腰痛も手足の関節痛もどちらも日本人に多い症状なので、それらが同時に起こっても何ら不思議ではありません。しかし、腰痛や関節痛を引き起こす原因として、何らかの重大な病気が潜んでいる可能性も十分にあるため、放置しておくのも危険です。

「手足の関節が痛い」という症状と腰痛が同時に起こる病気としては、「強直性脊椎炎(きょうちょくせいせきついえん)」と「関節リウマチ」が挙げられます。今回はこれらの病気について詳しく解説するので、腰痛だけでなく、手足の関節痛もあるという方は参考にしてください。

強直性脊椎炎の特徴

強直性脊椎炎は、脊椎や仙腸関節、胸部、膝関節、アキレス腱などの慢性的な炎症を引き起こすリウマチ性疾患です。強直とは、骨同士がくっついて動かなくなってしまうことを指しますが、強直性脊椎炎では脊椎全体に強直が起こるケースがあります。

腰痛が安静時に悪化し、動くと改善する

強直性脊椎炎の初期段階では、炎症性腰背部痛が起こります。症状の特徴は仙腸関節や背部の痛みやこわばりに波があることです。強い痛みを感じる時もあれば、全く症状がなくなる時もあります。

また強直性脊椎炎の腰痛・背部痛は、安静にしても改善しません。就寝時や起床時に痛みが強くなり、運動をすると少しましになることが多いです。その他の症状としては、膝関節やアキレス腱の痛み、坐骨神経痛などが挙げられます。微熱や高熱、倦怠感、疲労感などの全身症状を伴うこともあります。

合併症を引き起こすこともある

強直性脊椎炎患者の30%程度は、前部ぶどう膜炎という眼の疾患を合併すると言われています。また大動脈弁閉鎖不全症などの循環器疾患や、潰瘍性大腸炎やクローン病などの消化器疾患が起こることもあります。

最悪の場合、脊椎全体が強直して動かなくなる

症状が進行すると脊椎や関節の可動性が低くなって、上のものを取ったり、背中を反らせたりといった日常的な動作が難しくなる場合があります。また胸椎と肋骨がくっつくつと、深く息を吸い込んだ時に胸部痛を伴います。股関節が強直した場合、程度によっては人工関節置換手術も必要です。

ただし、強直性脊椎炎が重症化するケースはそれほど多くありません。脊椎全体が強直して動かなくなるのは、全体の3割以下です。大抵の場合、日常動作に一定の支障は出るものの、普通に暮らすことができます。

ヒト白血球抗原・HLA-B27が関係

強直性脊椎炎の発症にはヒト白血球抗原(HLA)の一種であるHLA-B27が関係していると言われていますが、詳しい原因は不明です。日本人の場合、HLA-B27を持つのは全体の0.3%であり、そのうち強直性脊椎炎になるのは1割未満なので、発症はかなりのケアケースだと言えます。

強直性脊椎炎は10〜30代の男性に多い病気です。中年女性にも見られますが、男性に比べると概ね症状が軽いと言われています。

治療の要は運動療法

強直性脊椎炎の痛みには、安静によってひどくなり、運動によって緩和されるという性質があるため、治療には運動療法が有効です。脊椎や関節の柔軟性を維持するためのストレッチ、水中ウォーキングなどが推奨されています。また背中の強直が進むと前屈みの姿勢になっていくため、意識して姿勢を正すことも重要です。

その他、治療には薬物療法や手術療法も行われますが、根本的な治療法ではありません。

関節リウマチの特徴

関節リウマチは関節が炎症を起こして腫れ上がる自己免疫疾患です。関節の炎症は関節内の滑膜を腫らし、腫れがひどくなると軟骨や靭帯、骨を破壊していきます。

手足の関節などが左右対称に痛む・腫れる

関節リウマチの炎症は、手足の関節から始まることが多いです。大抵の場合、左右両側に痛みや腫れが出ます。初期段階では起床時に手足がこわばることに加え、発熱や倦怠感、食欲不振などの症状も出るので、風邪と混同されることもあります。

強い腰痛を伴うことが多い

関節リウマチは関節痛だけでなく、腰痛や頸部痛を伴うことが多いです。腰痛にかぎって言えば、関節リウマチ患者の25%程度は強い腰の痛みを抱えているとされています。そのため、関節リウマチはまさしく手足の関節が痛い腰痛の原因の一つだと言えるでしょう。

軟骨や靭帯、骨が破壊され、関節の機能が失われてしまう

関節リウマチが恐ろしいのは、関節の炎症によって関節中の滑膜が腫れ、軟骨や靭帯、骨を破壊してしまうことです。破壊が進むと次第に関節の機能が失われていき、最終的には歩行も困難になります。

現在は有効な治療法がありますが、かつては寝たきりになる病気だと言われていました。早期に適切な治療をしなければ、寝たきりや車椅子生活を余儀なくされることもあるので、注意が必要です。

中年女性に多い自己免疫疾患

関節リウマチも原因不明の病気ですが、免疫機能の異常によって起こると言われています。発症は中年女性に多く、確率としては男性の3倍以上です。20代や30代で発症するケースもそれなりにあります。日本には60万人を超える患者がいると言われているので、こちらはそれほど稀な病気ではありません。強直性脊椎炎に比べると、多くの人に可能性があります。

できるだけ早く治療を始めることが大切

関節リウマチの特徴としては、発症から2年程度で急速に症状が進行するということが挙げられます。よって早期発見・早期治療が非常に大切です。治療法には薬物療法や手術療法、運動療法を含む理学療法がありますが、早期からきちんと治療し関節の破壊を防げれば、完治の可能性もあります。

早期には朝の手足のこわばりや足裏の痛み、疲労感などが見られるため、疑わしい時は医療機関にかかりましょう。

他の要因で腰痛・関節痛が起こることもある

腰痛は国民病と言われるほど、日本人にとっては一般的な症状です。同様に関節痛を抱える人もかなり多いので、腰痛と関節痛があれば必ず強直性脊椎炎や関節リウマチであるとは言えません。むしろそれらである可能性は低いです。

例えば、ストレスが腰痛や関節痛を引き起こすこともあります。椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの病気で腰痛が起こり、他の要因で関節痛が生じている可能性も考えられます。さらに新型コロナやインフルエンザなどの感染症も、腰痛・関節痛の要因です。

まずは自分の体の状態を正しく知ることが大切

どのような原因で腰痛・関節痛が起こっているにしろ、早期発見・早期治療をするに越したことはありません。よってまずはご自身の体の状態を正しく把握することから始めましょう。とはいえ、自己判断は難しいので、専門家に診てもらうのがおすすめです。

「腰痛ドクターアプリ」を使ってみよう!

腰痛や関節痛に悩んでいるが、医療機関に行く時間はないという方もいるでしょう。そのような方には「腰痛ドクターアプリ」というオンラインサービスがおすすめです。このサービスでは、スマホで簡単に診断が受けられ、それぞれの腰痛の状態や危険度を教えてもらえます。

また腰痛やそれに付随する関節痛を改善するための運動療法の動画も提供されるため、その日から改善の第一歩を踏み出すことが可能です。

手足の関節が痛い腰痛は早期治療が大切!

手足の関節が痛い腰痛は、強直性脊椎炎や関節リウマチである可能性があります。どちらも重症化すれば日常生活が困難になるので注意が必要です。無論、他の要因で腰痛・関節痛が起こっている可能性も高いですが、いずれにせよ早期発見・早期治療に乗り出すのが賢明です。病態の把握には「腰痛ドクターアプリ」も使ってみてください。

腰痛持ちで手足の関節が痛い方は要注意!放置すると危険な難病の可能性!早期発見、早期治療が鍵

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腰痛メディア編集部
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