日本国民のおよそ7割弱の人が「腰痛持ち」と訴えていることを知ってますか?
腰痛になる原因でもっともポピュラーなのが「ぎっくり腰」ですよね。
また高齢者に多い「圧迫骨折」も腰痛が主症状で出てきます。
「腰痛」と聞くとどうしても老化を考えがちですが、実は低い年齢層でも腰痛と付き合いながら生活している方も多いのです。
そんな困った腰痛ですが、実は転倒が原因でなることがあるのです。
今回は「腰痛」と「転倒」の関係を現役看護師が解説致します。

腰痛はなぜ起こる?

一言に腰痛の原因と言っても様々な要因があります。
代表的なものでは
・加齢による腰痛(生理的な骨格の老化)
・筋肉の緊張
・関節(腰椎)の拘縮
・骨折
・その他内臓系の病気によるもの
などが主な原因で腰痛は出現します。
加齢によって軟骨が減っていき、骨同士の隙間がなくなることで、骨同士が、擦れてしまいます。
これは肘の関節や膝の関節はもちろん、背骨でも起きることです。
また、寒さや痛みなどで筋肉が緊張しているときにも腰痛は出てきます。
血流が悪くなり、筋肉が固まってしまったときにも出てきます。
とにかくたくさんの要因で腰痛は出てくるのです。

腰周辺の骨折

高齢者に多い骨折についてお話ししますね。
高齢になると骨はどんどん弱くなっていきます。
特に女性は閉経後にエストロゲンという女性ホルモンが分泌されなくなるため、骨粗鬆症になりやすく、骨折することが多くなってきます。
ではどのような骨折があるのでしょうか。
代表的なものには
・腰椎圧迫骨折
・大腿骨頚部骨折
・骨盤骨折
などがあります。
中でも圧迫骨折では強い腰痛が出現します。
特に腰に当たるところにある「腰椎」の圧迫骨折では足が痺れたり、力が入らなかったりして転んでしまうことがあります。
そんな圧迫骨折について詳しく見てみまよう。

圧迫骨折

1原因
まず、圧迫骨折はなぜ起きるのかを説明します。
背骨はいくつもの「椎体」が頭の付け根からおしりの尾てい骨まで連なってできています。
背骨に強い力が加わると、この椎体が支えきれずに椎体がつぶれてしまいます。これが圧迫骨折の状態ですね。
強い力というのはどのようなものがあるのか
たとえば、
・重たいものを持ち上げる
・勢いよく椅子に座る
・落ちているものを腰を曲げて拾う
・くしゃみをする
・洗面台で前屈みになる(うがいや洗顔など)
という動作ですね。
これを見ると、ほとんど特殊な動きはありませんよね。
生活の中でふとした瞬間に圧迫骨折は起こってしまうのです。

2種類
つぶれた椎体の場所によって
・頸椎圧迫骨折
・胸椎圧迫骨折
・腰椎圧迫骨折
・仙骨圧迫骨折
と分けて診断されていきます。
背骨の形状は横から見るとS字になっており、縦に加わる力を吸収できるようになっています。
しかし、腰部は特に圧がかかりやすく、胸椎と腰椎が入れ替わる部位には特に負担がかかる場所でもあり圧迫骨折になりやすいところでもあります。

3症状
腰部の圧迫骨折ではとても強い腰痛が出現します。
寝返りをうつのも難しく、動くなんてことはもってのほかです。
また、頸椎(5〜6番目の間)から下は足を動かす運動神経が出ています。
圧迫骨折によって骨がつぶれてしまうと、この神経を損傷したり圧迫してしまい、
「足が動かない。」「足が痺れる」
という症状が出て来て、繰り返しこけてしまうのです。
「痺れる」とはどんな感覚なのでしょうか。
実際に体験したことないため、想像しにくいですよね。
よく、「足に何か膜がかかっているみたい」「足がじんじんする」などの表現が経験上では一番多くありました。

4治療
治療方法としては、安静第一です。
コルセットをしてそのまま動かずに過ごすしかありません。
痛みに関しては薬を使って疼痛コントロールしていきます。
痛いからといって、3ヶ月も動かなければ足腰が弱ってしまい、今度は歩けなくなってしまいます。
また、コルセットをずっと着けておくと腰の筋肉が弱くなってしまい、体を支える筋肉や腰を守る筋肉も弱くなってしまい、新たな圧迫骨折を起こしかねない状況になってしまいます。だいたい、1ヶ月〜半年ほどで痛みは引いていき、コルセットも徐々に外れていきます。
骨折した椎体の状態が悪く、安静でも治らない場合には「椎体形成手術」という手術を行うこともあります。

5予後
回復した後は普段通りの生活を送っても大丈夫です。
しかし、一つ椎体がつぶれてしまうと、その上下(3番目の椎体がつぶれたら2番目と4番目)がつぶれやすくなっています。
そのため、ドミノ方式に次から次へと圧迫骨折を引き起こしてしまう可能性もありますので以下の点に注意が必要です。
・重たいものは極力無理して持たない
・定期的な受診に行く
・カルシウムを取るだけでなく、太陽の陽に当たってビタミンDを活性化させる
・適度に運動をして体幹の筋肉が落ちないようにする
予防をする上でも上記のことは有効なため、是非実践してみて下さい。

転倒する原因

転倒をして圧迫骨折につながるとはこれまで説明してきました。
では、そもそもなぜ転倒してしまうのか。
そこが分からないと、圧迫骨折の危険性は大きくなる一方ですよね。
では「こける」ということを少し説明しましょう。

1転倒の危険性
転倒してしまうとどうなるのか。
「要介後認定」といものがありますが、「どのぐらい介護が必要か」を示すものです。
この認定理由の主な原因は、脳卒中・認知症・衰弱(老化)ですが、4番目には「転倒」が入っています。
「こけてしまうと介護を受けなければならない状況になる可能性が高い」ということがお分かりでしょうか?
ちなみに男性よりも女性のほうが転倒することが多いです。
前項でもお話ししましたが、エストロゲンの低下により骨粗鬆症が進行してくると説明しましたが、それに加えて転びやすいとは・・・。女性の方、十分気をつけて下さいね。

2転倒の起こりやすい場所
転倒してしまった後に気をつけても、腰椎に負荷がかかることには代わりありません。
ではどのような場所が転倒しやすいのか。
・リビング(特にフローリング)
・玄関(段差がある場合)
・階段(思うように足が上がらない)
・寝室(ベッドから立ちあがろうとして)
・廊下(暗くて足元が見えない)
・浴室(床が濡れている)
室内で上記となります。
この順番は転倒の多い場所順です。なんと浴室で転倒が少ないのにはびっくりしましたね。
そして一番多いのはリビング。
ものもたくさんありますし、こけてしまうと頭を打つなど大変なことになってしまいます。
また、手すりがついておらず、伝い歩きだと体を支えるものが不安定な場合もあります。

3転倒の予防
・環境整備
・普段からの運動
この二点が予防するためには必要です。
踏んだり跨いだりすることがないように足もとの整理整頓を心がけましょう。
また手すりをつけたり、段差をなくすこともおすすめです。
また、普段から運動していないとフラフラしてしまう可能性があります。
運動をしていて筋力が維持できていれば、転倒したときでも圧迫骨折などに至らないこともあります。

まとめ

今回は転倒すると圧迫骨折になってしまうことをお話ししました。
閉経後の女性は骨粗鬆症になりやすく、腰椎圧迫骨折になる可能性が高いです。
普段からこけたりしないように、外に出て日に当たり、適度な運動を行いましょう。
いかがでしたでしょうか。
様々な要因でなる「腰痛」ですが、体の要でもある「腰」に疼痛があっては思う通りに動けません。
まずは予防を第一に考えて、普段の生活を送ってみましょう。

参考文献
高齢者の転倒の危険性とは?原因を把握して寝たきりになるのを防ごう
https://www.irs.jp/article/?p=509

著者情報

腰痛メディア編集部
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