いまや私たちのライフスタイルには欠かせないものとなっている車。車は手軽に移動することができるのでとても便利ですよね。しかし、「車の運転をすると腰が痛むようになった」「腰痛のせいで車の運転がストレスだ」という人も多いのではないでしょうか。車の運転は座った状態でおこなえて、手足を大きく動かす必要もないので、身体的な負担があまりないように感じる人もいるかもしれません。しかし、車の運転には腰痛になりやすい要因がいくつも隠されています。腰痛が起こる原因を知り、しっかり対処することで、車の運転がぐっと楽になりますよ。

車を運転しているときに腰が痛くなるのはなぜ?

運転中に起こる腰痛は、おもに3つの要因によって引き起こされます。

長時間座っていることによる血行不良

どんな姿勢であっても、同じ姿勢を長時間続けることは血行不良の原因となり、疲労物質の蓄積へとつながります。さらに、疲労物質が蓄積され続けると、筋肉のこわばりや痛みが引き起こされます。そして、かたくこわばった筋肉は血管を圧迫し、血行不良をさらに加速させるため、疲労物質がどんどん蓄積され続けます。このように血行不良は悪循環をくり返し、痛みが続く要因となるのです。

また、車を運転するときは、ずっと座っていなければいけません。座っている状態は立っている状態と比べると足への負担は少ないですが、そのぶん腰への負担が大きくなり腰痛引き起こしやすくなります。

「長時間同じ姿勢を続ける」「座っている」車の運転は、この2つの要素が組み合わさるため、腰痛が起こりやすいのです。

姿勢の乱れ

運転中はまっすぐ前を向いていることが多く、できる動作には限りがあるので、姿勢の乱れを気にしたことがある人は少ないのではないでしょうか。しかし、運転中のちょっとした動作が無意識のうちに体をゆがませ、結果的に腰痛を引き起こす可能性があります。運転中にやってしまいがちなNG動作は次の2つです。

・アームレスト(肘置き)に左腕をおいて右手だけでハンドルを操作している
・左足をフットレストに置かずに、膝を曲げて座席のすぐ近くに置いている

これらの動作は一見楽に感じられますが、これらの動作をすることで体が左を向いてしまいます。この状態が長く続くと背骨や骨盤に負担がかかり、腰痛へとつながります。また、運転中の腰痛に悩んでいる人のなかには、左右の片側だけの痛みを訴える人がいますが、それも体へかかる負荷が左右均等ではないことが原因となって引き起こされています。

車の振動

運転中は車体がゆれているため、体もつねに振動にさらされています。全身が振動することは腰への大きな負担となり、腰痛が引き起こされる原因となります。乗用車ではあまり気になることはないかもしれませんが、トラックなどでは振動が大きく、腰への負担も大きくなっています。

腰痛の対処法

車の運転による腰痛を防ぐにためには、まず正しい座り方(ドライビングポジション)を知ることが大切です。自己流の「楽な姿勢」と「正しい姿勢」は異なっているため、一度確認してみることをおすすめします。
正しい姿勢とは
正しい姿勢で座るために意識することは「座席と体がふれる面積を大きくすること」です。座席と体がふれる面積が大きくなることで、腰に集中していた負荷を分散させることができ、腰痛の予防や改善へとつながります。正しい座り方について具体的に解説していきます。

座席の位置

まずは、お尻から太ももができるだけ座面にのるように、座席に深く座ります。つぎに、左足がフットレストに届くように座席の位置を調節します。このとき、右足でブレーキペダルを深く踏みこんでも膝が伸びきらないか、逆に座席が前すぎて動きにくくないかも確認しましょう。

背もたれの角度

ハンドルを両手でにぎり、回したときに肘が伸びきらないように背もたれの角度を調節します。ヘッドレストは頭と背中が浮かない位置になるように調節します。
足を置く位置
左足はフットレストにのせておきます。右足はかかとを床につけた状態で、アクセルとブレーキの両方が無理なく踏める位置に置きます。運転中にアクセルとブレーキを踏みかえるときは、床につけたかかとを軸にして、つま先だけを左右にかたむけて踏みかえるのが理想的です。そうすることで、重い足を持ち上げる必要がなくなり、腰への負担をより減らすことができます。

疲労物質をためこまないために

座り方にどれだけ気をつけていても、同じ姿勢を続けていればどうしても血行不良になりやすく、疲労物質の蓄積はさけられません。疲労物質を溜めこみすぎて血行不良の悪循環が始まる前に、適切に対処することが大切です。
こまめに休憩をとる
すでに実践している人も多いかもしれませんが、疲労物質の蓄積を防ぐためには、やはりこまめに休憩をとることが大切です。疲労物質をためこんでしまうと、血行不良が悪化してそのぶん回復するのに時間がかかってしまいます。運転中は1時間に1回を目安に、こまめに休憩をとることを意識しましょう。

ストレッチをする

休憩するときは、同時にストレッチもおこなうと疲労回復や腰痛予防により効果的です。ストレッチをすることによって、こりかたまった筋肉をほぐすことができ、血行不良の改善や疲労回復につながります。サービスエリアや駐車場などでもできる、簡単なストレッチを紹介します。
・太もものストレッチ
車の運転①0422

1.車体や壁などに手をついてかるく体を支えながら立つ
2.足首をうしろに持ちあげる
3.太ももの前側が伸びていることを意識しながら20秒ほどキープする
4.左右を入れかえながら数回くり返す

・上半身のストレッチ
車の運転③0422
1.車体や壁から少し離れた位置に立ち両手をつく
2.お尻を突き出すようなイメージで上半身を下げていく
3.肩や背中が伸びていることを意識しながら20秒ほどキープする

水分補給

水分補給は、腰痛とはあまり関係がないように思われがちですが、疲労物質の代謝に大きく関係しています。こまめに水分補給をおこなうことで、疲労物質が代謝されやすくなり、結果的に腰痛予防につながります。休憩するごとに、こまめに水分を摂取するように心がけましょう。

腰痛対策グッズを使う

車の振動に悩んでいる人や、座り方を改善しても座席が体にぴったりフィットしない人は、腰痛対策グッズを使うのがおすすめです。いろいろな腰痛対策グッズが販売されていますが、どのアイテムが適しているかは人によって異なるので、できれば店舗で実際に試してみてから購入するのがおすすめです。

まとめ

車を運転する頻度が高い人にとって、腰痛は心身ともに大きなストレスとなりますよね。とくに、仕事として長距離の運転をしなければいけない人にとっては、死活問題ともなりえます。一度腰痛をわずらってしまうとなかなか治らなかったり、何度もくり返したりと、腰痛との戦いは長期戦になりがちです。しかし、腰痛は治らないものではありません。運転中の姿勢の改善やストレッチなど、自分にできそうな対策をひとつずつ実践してみましょう。

参考サイト
運送業務で働く人のための腰痛予防のポイントとエクササイズ|厚生労働省
えっ?腰痛の原因はAT車の運転だった!?|cliccar.com
筋肉疲労による血行不良タイプ|慢性的な腰痛|原因チェック|ナボリン倶楽部

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著者情報

腰痛メディア編集部
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