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「腰痛」と「ストレス」は一見何の関係性もなさそうですが、実は深く関わりあっていることをご存じでしょうか?
実際、腰痛の原因のほとんどは日常のストレスだと言われており、日頃から慢性的な腰痛に悩まされている方は非常に多いようです。

本記事では、ストレスが腰痛を引き起こすメカニズムや具体的な症状、さらに上手な改善メソッドまで詳しく解説します。
原因と対処法を知ることで、腰痛を気にすることのない快適な暮らしを手に入れることができますので、「慢性的な腰痛に悩まされてつらい」という方はぜひ参考にしてください!

腰痛の8割以上は原因不明!?イライラが腰痛を引き起こすことも

20代の若者から高齢者まで、多くの現代人を悩ませる腰痛。
厚生労働省が行った調査によると、なんとその8割以上は原因不明だと言われています。

腰痛の症状は大きく分けて2種類

腰痛は大きく分けて「器質的要因による腰痛」と「非特異的腰痛」の2種類に分けられます。

「器質的要因による腰痛」とは、例えば椎間板ヘルニアのように骨や筋肉に異常があることで引き起こされる腰痛のことです。
医者を受診すれば、X線検査などで原因を特定できますが、腰痛全体のうち「器質的要因による腰痛」に当てはまるのはわずか2割以下と言われています。

一方の「非特異的腰痛」とは、原因が特定できない腰痛のことを指します。
体に異常があるわけではないので、医者を受診しても原因を特定できません。そして現代においては、この「非特異的腰痛」が全体のなんと8割を超えているのです。

ストレスが原因の慢性的腰痛とは

かつては腰痛の原因として加齢が挙げられることが一般的でしたが、最近の研究結果では、原因不明の腰痛の原因が「ストレス」であることが分かってきました。
実際、腰周辺に異常がないにも関わらず、腰痛が3ヵ月以上続く「慢性的腰痛」を発症する人は非常に増えています。「特に心当たりがないのに、最近腰が痛むようになった」という方は、まずはこの慢性的腰痛を疑ってみてください。
ストレスは日常生活の中で蓄積されていくものなので、なかなか自覚症状が出づらいというのも事実です。
精神的状態として以下のような症状がある方は特に注意してください。

・ふとした時にゆううつな気分になる
・ささいなことでイライラすることが多い
・怒りや悲しみをうまくコントロールできない
・食事の時間になっても食欲が湧かない
・夜あまり寝つけない
・朝起きても気持ちが晴れない
・急に泣きたくなる時がある

ストレスが腰痛の原因となるメカニズム

「腰痛」と「ストレス」は一見何の関係もなさそうですが、脳を通して両者は深く関係しています。
まずはストレスが慢性的腰痛を引き起こす仕組みを解明していきましょう。

腰痛とストレスの因果関係は脳にあり

人間の脳には、痛みをコントロールするための「ドーパミンシステム」というものが備わっています。
体のどこかに痛みが発生した場合、脳内にドーパミンが放出され、脳への痛み信号を抑制できるのです。
しかし長いことストレスにさらされていると、痛みを感じてもドーパミンが放出されないだけでなく、神経のバランスを保つ「セロトニン」という物質も分泌されづらくなります。これにより、わずかな痛みでも強く感じてしまったり、痛みがなかなか取れずに長期化してしまったりする傾向に陥りやすくなります。

ストレスによる慢性的腰痛の具体的症状

ストレスにとって慢性的腰痛が起きる場合、症状として現れるのは単なる腰痛に留まりません。
以下のような症状に当てはまるものがないか、まずはチェックしてみてください。

・どうき・息切れ
・下痢・便秘・吐き気
・手足のしびれ
・頭痛
・背中の張り
・強烈な肩凝り

ストレスによる慢性的腰痛は、体だけではなく内臓器官や神経に影響するのも特徴の一つです。
結果として体全体の不調やだるさなどの自律神経失調症につながってしまうので、重症化する前にストレス性腰痛の対策を練ることが大切です。

ストレスが原因の腰痛が慢性化しやすい理由

ストレスによって生じる慢性的腰痛の厄介なところは、負のサイクルに陥ってしまい、いつまでたっても改善できないということです。
ストレスにより腰痛を発症すると、人によっては「さらに悪化するのではないか」、「このまま治らないのではないか」といった不安を抱えてしまいます。こうした不安はさらなるストレスを生み出し、慢性的腰痛を悪化させてしまうのです。
また、腰痛に対する恐怖心のあまり、コルセットなどを使用して腰をかばう方も多いのですが、実はこれもNGです。腰周辺の柔軟性がなくなってしまうことでかえって体の痛みを生み、腰痛が治りにくくなる要因となります。
こうした思考は医学界で「恐怖回避思考」と呼ばれますが、過度に心配すると日常生活や仕事におけるパフォーマンスも低下してしまいます。「あまり気にし過ぎず、いつもどおりに振る舞うこと」、「悪循環をスパっと断ち切ること」の2点を意識してみましょう。

ストレスによる慢性的腰痛の治し方

慢性的腰痛の悪循環を断ち切るためには、生活習慣を改善する以外に方法はありません。
以下に具体的な方法を2つご紹介しますので、可能なものはぜひ日常生活に取り入れてみてください。

トレーニングする

腰痛を改善するには、まずウォーキングやストレッチといったトレーニングの実践がおすすめです。
運動によって体全体の筋肉がほぐれるだけでなく、精神的ストレスも必然的に緩和されます。

腰周りを鍛えたい方は、腹筋と背筋を意識した筋力トレーニングを取り入れてみましょう。
腹筋と背筋の2つを鍛えるだけで体全体を楽に支えられるようになり、腰への負担も軽減されます。

同じく体幹を意識したトレーニングを取り入れるのも効果的でしょう。

ただし、間違った知識で鍛えてしまうと思わぬ形でけがをしてしまうこともありますので、自己流のトレーニングは控えてください。
正しい知識に基づいて、無理せずに少しずつ鍛えていくことが大切です。

ストレスを減らす

根本的な解決策として、ストレスを減らすことも効果的です。
忙しい日常生活においてはなかなか難しいことかもしれませんが、心のケアをするだけでも腰痛は十分に改善される可能性があります。
具体的には、美味しいものを食べてゆっくりご飯を楽しむ。アロマオイルの香りでリラックスしながら、睡眠時間を長くとる。家族や友達、恋人など好きな人とゆっくり話をする。などなど
誰かに話すことでストレスが軽くなるという方は、身近な人に日頃の悩みを相談してみるのも良いでしょう。
腰痛のことはもちろん、仕事などの悩みについても深く考えすぎず、良い意味で「気楽」に日々を過ごすことを意識してみてください。

正しいトレーニングに基づいて、ストレス性腰痛を解消しよう!

ストレスによる慢性的腰痛を改善するには、
「あまり気にし過ぎず、いつもどおりに振る舞うこと」、「悪循環をスパっと断ち切ること」の2点が大切です。
腰痛を不安に思えば思うほど腰痛は深刻化していってしまうので、まずは楽観的に考え、正しいトレーニングを取り入れることで生活習慣を改善してください。

生活習慣を改善できれば腰痛が治ることでしょう。そして腰痛が治れば前向きでポジティブな気持ちが手に入ります。
慢性的腰痛を上手に断ち切り、満足度の高い暮らしを手に入れましょう!

◆参考資料
https://kokoro.mhlw.go.jp/column/body001/
https://heisei-ikai.or.jp/column/back-pain-stress/
http://www.shaho-net.co.jp/healthup4/winter/
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_512.html
http://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2015/004463.php

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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