ゴルフと腰痛の関係性

 紳士な趣味として人気の高い「ゴルフ」ですが、ゴルフをプレイしている途中に腰痛を感じたことのある方は非常に多いです。プロゴルファーとして名高い、「石川遼選手」も長年の腰痛に苦しんでいたという有名な話もありますね。
 健康維持のために取り組んでいるゴルフから、プロゴルファーを目指す高校生ゴルフ部、趣味や接待で始めたゴルフなど、熱の入れ方は様々だと思いますが、本記事ではゴルフと腰痛の関係性をどの方にもわかりやすく解説していくことに努めたいです。

ゴルフのこの動きに腰痛の原因があった!?

 ゴルフにはそのスポーツ特有の特殊なフォームや動きがあります。5時間から6時間のコースラウンドでは腰部に負担をかけてしまう動作も多く、やみくもにプレイするのは注意が必要です。自分のどの動作に腰痛の原因があるのか、どこを改善すればよいのかなどを発見するために知識として覚えておきましょう。

(1)スゥイング
 腰をひねる動きのある、スウィングはほとんどの方の場合、左右一方方向の構えとスウィングをしています。一方方向に腰をひねり回転させるという動作は身体や骨盤のバランスを崩すことにつながってしまいます。

(2)ボールを拾う動作
 盲点となりがちなのが、ゴルフボールを何度も拾う動作をすることです。しゃがんで起きるという動作は、腰への負担が強い動作のひとつです。特に普段から「猫背」と指摘されたことのある方は、要注意です。

(3)突発的な動作
 ゴルフというスポーツは、常に動いている他の球技とは大きく異なり、自分の順番を待ってボールを打つ競技です。そのため待ち時間に身体が冷えてしまったり、筋肉が固まってしまったりということが発生します。その状態でフルスウィングなど突発的な動作をするので、腰部に強い負担がかかってしまいます。

(4)コートの広さ・歩行
 基本的にはボールを打った後にカートに乗って移動する方が大半かと思いますが、歩行時に腰痛がない方は歩いて移動したほうが、身体が冷えないため、先述したような突発的な動作は回避できます。しかし、歩行時にも腰痛がある場合には、カートを利用したり、歩いたり、自分の身体と相談しながら対応していくのが良さそうです。

(5)重たい道具やゴルフバッグ(キャディバッグ)
 ゴルフは荷物の重さが課題です。コース巡回中は自分で運ぶことはないものの、生き返りや準備の段階では自身で運ぶ方がほとんどですよね。ゴルフバッグの重さ自体は大体3~5㎏ですが、そこにクラブ一式が加わると10kg以上になることも珍しくありません。そのゴルフバッグを持ち運びだけでも腰に負担がかかりますが、どちらかの肩に偏ってかけてしまっていると、腰に負担をかけるだけでなく、身体のバランスや骨盤のゆがみが発生し、腰痛を増強させる可能性が非常に強いです。

ゴルファーに多い腰痛が主訴の疾患名は?

 ゴルファーの腰痛には変形性脊椎円、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊椎管狭窄症などの診断を受ける方が多いです。ほかのスポーツで受傷と比較するとやはり腰痛の発症率は多いです。通常では、レントゲンなどの画像診断で確定診断され、重症度に応じては薬部療法だけでなく、手術療法などが必要な可能性もあります。
ゴルフのストレス②0420

腰痛があるときの対応

 実際に腰痛が発生してしまった際の対応について説明していきます。

(1)まずは安静第一にしよう
 腰痛があるときには、無理にゴルフに参加しないようにしましょう。腰痛があるときに参加すると、腰痛の悪化はもちろん、日常生活にも影響が出ることも予想されます。安静にし、必要があれば病院受診します。先輩からの誘いや接待など断りにくいゴルフも割り切って断ることが大切です。

(2)腰痛を解消しよう
 腰痛を解消するためには鎮痛薬の内服や、外用薬の貼付などが効果的です。腰痛があるときは整形外科の受診が一般的です。ゴルフが原因と明らかにわかる場合や(ゴルフ中に腰痛が発生したなど)、ゴルフ選手としてどうしても早期復帰したい方などはスポーツ整形外科やスポーツ外傷外来などに受診することも有効です。腰痛が発症していると、日常生活でもストレスになりますので、我慢せず対処しましょう。疼痛コントロールだけでは根本的な治療にはならないので、受診時に腰痛の原因を解明できるように医師に相談しましょう。

(3)フォームを整えよう
 ゴルフ中に腰痛が発生してしまう方は、スウィングフォームやボールを拾う動作などで、姿勢が悪い場合が多く見受けられます。正しいフォームでスウィングできるようにクセをつけましょう。また、自分でのフォーム矯正が難しいときは、今一度ゴルフ教室などで指導してもらうのが効果的です。ゴルフは左右偏った運動になってしまいがちなので、スウィングした後には反対側に腰をひねるなどのストレッチも欠かせません。
ゴルフボールを拾うときに腰痛が増強する方は、前傾姿勢になりすぎている可能性があります。背筋を伸ばす、腰を落としてボールを拾うなどの対策をしてみてください。
姿勢の矯正は長期的なトレーニングになりますが、根本治療のひとつとも言えますので実践してみてください。

予防策

 腰痛が起こらないためにできることや、腰痛を悪化させないためにできることを紹介していきます。
ゴルフのストレス③0420
(1)身体をあたためる
 ゴルフをプレイする前に、ストレッチを取り入れましょう。特に腰部周囲の筋肉は入念にほぐすことが必要です。事前のストレッチは腰痛以外のトラブルにも効果的です。特に寒い時期は入念に行うようにしましょう。

(2)スポーツ用腰痛ベルトを装着してみよう
 スポーツ専用の腰痛ベルトが販売されています。腰をしっかりベルトで保持することで、ゴルフの「ひねり」動作での腰部への負担を軽減する効果があります。インターネットやドラッグストアで販売されているので、使用してみてください。現段階で腰痛がある方は医師に相談してから使用するようにしましょう。

(3)合間に運動を取り入れよう
 順番待ちをしているときは静止していることが多いと思います。その間にストレッチを行ったり、歩行をしてみたりすることが大切です。軽い運動でいいので、動き続けていることを意識してください。

(4)整体、マッサージ、理学療法の導入を
 ゴルフはプレイ後のメンテナンスも大切です。特に下肢筋肉や腰部を酷使しているので、マッサージを入念に行いましょう。整体に通ったり、リハビリテーション外来やリハビリテーションクリニックなどで理学療法士の手技療法を受けたりするのも腰痛の予防につながります。

(5)筋力アップを試みよう
 筋肉量をただ増加させるのではなくゴルフに必要な、腹横筋や骨盤筋などを左右均等に鍛えられるようなトレーニングがおすすめです。様々なトレーニング法がありますのでリサーチしてみてください。

まとめ

 ゴルフは世代を問わず人気なスポーツのひとつです。ゴルフ腰痛の原因や解決策に対して新しい知識を本記事で発見できていれば幸いです。細分化すると、ゴルフの腰痛は「動き始めが痛い」、「コース後半に徐々に痛くなる」と症状は様々です。どんな腰痛でも改善策や予防策には共通するものがありますので、実践してみてください。中には疾患が隠れた腰痛もあるので、軽視せずに受診・治療するなど、対応することをオススメします。腰痛を解消・改善させてより充実した生活を手に入れ、ゴルフを長年の趣味にしましょう。

【参考文献】
著 加藤 光寶『運動器 成人看護学』[系統看護学講座 ]出版社 医学書院, 発行年 2014
著 坂井建雄 / 岡田隆夫『解剖整理学』[系統看護学講座 ]医学書院, 発行年2014
著 田口 舞子『女性のためのゴルフスタートBOOK―ゼロからコースデビューを目指す!』出版社 ナツメ社, 発行年 2015
URL: https://www.joa.or.jp/index.html(公益財団法人 日本整形外科学会)
URL: http://www.jossm.or.jp/(日本整形外科スポーツ医学会)
URL: http://www.jga.or.jp/jga/jsp/index.html(日本ゴルフ協会)
URL:http://www.sports-injury.jp/pdf/17_30.pdf(スポーツ選手における腰痛予防対策)

著者情報

腰痛メディア編集部

こんにちは。 腰痛で悩む多くの方に役立つ情報を毎日お届け。それぞれが違った痛みの場所・違った痛みの度合い・違った原因をお持ちです。 一人一人が自分の腰の状況(病態)を理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目標です。記事のご意見・ご感想お待ちしております♬

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