腰痛を感じると、倦怠感や憂鬱感を感じたり、日常生活にさまざまな支障を感じたり、とてもつらいものです。腰痛の症状改善になかなかつながらず、一生付き合っていくものと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。しかし、腰痛は自分に適した方法を見つけて実践することにより、症状の改善は図れるのです。当記事では、腰痛のメカニズムや要因、改善方法、おすすめの生活スタイルをご紹介します。

1、腰痛ってなぜ起こるの?

私たち人間は人類の進歩により、四つ足歩行から直立歩行へと進化しました。進化に伴い、歩行時や座位時、荷物を運ぶ際に上半身の体重が腰部へかかり、腰部の筋肉が支えきれなかったり、かかってはいけない部位へ負担がかかったりすることで、腰痛を感じるのです。そして、加齢により腰部の筋肉や間接の衰退を始め、腰部への負担がかかりやすい姿勢に伴い、骨のずれや筋肉の疲労が蓄積し、柔軟性などが喪失されることで、腰痛が生じます。

2、腰痛には必ず原因がある

腰痛を抱える方の8割は、原因不明であると言われています。病院を受診し、検査や手術、内服治療を受けても腰痛の改善が図れなかったなんてことも多々あるのではないでしょうか。腰痛の原因を知らなければ、解決する術も見つかりづらいものです。腰痛の原因は、身体的要因から心理的要因までさまざまな要因が関係しており、自分に適した原因を見つけることで改善を図れる可能性は高まります。

1)原因特定しやすい身体的要因

(1)老化

上半身を支えるためには、腰部に存在する骨・椎間板・靭帯・関節の働きが重要です。老化に伴い、それぞれの器官が変形したり、機能自体衰退したりすることで、腰痛が引き起こされます。徐々に起こることが多く、蓄積されると病気となって発症することもあるでしょう。そのため、病気を引き起こす前に腰痛を予防することが大切です。

(2)病気

腰痛の原因とされる病気は、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症、腰椎圧迫骨折といった整形疾患から、心疾患、さらに慢性膵炎、腎盂腎炎、尿路結石、子宮内膜症などでも腰痛が起こると言われています。また、他の病気に対して薬剤治療している方は薬剤に伴って骨の化膿や炎症が起こり、腰痛が生じる可能性もあるでしょう。腰痛のほか、「背中が曲がってきた」「お尻や足も痛みがあり、痺れる」「長く歩けない」といった症状を感じている場合は、早期に病院受診しましょう。日々、自分の身体が示すサインに耳を傾けることが大切です。

(3)怪我

スポーツや転倒により、打撲や捻挫などの怪我を負うことで腰痛が引き起こされます。高齢の方であれば骨自体もろくなっている可能性は高く、ちょっとした転倒が引き金になりかねません。スポーツでの怪我は避けようがないものもありますが、転倒による腰痛を回避するためには、毎日の生活で転倒につながる危険因子や安定した歩行状態への改善など、意識や工夫が大切でしょう。

(4)心理的要因

仕事や家事、子育て、プライベートなど忙しい毎日を送る中で、精神的なストレスは誰しも感じやすいでしょう。ストレスは蓄積されるほど、自律神経のバランスが崩れ、心の不安が腰痛となって現れることもあります。ストレス発散は腰痛のほか、他病気の発症リスクの軽減にもつながるとともに、心身の健康につながるため、適度なストレス発散を心がけるようにしましょう。

腰痛が引き起こされる前に予防し、腰痛を引き起こさないということが一番大切ですが、腰痛が強まらないうちに腰痛へ対処することも重要です。

3、改善法を実践してみよう

腰痛の症状改善のためには、腰痛の原因に適した改善法の実践が必要です。また、腰痛の症状改善は短期間で改善を図れるものから、長期間付き合っていくべきものまであります。どちらの場合でも共通して言えることは、自分に適した原因を見つけ、症状改善する・しないに関わらず、適切な治療を長期的に行っていくということです。

1)立ったまま体操・寝たまま体操

(1)立ったまま体操
「おへそを見ながら腰を丸めることで骨盤後ろに倒す」「腰を反らせて骨盤を前傾にする」といった動作を繰り返します。
(2)寝たまま体操
 上半身を起こし、腹筋を鍛える。
 膝を曲げた状態で胸に引き寄せる。
 仰向けのまま太ももの裏を持ち、膝をお腹に近づけて、数十秒キープ。(両足同様に)
 膝を曲げ、両手は身体の横に置き、首から膝まで一直線になるようにお尻を持ち上げて数十秒キープ。
 膝を立て、息をゆっくり吸ったり、お腹を膨らませたりと10回程度繰り返し。

このようなストレッチや筋トレは、上半身を支える下半身の筋力を向上させ、筋肉自体を柔軟にすることで腰痛の予防につながります。体操や筋トレは痛みが出ない程度に行いましょう。

2)寝る姿勢に工夫を

寝るときに腰痛を感じる方は多くいるため、寝る姿勢に工夫を凝らすと良いでしょう。
(1)仰向けになる際には、ひざ下へ枕を入れる
⇒腰部が正しい屈曲を保持でき、腰への負担軽減につながります。
(2)寝た状態から起きる時は、横向きになり、手で身体を支えながら起き上がる
⇒突然起き上がると腰へ過度な負担がかかってしまうため、ゆっくり起き上がるのがポイントです。
(3)寝具の見直しを
ベッドやマットレス、敷布団などは身体が沈みすぎず、しっかり支えてくれるくらい硬めがおすすめです。

もちろん、ご紹介した方法が腰痛を感じる全ての方に当てはまるとは言えません。しかし、腰痛の原因に対する改善方法の理解を深め、自分の腰痛に適した方法をとることで改善はきっと図れるでしょう。

4、看護師おすすめ!簡単にできる生活スタイル

腰痛に対する改善方法をご紹介しましたが、腰痛は治ったから終わりというわけではありません。再び、腰痛でつらい思いを抱えることがないよう、新たな生活スタイルの編成が大切になります。

1)使うべき場所を使って負担軽減

物を持ち上げるとき、高い所から物をとるとき、体をひねるときなど、無理した姿勢を取っていませんか。ボディメカニクスと使えば、小さな力で重い物でも動かすことができ、さらに腰に過度な負担をかけずに済みます。ボディメカニクスとは、医療現場において活用されている技術で、体の動きが力学などの知識を活用した技術です。重いものを持ち上げる時には、「両足を肩幅程度に開く」「重心を低くする」「相手の身体または物に近づく」「てこの原理を利用(膝やひじを支点にして動かす)」といった4点を意識すると良いでしょう。この動作を身につけることで、腰痛を引き起こしづらくなります。また、腰痛の有無に関わらず、腰への負担軽減を目的としてコルセット着用を取り入れるのも工夫の1つです。

2)鏡を使ってバランス確認

定期的に立った自分の姿を鏡で見てみるようにしましょう。気づかない体の傾きやズレに気づけるチャンスです。身体の歪みは腰痛を引き起こす原因ともなり得ます。例えば、重い物を持つときは片手ばかり使用せず、両手バランスよく使用するようにするなど。日々の生活で少しずつ意識を向けるようにしてみましょう。

3)正しい歩行への改善を

歩幅が狭まったり、すり足歩行になったりしていませんか。間違った歩行は腰への負担をかけるほか、転倒の要因につながりかねません。年を重ねるにつれ、筋力低下や筋肉衰退により歩幅は狭まりやすく、足は上がりづらいというと特徴が出やすいと言われています。転びやすくなったと感じる方は、「歩幅は広く、足を上げて前に出す」というイメージを持ち、意識しながら歩行するのがおすすめです。

4)バランスの良い食生活に

腰痛が生じた際には、疼痛緩和目的で湿布や鎮痛薬など処方されることが多いでしょう。その際には、神経や血管の働きを良くするため、ビタミン剤なども処方されることが多くあります。ビタミン摂取は普段の日常生活から取り入れられる方法の1つです。1日3食、規則正しい生活に加え、食べ物またはサプリなどを利用してビタミン摂取を試みましょう。

5)日々の生活を振り返ってみよう

 腰に負担をかける動作や行動をしていないか
 腰痛があるのに、ヒールなどの靴を継続して履いていないか
 長時間同じ姿勢をとったり、座ったりしていないか
 前傾姿勢や中腰をとるときは、膝を曲げるよう意識できているか

長時間、同じ姿勢でいることで、腰へストレスがかかり、血液循環は悪くなります。日々の生活での意識や行動自体で、腰痛の痛みの度合いや引き起こされる頻度は大きく変わるでしょう。ぜひ、試してみください。

腰痛のメカニズムや原因、改善方法などご紹介しましたが、腰痛の原因を正しく理解し、自分に適した原因究明、改善方法の実践が大切です。腰痛は治らないものではなく、改善方法や行動の選択次第で治ります。腰痛の症状改善や腰痛の発症予防につながる生活スタイルの確立を目指し、腰痛とは無縁の生活を送れるよう、自分の行動を見直すきっかけを作ってみてください。当記事が、腰痛でつらい思いを抱える方のお力になれたら幸いです。

著者情報

腰痛メディア編集部
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