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「70代という年齢のせいだ。。」と腰痛をあきらめて放置していませんか?

また、ご家族に高齢者で腰痛によって悩まれている方がいるあなたは
「なんとかしてあげれないだろうか?」
「寝たきりにならないかな?」
と心配されているのではないでしょうか?

厚生労働省の調査では、腰痛はさまざまな病気やけがの中で、自覚症状がある割合が多く、腰痛に悩む日本人はとても多いです。

”加齢が原因”は間違っていないこともありますが、間違っていると恐ろしいこともあります。
それは、大きな病気が原因である可能性もあるからです。

まずは腰痛の原因とメカニズムを知ることが一番です。
原因とメカニズムがわかれば対処も変わってきます。
あきらめる前に何が原因かを探してみましょう。

この記事では70代高齢者に起こる腰痛の原因とメカニズム、寝たきりを予防する方法をお話します。
”腰痛がよくなるかも””寝たきりにならなくて済むかも”そんな希望を持ってまずはこの記事を読んでみてください。

腰痛が起こるメカニズムを知りましょう。

原因を探す前に、そもそも腰痛はどのようにして起こるのでしょうか。
腰痛が起こるメカニズムから説明していきます。

痛みのメカニズムって?

筋肉や関節など神経が分布しているところで炎症が起こると痛みを感じます。
この炎症が腰回りで起きたのが「腰痛」です。

したがって、腰痛の症状で整形外科を受診してレントゲンをとっても、レントゲンは主に骨しかうつらないので、骨に異常がなければ原因を特定しにくくなります。

MRIは筋肉や軟骨もうつすことは可能ですが、診断の参考程度になるぐらいで痛みの場所がはっきりはわかりません。

このような理由で、腰痛の原因が特定しにくいのですね。

腰痛がおきやすい人間の体

人類の進化により四足から直立二足歩行になったヒトは、背骨に垂直方向に力がかかり、特に腰に負担がかかりやすい体のつくりになっています。

垂直方向にかかる力を分散するために、背骨がS字になっているのですが、何らかの原因により椎間板や筋肉の機能が働かなくなるとこの姿勢を保つことができなくなり、腰痛を発症するのです。

腰痛は人間特有の症状といえますね。人間の宿命?!

高齢者に多い腰痛の原因

メカニズムの次に腰痛の原因についてです。
高齢者に多い腰痛の原因としては次の3つがあげられます。

・変形性脊椎症
・腰部脊柱管狭窄症
・圧迫骨折

変形性脊椎症

骨と骨の間には衝撃を和らげるクッションのような役目をしている椎間板があります。

年齢を重ねることでこれが薄くなり、骨の結合が弱くなるので、強くしようと生体反応が起こって、骨のトゲのようなものができるというものです。

まさに”年齢のせい”ですね。

スポーツをしたり、重いものを持ったりすることが多い人は背骨に負担がかかり、椎間板が傷みやすいのでトゲができやすいと言われているようです。

また、喫煙や肥満も関係しているというデータもあります。

無症状であることも多く、症状がないうちは治療が必要ではありませんが、禁煙したりダイエットしたり気をつけることはしていた方がいいですね。

状態が進行して神経が圧迫されると痛みを感じるので、治療としては消炎剤や鎮痛剤の投与、ブロック注射が行われます。

コルセットでの固定や、患部を温めて血行を良くするといった方法もあります。

加齢によるものなので治すことは難しいですが、日常から正しい姿勢を心がけ、できるだけ重いものを持たないようにするなど、進行を遅らせる努力が必要です。

腰部脊柱管狭窄症

背骨には、脊髄が通るトンネルのようなものがあります。

それを「脊柱管」と呼び、脊柱管が狭くなり、脊髄を圧迫してしまうものです。
すると、神経が圧迫されて腰にしびれや痛みを引き起こします。

加齢による靭帯や椎間板の変性が主な原因ですが、すべり症や椎間板ヘルニアから続いて発症することもあります。

6~8割の人に「間欠跛行(かんけつはこう)」という歩行障害が起こるのが特徴の1つです。
歩くことで痛みが生じますが、腰を丸めてしばらく休むと再び歩けるようになり、これを繰り返します。

神経が傷ついていなければ保存的な治療をします。

まずは痛みを抑える薬と血流を良くする薬、神経の修復を助ける薬です。
腰椎を安定させることで痛みやしびれは出にくくなるので、腹筋や背筋を鍛える運動療法も行います。

具体的には、ウォーキングや水中での運動が効果的です。

症状がひどくなると、手術が必要な場合もあるので、早めに受診することをおすすめします。

圧迫骨折

加齢による骨強度の低下によって、骨がもろくなって起こります。
特に女性は閉経前後に女性ホルモンが減少し、骨がもろくなるので圧迫骨折を起こしやすいです。

骨折というとポキッと折れるイメージですが、圧迫骨折は骨がつながっているけれど、縦方向に力がかかって徐々に変形が起きた状態をいいます。

体をひねったり咳・くしゃみをしたりするだけでも起こるので、高齢者で朝起きたときに激痛がある場合は、まず圧迫骨折を疑ってください。

治療としては、通常の骨折と同じようにギプスやコルセットを使っての固定が行われます。

変形は残りますが、放っておいても自然に治癒していくので大きく心配する必要はないでしょう。

しかし、背中が大きく曲がって慢性的な腰痛になったり、ひどい時には折れた背骨が飛び出したりして神経麻痺を起こすこともあり、手術することになってしまいます。

👉腰椎圧迫骨折を起こす3つの原因とその対処方法について

その他、疾患による腰痛

頻度は低いですが、疾患による腰痛もあります。
以下にまとめました。

大動脈解離

大動脈の血管壁が裂け、別の血液の通り道ができてしまう状態を言います。
放置すると命に関わるので、早急な治療が必要です。

化膿性脊椎炎、化膿性椎間板炎

背骨や椎間板に細菌感染が起こり、発熱や腰痛といった特徴があります。
高齢者は熱がでにくいこともあるので、見逃さないように注意が必要です。

悪性腫瘍の骨転移

他の部位の癌の骨転移です。腰椎は内臓の癌の転移が起きやすいと言われていて、腰痛以外に体重低下や食欲低下などの全身症状を伴います。

膵炎、膵臓癌、尿路結石、尿路感染症

膵臓、腎臓は背中に近い臓器のため、炎症が起こると腰痛の症状が起こります。
その他に食欲低下や発熱などの症状もあれば、こちらの疾患の可能性も疑ってください。

いずれの疾患も検査が必要ですので、心当たりがあれば、悩まず早急に受診してください。

寝たきりを予防するために

高齢者が寝たきりになってしまうと、本人がつらいのはもちろんですが、介護する家族の方なども、精神的にも肉体的にも負担がかかることになります。

そうならないために予防することが大切です。
ここでは日常生活でもできる予防法をあげていきます。

座ることを意識する

まずは座ることから始めましょう。

”横になると楽”と思ってはいけません。
長時間横になることで、筋力が低下し、さらに横にならざるをえなくなります。

では、どうすればいいのでしょうか?

それは「座るのが楽」と感じさせてあげることです。

そのために、座る時に工夫してあげます。

家の中ではイスやベッドの上、外であれば車いすなどに座る時に体とイスやベッドの隙間をうめるように、クッションなど置くだけでもずいぶん違いますね。

ここで、オススメの腰痛予防グッズをご紹介します!
イスの上でもベッドの上でも使えます。

<参考価格>13,750円
引用:「楽天市場 オリバックチェア」https://item.rakuten.co.jp/flaner/10014424/

座ることで心肺機能や噛む力・飲み込む力の向上につながります。
また、床ずれの予防にもなりおすすめです。

栄養をしっかりとる

消化機能の低下や噛む力・飲み込む力の衰えなど様々な理由から、食欲が低下することが高齢者にはあります。

慢性的に栄養が不足することを「低栄養」といい、いろいろな症状を引き起こすものです。

体重が減少することによって皮膚が炎症しやすくなったり、転倒しやすくなったりします。

カルシウム不足となり、骨がもろくなって骨折しやすくなり、ビタミン不足で免疫力が落ちることもあります。

こうならないために、食事の工夫をしてみるのはどうでしょう。
食べたいと思えるようにするのです。

1つは、家族団らんで楽しい雰囲気で食事をするのもいいですよね。

他には、飲み込むのがつらいようなら調理の際に工夫して、すりつぶしたり、細かく切ったりしてみてください。

低栄養には、いろんな種類の食品をバランス良く、取り入れることが大切です。

口腔内のケアを行い、噛む力を衰えさせない

噛むことによって脳に刺激を与え、認知症の予防になります。
そして、噛む力を維持するには、口腔内のケアが必要です。

東京都老人総合研究所が65~84歳の高齢者を調べたところ、噛む力がしっかりある人は片足立ちをできる時間が長いというおもしろい調査結果があります。

つまり、噛む力が強い高齢者は転倒しにくいということですね。
転倒したことがキッカケで寝たきりになってしまったという話はよく聞きます。
ぜひ、健康な歯をキープして噛む力を衰えないようにしたいですね。

適度な運動をする

寝たきりの防止には筋力の維持がポイントです。

無理のない程度に腰痛体操などのストレッチをしたり、外に気分転換もかねて散歩に行ったりして少しでも体を動かしてください。
1日にかならず1回はストレッチをする時間を決めて、習慣になるといいですね。

ストレッチは硬くなった筋肉をほぐす他にも、心拍数をあげて血流をよくするという効果もあります。

難しいことをする必要はありません。
具体的には、膝の曲げ伸ばしやバンザイの体勢で伸びをして、背伸びのようにかかとの上げ下げだけでもいいのです。
痛(イタ)気持ちいいなぁと思える動作で問題ありません。

人と会う機会を作る

”病は気から”と言いますよね。
心が元気でなければ、身体的にも衰えてきます。

人と会って話すことがないと脳は刺激されず、認知機能が低下したり免疫力が落ちたりします。

そうならないために、人と話す機会を作ってください。

ご家族の方が積極的に話しかけることが一番ですが、他にもデイサービスなどを利用して家族以外にも交流の場を設けるといいです。
家から出ると気分も変わります。

周りの人の温かい協力で寝たきりの予防

この記事のまとめです。
・腰痛は人間特有の症状
・腰痛の原因は高齢者に多い疾患があり、その中には早急に治療しないと命に関わる疾患もある
・寝たきりにならないための予防策がある

高齢者に多い腰痛の原因や寝たきりにならないための予防策をお話してきました。

腰痛の原因には、やはり年齢を重ねることで起こるものが多いですが、疾患による、放置すると命に関わることもあります。

本人はもちろんですが、家族の方もぜひ注意していただき、加齢によるものか、疾患によるものかを考えていただきたいと思います。
必要であれば早急に受診してください。

寝たきりにならないためには、ご家族や周りの人の協力が必要です。
でも、あまりこれもしなきゃ、あれもしなきゃと思わず、みんなが楽しく食事したり、会話したりすることを考えてください。
その中でできそうなことからしてみてはいかがでしょうか?

ご家族でよく話し合ってみてくださいね。

参考:日本整形外科学会

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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