朝起きたら、また腰の痛みが…。日常の動作が不便になった…。
気づいたらもう何時間またスマホを見てしまった…。

みなさんは、こんな経験をしたことはありませんか?
この関係がなさそうな2つの経験。
実はスマホと腰痛は意外と関係している可能性があります。
近年よく耳にするスマホ症候群は一般的にスマホを長時間使用することにより生じる肩こりや首の凝り、眼精疲労、視力低下などの総称です。
これだけの症状をみているとスマホと腰痛って本当に関係があるの?と思う人もいると思います。

しかし、原因と対処法を正しく理解していないと、私たちの健康を害するだけではなく、今後の生活にまで影響してしまいます。
そこで今回は「スマホと腰痛の意外な関係とは?対処法のポイントは姿勢!!」というテーマで説明していきます。

実は解明しきれていない「腰痛」

ミドル・シニア世代のみならず20歳以下の若者にとっても身近な「腰痛」。
日本整形外科学会の調査によると日本で腰痛に悩んでいる人は約2800万人いると言われています。また、日本人が抱える自覚症状で最も多いのが「腰痛」と言われており、腰痛は国民病と言っても過言ではありません。

もはや国民病とも言える腰痛ですが、実は解明されていないところも多くあります。原因が特定できる腰痛は全体の15%程度であり、全体の85%程度は原因が特定できない非特異的腰痛と言われています。

(1)原因が特定できる腰痛
神経や骨、内臓に病気がある場合でMRIなどの検査から原因が特定されます。
腰痛の全体の10%が神経障害によるもの、2%が内蔵の病気によるもの、1%が重い脊椎の病気です。原因が特定できる腰痛は全体の15%程度しかありません。
腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア、腰椎圧迫骨折、坐骨神経痛などの病気がこの分類に該当します。手術や治療を要するかもしれません。

(2)原因不明である腰痛
一般的に「腰痛」と言うときはこの場合を指します。筋性腰痛、椎間関節性腰痛、椎間板性腰痛などが該当します。原因の特定ができないため、痛みを取るという対症療法がとられます。
この原因不明である腰痛はさらに4つのタイプに分類されます。

タイプ 特徴
・筋性腰痛    筋肉痛の状態。肉体労働で筋肉を酷使する人やデスクワークで長時間同じ姿勢を続ける人にみられる。
・椎間板性腰痛    椎間板に問題がある。猫背の人やデスクワークで前かがみになりがちな人にみられる。
・椎間関節性腰痛   腹筋が弱いためために反り気味の姿勢のときに起きる。女性に多い。
・仙腸関節性腰痛   仙骨の付け根の歪みや炎症が原因で起きる。産後の女性に多い。

この4つのタイプに分類されます。
スマホをよく使用することにより起こる腰痛は2番目の「椎間板性腰痛」に該当します。
次はこの腰痛はなぜ起こるのか説明していきます。

椎間板性腰痛はなぜ起こるのか?

では、なぜこの椎間板性腰痛は起こるのでしょうか?

この椎間板性腰痛は椎間板に問題があり、猫背の人やデスクワークで前かがみになりがちな人にみられるという特徴があります。
スマホを見ているとき、よく前かがみの姿勢になっていることがあると思います。

このよくやってしまう姿勢が「腰痛」を引き起こしてしまいます。

立っているときに腰にかかる負担を100%とすると、座位では140%、立って前かがみでは150%に負担が増し、さらには座って前かがみになると185%へ増大します。

スマホを見ているときによくなる姿勢の腰への負担はかなり大きいことが分かります。
この座って前かがみという姿勢を要時間続けることで、特に背中の筋肉のこりを生む原因になってしまい、この筋肉のこりが血行不良につながるため、結果的に腰痛を引き起こすという悪循環に陥ってしまいます。

この悪循環を断ち切らなければ腰痛の症状が続き、日常生活にも支障をきたす可能性があります。
しかし、適切な対処方法を知っておくだけで、今後の日常生活の改善も見込めるかもしれません。

では、次にこの腰痛への対処法を4つ説明します。

4つの対処法について

対処法としてはスマホを見ない、立ったまま手を並行に挙げてスマホを見るということが1番の対処法かもしれません。
しかし、今では生活の必需品として使用頻度は高く、スマホを見ないという対処法は非現実的です。

実現可能な対処法を説明します。

そもそも、腰痛への対処法は2つあります。
1つは筋肉をほぐして柔軟性を増し血行を良くするためにストレッチを行うことと、もう1つは筋肉を鍛えて強くするための筋トレを行うことです。
この2つを行うことで、腰痛の改善を見込める可能性があります。
どちらも毎日継続することが大切となってきます。

そこで、ここでは4つの対処法を説明します。
(1)太ももの前面を伸ばすストレッチ
なぜ腰痛なのに太もものストレッチを行う必要があるのでしょうか?
太ももにはハムストリングという大きい筋肉があります。この筋肉が固いと、前にかがむときに背骨をより曲げなければかがむことができません。
このような人は背骨に大きな負担がかかりやすく、それが腰痛の原因となるため、太ももの周りの筋肉を柔らかくすることは腰痛の予防につながります。

では、まずはストレッチについて説明します。
太ももの前面を伸ばすストレッチです。

1.立った状態で、かかとをおしりに近づけるように膝を曲げる。
2.お腹に力を入れたまま、膝を後ろに引きながら足の付け根を前に突き出す。
3.そのままの姿勢をキープする。
4.もう片方の足も同様に行う。

(2)太ももの背面を伸ばすストレッチ
次に太ももの背面を伸ばすストレッチです。

1.仰向けに寝た状態で、太ももの裏を持って膝をお腹に近づける。
2.限界まで近づけたら、膝もできる限り伸ばす。
3.そのままの姿勢をキープする。
4.もう片方の足も同様に行う。

(3)バンザイ運動
腰痛にはハムストリングと同様に背筋も関わってきます。
この背筋を伸ばすストレッチです。
1.肩甲骨の下端は中心となるように丸めたバスタオル等を下に敷いて足を曲げます。
2.あごを軽く喉元にひきつけます。
3.その姿勢のままバンザイをして、その状態で胸の前を30秒間伸ばします。

(4)背筋を鍛える筋トレ
ここでは背筋を鍛える筋トレについて説明します。

1.仰向けになって膝を曲げ、両手は体の横に伸ばす。
2.首から膝まで一直線になるまで、おしりを持ち上げる。
3.その姿勢を20秒間キープする。

この1~3を無理のない範囲で繰り返します。
また、痛みがでない範囲で行うことです。痛みがでるということはその方法が間違っている可能性があり、症状が逆に悪化してしまうこともあります。

スマホと腰痛の意外な関係とその対処法について説明しました。
座って前かがみになる姿勢が腰痛を引き起こしてしまうということを理解してもらえたのではないでしょうか。
「どうせ一生の付き合いだから…」「歳とったから仕方がない」と諦めがちな腰痛。
ここでは腰痛の原因から対処法まで説明してきました。
腰痛のない充実した生活を目指して、無理のない範囲で毎日行っていきましょう。

<引用文献>
自分でできる!筋膜リリースパーフェクトガイド-筋膜博士が教える決定版-,竹井仁,自由国民社,2016.
公益社団法人 日本整形外科学会
平成28年国民生活基礎調査
平成25年膝痛・腰痛・骨折に関する高齢者介護予防のための研究:大規模住民コホート

著者情報

腰痛メディア編集部
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