スポーツの中でも、トライアスロンはとても過酷です。長い距離をレースするだけでなく、水泳(スイム)・自転車(バイク)・長距離走(ラン)の3種目を連続して行うため、耐久競技とも言われています。そんな過酷なトライアスロンは、もちろんケガが多いです。今回は、トライアスロンは腰痛になりやすいのか、腰痛対策アイテムを紹介していきます。

トライアスロンは腰痛になりやすい?

まず、結論から言うと、トライアスロンは腰痛になりやすいです。腰の筋肉には、主に背筋である「脊柱起立筋」という筋肉があります。この筋肉は、首から腰まで全体に存在し、主に姿勢を維持するために働いています。
姿勢を維持しているのであれば、あまりトライアスロンに関係ないかというと、そうではありません。水泳(スイム)でも自転車(バイク)でも、長距離走(ラン)でも正しい姿勢で運動するためには脊柱起立筋の働きは不可欠です。よって、脊柱起立筋はトライアスロン中、常に働き続けているため、疲労がたまりやすく腰痛が発生するのです。脊柱起立筋による腰痛は「筋・筋膜性腰痛」といい、スポーツ選手や一般人でも起こる、代表的な腰痛です。

トライアスロンの種目別で腰痛対策アイテムを紹介します!

では、それだけ常に働いている脊柱起立筋を腰痛予防のためサポートしたり、腰痛が起こってしまった時に対処したりするには、どうすればいいのでしょうか?ここでは、トライアスロンの種目別に腰痛対策アイテムを紹介していきます。

水泳(スイム)

水泳(スイム)は整備されたプールではなく、海の中を泳ぎますので、体に掛かる負担は増大します。しかも、周りには他の選手がたくさんいて、伸び伸びと泳ぐことができなかったり、他の選手が起こす波に邪魔されたりします。少しでも、腰痛にならないよう、今抱えている腰痛が楽になる方法を紹介します。

●耐水テーピング
筋肉をサポートするには、テーピングが有効です。しかし、海の中を泳ぐとなると、普通のテーピングではすぐに剥がれてしまい、使い物になりません。そこで、水の中でも剥がれにくい耐水テーピングがおすすめです。これであれば、泳いでいても剥がれにくく、絶えず筋肉をサポートしてくれますので、脊柱起立筋の疲労速度を軽減してくれます。

貼付方法は、背骨の両側にある筋肉の盛り上がりに沿って、肩甲骨から骨盤までテーピングを引っ張り過ぎないように貼ってください。引っ張ってテーピングを貼ってしまうと、背中がつっぱり前屈できなくなりますので、気を付けましょう。

●カッピング
カッピングとは施術方法のことで、アイテムではありませんが、水泳(スイム)にとても有効ですので紹介します。正式にはカッピング療法といい、別名では吸い玉療法とも呼ばれています。ガラス製のカップを体に当て、真空状態にすることで当てた部分の血流を増大させることができます。内出血の跡ができますが、1週間程度で消えます。これを運動前にしておくと、筋肉の血流は増大しているため、酸素が筋肉に行き渡り、疲れにくくなったり腰痛が軽減されたりします。
2016年に開催されたリオデジャネイロ五輪で、金メダルを獲得したマイケル・フェルプスがカッピングの跡を付けていて、話題になりました。

最近では、プラスチック製の真空カップも発売されていて、セルフでカッピングができるような商品が発売されていますので、ぜひ試してみてください。水泳(スイム)のようなサポーターができない競技にはピッタリです。

自転車(バイク)

自転車(バイク)で用いるトライアスロン用バイクは、必ず体が前傾姿勢になるように作られています。そうすることで、できるだけ空気抵抗を低くして走ることができるからです。しかし、このような前傾姿勢は、腰に負担が掛かりやすく、腰痛を引き起こしてしまいます。これを防いだり、腰痛を軽減したりする対策アイテムを紹介します。

●サドル
サドルは長時間運転するので、とても大切です。腰痛のことを考えると、できるだけクッション性がある方が良いです。しかし、あまりクッション性を重視しすぎてしまうと、ペダリングが重くなってしまうので、自分自身が納得できるサドルを選択しましょう。

●ペダル
トライアスロンにおいて、ペダルは2種類使われていて、フラッドペダルとビンティングペダルがあります。選手により、どちらのペダルを使うかは分かれます。今回、腰の負担や腰痛予防を考えるのであれば、ビンティングペダルをおすすめします。なぜなら、足が固定されている分、ペダリングに余計な力が必要なくなりますので、体の負担は少なくなるためです。

しかし、ビンティングペダルにすれば、足が固定されているため事故の可能性が高まったり、トランジジョンの所要時間が多くなったりします。メリットとデメリットを考えて検討してみてください。

長距離走(ラン)

長距離走(ラン)は足を痛めそうなイメージが強いと思いますが、結構腰痛も起こります。トライアスロンでは、最後の種目ですので、疲労が蓄積している状態で走ることになります。その状態で長い距離を走ると、フォームは乱れ、常に体に余分な負担を掛けることになります。ここでは、少しでも体の負担を軽減させるアイテムを紹介します。

●インソール
体の負担を軽減させるためにまず思い付きやすいのは、インソールですよね。インソールは、体に掛かる衝撃を吸収するアイテムですので、とても重要です。しかし、しっかり足にフィットしておかないと、効果は半減してしまいます。そのため、おすすめはオーダーメイドです。自分だけの世界に一つだけのインソールを作るのです。お金はかかりますが、腰痛対策・体の負担軽減には最適です。

●シューズ
シューズは、決して軽量であれば良いという訳ではありません。短距離走であれば、軽量なほど良いですが、長距離走の場合はそうとも限りません。それは、シューズが軽いということは、クッション性が失われていることになるからです。特に踵からの衝撃は、腰にも影響を及ぼしますので、シューズはできるだけ軽量かつ踵にクッション性があるものを選んでみてください。

腰痛対策しても効果がない場合は?

トライアスロン中の腰痛対策をしても、あまり効果がない場合、ただの腰痛ではない可能性があります。脊柱起立筋による「筋・筋膜性腰痛」であれば、上記のような対策アイテムを用いると、完全に痛みがなくなるわけではありませんが、ある程度マシになるはずです。効果がみられないとなると、筋肉以外の問題も考えられます。

例えば、腰の部分で神経を圧迫していると、腰痛とともに坐骨神経痛の症状が現れてきます。トライアスロン中に腰痛だけでなく、足に痛みやシビレがある場合は、早めに医療機関を受診して、精密検査をしましょう。放っておいても、良くなることはあまりありません。逆に悪化していくことが多いので、無理をせずにトレーニングも休みましょう。

まとめ

トライアスロンは、過酷な競技のため、たくさんのケガが起こります。自転車走行中やランニング中に転倒してケガをすることもありますし、疲労の蓄積により痛めることもあります。転倒は、他の選手の巻き込みで起こることもありますので、なかなか防ぎにくいですが、疲労の蓄積によるケガは防ぐことも可能です。今回の記事が、少しでも参考になれば幸いです。

<参考文献>
〇「標準整形外科学 第10版」 国分正一・鳥巣岳彦 医学書院
〇「柔道整復学・理論編改訂第6版」 公益社団法人全国柔道整復学校協会 南江堂

著者情報

腰痛メディア編集部

こんにちは。 腰痛で悩む多くの方に役立つ情報を毎日お届け。それぞれが違った痛みの場所・違った痛みの度合い・違った原因をお持ちです。 一人一人が自分の腰の状況(病態)を理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目標です。記事のご意見・ご感想お待ちしております♬

この著者の他の記事を見る