだと思います。

正しい情報と、お金や時間をかけずに取り組めるツールがあれば、看護師の腰痛改善に繋がる日も近いのではないかと、そう思うのです。

参照:腰痛予防対策について|公益社団法人日本看護協会

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腰痛メディア編集部
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