「スマホを見る姿勢によって腰痛が引き起こされているかもしれない」そんなふうに、言われても、すぐにはご理解いただけないかもしれません。しかしながら、地球に住んでいる私たちは、常に地球の中心に引っ張られる力である重力の影響を受け続けていることから、スマホを見ている姿勢によって腰痛がおこる可能性があります。

 例えば、スマホを使って好きな映画を見たり、ゲームをしたりと楽しい時間を過ごしたのちに、腰に違和感があったり、腰が痛いと感じることがあるかもしれません。
 
 今回、そんなスマホを見る姿勢によっておこる腰痛の3つの原因と腰痛を避けるための3つの方法についてお伝えしていきます。

スマホを見る姿勢によっておこる腰痛の3つの原因について

骨盤の傾きと背骨の形

 椅子に座ってスマホを見る姿勢を横から観察していると想定して考えてみましょう。 スマホの画面に集中していくと次第に姿勢が崩れてくることがあるのではないでしょうか?

 例えば、座面上の骨盤は後ろに倒れ、背中は背もたれにもたれた状態になっていると、腰やお尻などの下半身は椅子の後ろ側に残されたまま、頭や頸、胸や両肩は前に移動して前後でバランスをとる姿勢になることが予想されます。

 一見、楽な姿勢でスマホを操作しているように見えるかもしれませんが、スマホを操作する両手や上半身を支えるために腰や背中まわりの筋肉は伸ばされ続けて硬くなり、疲労がたまっていきます。

 また、テーブルの上に片側の肘をついて体を傾けていたり、足を組んで座ったりといった日々の姿勢の癖によって体が捻じれて腰痛が生じることもあるでしょう。実は、こういった日々の姿勢の癖によって腰に大きな負担がかかり、腰痛がおこる可能性が高くなっていきます。

頭の重さや傾き

 頭の重さは、体重の約10%ほどです。例えば体重が50㎏の方であれば5㎏であり、ボーリングの玉の重さほどもあるのです。また、頭の傾きが15度傾くとその重さは2倍、さらに30度傾くと3倍にもなります。そんな重いものを体のてっぺんにのせているですから、頭の位置によって体全体や腰への影響が変化していきます。 

 それでは先程お伝えした、椅子に座っている姿勢を思い出してみましょう。

 座面上の骨盤が後ろに倒れ、背中が背もたれにもたれた状態で、頭や顎が前に突き出されているとします。このような状態であれば前に突き出された頭は非常に重く、その頭を支えるために背骨や腰骨、腰まわりの筋肉には大きなストレスがかかっています。

 その影響は、頭を直接支えている首や胸郭だけではなく、スマホに集中して頭の位置が前に動けば動くほど、その上半身を支え続けている腰への負担も大きくなります。

目の使い方

 実は目の使い方には2種類あります。1つは自分自身の体を含めた周囲を広く眺めるようにしてみる周辺視と、もう一つは、本を読んだりパソコンの画面を集中的に見る中心視があります。スマホを見る時の目の使い方は、後者の中心視です。

 先程お伝えしたように、頭はとても重く、その頭の前方に両目が付いています。スマホの画面の情報を詳細に見るために、両目のレンズを絞って目的とする情報を得ようとするでしょう。この時、両目を画面に集中させて使うために、頭や体全体を固定しようとする反応が見られます。そういった両目を画面に集中させる姿勢によって、徐々に体が硬くなり、頭や上半身を支え続けている腰に負担がかかって、腰痛が生じると考えられます。

スマホを見る時に腰痛を避ける3つの方法

体を真っすぐに立てること。

 椅子に座る姿勢においては、座面上の骨盤の位置が重要です。椅子に浅く座り、両膝を前に向けて両足裏で軽く床を踏んでおきます。そして骨盤を立てて背骨を真っすぐに伸ばしましょう。目の前に机があれば、両前腕を机の上に左右対称に置きます。その状態のまま、おへそをおなかの奥に引き込んで腹圧を高めて姿勢を安定させます。

 そうすると、姿勢全体が安定して背骨の真上に頭をのせることができ、頭の傾きも減少します。頭の傾きが減ることでより腰痛を避けることのできる姿勢に近づきます。

体を左右対称にすること。

 さらに頭を背骨の真上や体の真ん中に位置させていくことを目指しましょう。

 スマホの画面に集中しすぎてしまうと、今自分自身がどのような姿勢でスマホを見ているかということに意識が向きにくくなり、左右のどちらかに体幹が偏ったり、骨盤が側方にも傾いたりするかもしれません。そのため、左右対称な姿勢を作ることも重要です。

 座面上の骨盤を立てて背骨を伸ばせたら、おなかにぐっと力をいれて腹圧を高めます。そして、前に出ていた両肩を左右に広げ、両肩甲骨も背中の真ん中へと寄せながら胸を開きましょう。胸郭や両肩を開くことで、前に出ていた頭の位置も背骨の真上へと修正され、左右対称な姿勢となっていきます。

 背骨を伸ばし左右対称な姿勢をとることによって、脊柱起立筋群や腰背筋を左右均等に働かせてバランスのとれた姿勢を作って腰痛を防ぎましょう。

体の余分な力を抜くこと。

 やはり、長時間スマホの画面を見ていると体や腰は疲れてきます。そのため、目が疲れてきたり、首や肩が凝って腰に違和感があれば、体をリラックスさせる姿勢を取り入れてみましょう。椅子に座った状態で目の前に机があったなら、その机の上に大きなクッションをおきましょう、そしてその上に頭や両腕、上半身をもたれさせ、頭や体全体の力を抜いてリラックスさせます。
 
 先にお伝えしたように頭は重く、その傾きが大きくなることで腰に大きなストレスがかかります。そのため、首や肩がつらい、腰に違和感があるなどの自覚があったなら、一度机の上のクッションに頭や体をもたれさせて、腰の筋肉の疲労をとるリラクゼーション姿勢をとりいれてみましょう。体をいったん休ませることで、体の背面や腰背部の筋肉の疲労がとれて腰痛を防ぐことができます。

まとめ

 今回、スマホを見る姿勢からおこる腰痛の3つの原因と腰痛を避ける3つの方法についてお伝えしました。

1.スマホを見る姿勢によっておこる腰痛の3つの原因

1)骨盤の傾きと背骨の形
2)頭の重さや傾き
3)目の使い方

2.スマホを見る時に腰痛を避ける3つの方法

1)体を真っすぐに立てること。
2)体を左右対称にすること。
3)体の余分な力を抜くこと。

皆様いかがだったでしょうか?

 スマホを見る姿勢のように、毎日何気なく繰り返されている姿勢によって、腰痛がおこることがあります。しかしながら、今回お伝えした、スマホを見る姿勢によっておこる腰痛の3つの原因をご理解いただき、腰痛を避ける3つの方法を実践することで、腰痛を避けることはできると考えます。

 最初は、そういった方法を継続することが難しいと感じるかもしれませんが、少しずつ続けていくことで日々の習慣となっていきますし、また良い反応を感じられるようになるでしょう。ぜひ、皆様の健やかな毎日のために、実践してみてください。

【参考URL】
MISAKI SEKKEI|意外と重たい。頭の重さは体重の〇〇%

著者情報

腰痛メディア編集部

こんにちは。 腰痛で悩む多くの方に役立つ情報を毎日お届け。それぞれが違った痛みの場所・違った痛みの度合い・違った原因をお持ちです。 一人一人が自分の腰の状況(病態)を理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目標です。記事のご意見・ご感想お待ちしております♬

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