腰痛の正しい知識を得よう

腰痛は、全国に2800万人も患者がいると言われる国民病です。しかし、ひとえに「腰痛」と言ってもその原因や症状はさまざまで、腰痛について正しい知識を得ることが腰痛改善の第一歩です。

今回は腰痛の分類や予防・対策を紹介します。あなたの腰痛について理解を深め、少しでも痛みが和らぐように対策を立てましょう!

急性腰痛と慢性腰痛

腰痛はその原因や症状、持続期間から「急性腰痛」と「慢性腰痛」に分けられます。
まずはあなたの腰痛が急性腰痛なのか、慢性腰痛なのか考えてみましょう。

急性腰痛

急性腰痛とは、腰の関節の捻挫や筋の損傷、筋膜の炎症などにより腰に急激に強い痛みが走ることを指します。通常、安静により痛みは4週間以内に治まりますが、激しい痛みが持続する場合は骨折や内臓や脊椎の病気などが隠されている場合もあるので、医療機関を受診する必要があります。

慢性腰痛

一方、慢性腰痛とは痛みが3ヶ月以上続く腰痛を指します。慢性腰痛はいつから痛み始めたのかきっかけが分かりづらく、鈍い痛みがだらだらと続き、完治しにくいとされています。
また、慢性腰痛の重要な所見として、その原因が腰にはない場合が多いのです。
「腰に異常がないのに痛い」、「腰の異常は治ったのに痛みが続く」というのが慢性腰痛の特徴で、不安やストレスといった精神的な要因が腰痛を引き起こし、また悪化させているのです。
仕事のプレッシャーがかかると腰の痛みが強くなる、友達と楽しく話しているときは痛みを忘れているといった経験がある方は、この慢性腰痛かもしれません。
痛みの原因が腰にないため、マッサージなどをしても治ることはなく、痛みに対する考え方を修正し、ストレスの原因を取り除いていくことが重要になります。

特異的腰痛と非特異的腰痛

その他に、腰痛は痛みの原因が特定できる「特異的腰痛」と、原因がはっきりしない「非特異的腰痛」に分けることができます。そして、なんと原因がはっきりしない非特異的腰痛が腰痛の約85%を占めるとされています。それでは次に、あなたの腰痛は特異的腰痛なのか、非特異的腰痛なのかみていきましょう。

特異的腰痛

レントゲンやCT・MRIといった検査で診断が可能なものが特異的腰痛です。特異的腰痛の代表的な疾患である腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症について解説します。

腰椎椎間板ヘルニア

腰の骨を支えるクッションの役割を果たしている椎間板が弾力性を失い、外に飛び出して神経を刺激して痛みが生じます。

腰部脊柱管狭窄症

腰の骨の老化に伴い、神経や脊髄の通り道である脊柱管が狭くなる病気です。この病気では、脊柱管が狭くなることによって内部の神経や脊髄が圧迫され、腰痛や足の痛みやしびれなどさまざまな症状が現れます。

「座骨神経痛」と呼ばれる、お尻から足にかけてのビリビリとした痛みやしびれは、この腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症が原因である可能性が高いです。

非特異的腰痛

レントゲンなどの画像診断で、原因を特定することが難しい腰痛です。非特異的腰痛を代表するぎっくり腰と筋・筋膜性腰痛症について解説します。

ぎっくり腰(腰椎捻挫)

ぎっくり腰は正式な病名ではなく、「腰椎捻挫」や「急性腰痛症」と診断されます。何か物を持ち上げようとしたときや、腰をねじるなどの動作をしたときなどに起こることが多いですが、朝起きた直後や何もしないで起こることもあります。痛みの原因はさまざまで、腰の関節や椎間板、筋や靭帯などの損傷が多いと考えられています。

筋・筋膜性腰痛

長年の姿勢不良や仕事、生活習慣により腰の筋に負担がかかり、筋が傷ついたり、血流が悪くなったりすことによって腰痛が現れます。非特異的腰痛の中でも、筋やそれを包む筋膜が原因の筋・筋膜性腰痛の割合が最も高いとされています。

腰痛を悪化させやすい生活習慣

それでは、実際に腰痛を予防・改善させるためには何をすれば良いのでしょうか?
まずは、下のチェックリストで自分が当てはまるものがあるか、みてみましょう。

「腰痛」チェックリスト

□ 重い物を持ち上げたり、前かがみになったりする動作が頻繁にある
□ 椅子に座った時につい足を組んでしまう
□ 床に座ると、いつも決まった方に横座りをする
□ 片足に重心をかけて立つ
□ 前のめりの姿勢でスマホを操作する
□ 寝転んでテレビを見る
□ 人間関係のストレスが強い
□ 仕事の満足度が低く、やりがいを感じない
□ 不安が強く、落ち込みやすい

これらは全て腰痛を悪化させる要因です。
1つでもチェックが入った方は、腰痛を悪化させないために、できる範囲で生活習慣の改善やストレスの軽減に努めましょう。

腰痛対策

腰痛の対策はその分類によってさまざまですが、今回は慢性腰痛の、非特異的腰痛に当てはまる方に向けた対策をご紹介します。

姿勢の改善

座り姿勢

椅子に深く腰掛け、背筋を真っすぐ伸ばします。床に横座りをするときは、できるだけ頻繁に左右を交代させましょう。

立ち姿勢

天井から吊るされるような姿勢を意識して、背筋を伸ばします。また、左右均等に体重をかけることを心がけましょう。左右どちらかに体重をかけた方が楽な場合は、片方に偏ることなく、左右を入れ替えましょう。

荷物の持ち上げ方

あまり重い物を持ち上げることは避けましょう。どうしても必要であれば、必ず腰を下ろしてどちらか一方の膝を床につきます。それから全身の力を使ってゆっくり持ち上げます。

運動・ストレッチ

ドローイン

「コルセット筋」とも呼ばれる腹横筋のトレーニングです。腰痛予防やウエスト引き締め効果があるとされています。
① 膝を曲げた状態で仰向けになる。
② 両指を骨盤の骨の出たところから指2~3本分、足側のところに指を置く。
③ 息を吐きながら、へそを背中にくっつけるイメージでお腹をへこませる。
④ 腹式呼吸で息を吐ききった時に元に戻す。
※ これを5~10回繰り返します。

腰痛体操(これだけ体操)

東京大学医学部付属病院22世紀医療センターでは、非特異的腰痛の原因として多くみられる、椎間板の中にある髄核のずれを治す「これだけ体操」が推奨されています。短時間でできる体操ですので、ぜひ試してみてください。

まとめ

腰痛の分類や原因、対策について紹介しました。
腰痛対策については、とても簡単な運動や体操で腰痛悪化の予防が可能になります。
良い姿勢を意識し、毎日少しずつの運動を継続して国民病である腰痛の悪化を防ぎましょう。しかし眠れないほどの痛みや、軽い運動で痛みが悪化する場合は重い病気が隠れている可能性があるので、必ず医療機関を受診するようにしましょう。

【参考文献】
1) 東京大学医学部付属病院22世紀医療センター運動器メディカルリサーチ&マネジメント講座.これだけ体操https://lbp4u.com/koredake/

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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