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バドミントンはその動きの特性からも腰痛になりやすい吸ポートといわれることもあります。バドミントンはなぜ腰痛になりやすいのか?そして、バドミントンという競技をしながら腰痛にならないようにするためにはどうすればいいのかについて詳しくご紹介します。

バドミントンが腰痛になりやすいその理由は?

バドミントンというスポーツが腰痛を誘発する理由をご紹介します。

バドミントンの動き

バドミントンはシャトルを打つ、拾うという動作には腰を反る、前かがみになる、腰をひねるといったさまざまな動作が加わります。また、シャトルを打つときにはジャンプという動作も加わります。

実はこれらの動きはスポーツをするうえで腰痛の原因となると考えられる動きであり、バドミントンは、競技のための動きそのものが腰痛を誘発する動きとなっているのです。

また、バドミントンは片方の手にラケットをもって、ラケットを持っている腕を酷使していきます。このように左右非対称の動きをする競技は、腰に負担がかかりやすく、腰を痛めやすいため腰痛を誘発することが考えられています。右利きの人は左の腰を、左利きの人は右の腰を痛めやすい傾向にあります。

他の部位の障害による腰への負担

とある調査によると、バドミントンによってけがをしやすい部位は足関節、膝関節、アキレス腱、下腿と下半身を中心に見られています。一方、痛みを感じやすい部分は肘、肩、膝、腰と上半身に集中していることが分かっています。

例えば足に軽度の捻挫をした、筋肉を損傷したという場合でも、そのまま気づかずにあるいは痛みを我慢しながら練習を継続すると、下半身と上半身をつなぐ腰に負担がかかります。肩や肘が痛いけれどケガをしていないからと競技を続けた場合、これらの部位の痛みをかばおうと動作が乱れ、腰へ負担がかかります。

バドミントンを含む多くのスポーツでは障害を抱えているあるいは疲労が蓄積されている状態でも我慢しながら競技を続けた結果、腰やひざ、ひじなどに障害を抱えるオーバーシンドロームすなわち使い過ぎ症候群が問題となっています。

バドミントンでも、身体のいたるところに負担を抱えたまま協議を続け、オーバーシンドロームの状態になってしまうと、肘や膝だけでなく体の中心にある腰に痛みを抱えてしまうのです。

参照:
講演資料20130810|宮崎県バドミントン協会
社会人バドミントン選手のスポーツ障害|神戸学院大学 総合リハビリテーション学部 村尾浩

バドミントンによって起こる腰痛の種類

バドミントンをすることによって起こりうる腰痛を3つご紹介します。

急性腰痛

いわゆるぎっくり腰です。急性腰痛は、スマッシュを打った時やサーブを打った時などといった競技のタイミングだけでなくシャトルを拾い上げた時、軽く素振りをしたタイミングなどにも起こることがあります。また、ジャンプをして着地したタイミングで起こることも少なくありません。

慢性腰痛

慢性腰痛は、先ほどもご紹介したオーバーユースによって起こるものです。そのため、ある日突然腰の痛み、腰の違和感を放置していることで徐々に痛みが競技にも影響を及ぼし、結果として、競技中も日常生活でもずっと慢性的に腰が痛いというような状態に陥ってしまうのです。

椎間板ヘルニア

バドミントンの動きによって椎間板に負担がかかり椎間板の一部が神経を圧迫してしまうものです。こちらも起こりうる原因にはさまざまなものが考えられているのですが、スマッシュなどのひねる動作から、ジャンプをして着地したことで起こるということもあります。

他にも10代の若い方では、まだ成長中の骨に負担をかけることによって腰椎分離症となり関節突起間部の疲労骨折に陥ってしまうこともあります。

これらの病態は、安静にしたり痛み止めを服用したりすることで腰痛が緩和することもあります。ですが、一時的なもので根本的な解決には至っていないこともあるので、なるべく1度は医療機関を受診して専門医の診察を受けられることが良いでしょう。

また、腰が痛いだけでなく腰に熱を持っている、下半身がしびれている、足に力が入らないという場合には経過観察をするのではなく、なるべく早く医療機関を受診して医師の診察を受けることがおすすめです。

参照:
腰椎椎間板ヘルニア|公益社団法人日本整形外科学会
腰椎分離症|ZAMST
ぎっくり腰コーナー|すわ整形外科

バドミントンをしながら腰痛を予防する方法は?

バトミントンと腰痛
一般的に、レクリエーションで行うバドミントンの場合、ネット競技であり相手との接触が少ないという観点からも安全性が高い競技であると考えられています。

しかし、クラブ活動など本格的にバドミントンをされている場合には、前述したように腰痛を誘発する可能性が極めて高くなります。

バドミントンをしながら腰痛を予防する方法として今回は、クラブ活動などで本格的にバドミントンをされている方に焦点を当ててご紹介します。

ラケットの管理

自分に合ったラケットを使っていなければ、身体の使い方が乱れ、腰痛を誘発する可能性が高くなりますので、まずは自分の使っているラケットが自分に合っているかどうかを見直していきましょう。

バドミントン競技をしていくうえでの適切な体つくり

練習や試合に耐えられるような体のつくりをしていなければいくら練習しても上達せず、逆にうまくならないからと練習量を増やして腰へ負担をかけてしまいます。適切な体つくりのポイントは2つあり、1つは筋力の強化です。

バドミントンをしていくうえで腰痛をカバーするためには背筋だけでなく太ももの筋肉も鍛えておくことがポイントです。ご自身の筋力トレーニングメニューに背筋と太ももの筋力の強化を加えてみてください。

もう1つは、体脂肪率の低下です。体脂肪率が高いバドミントンプレーヤーは激しい動きによる体の負担が増えるため、腰などを痛めやすくなると考えられています。もしも、クラブ活動などで継続して激しいプレーをされている場合には体脂肪率も見直していきましょう。

練習後のストレッチ

バドミントンのようにジャンプをしたり、体をひねったりする競技は脚や腰の筋肉にとても負担がかかります。そのため脚や腰を重点的にストレッチして、腰の筋肉を柔らかくしてあげましょう。

バドミントンにおすすめのストレッチ①

太ももの前側にある「大腿四頭筋」という筋肉を伸ばすストレッチです。

①横向きになります。
②上になっている方の膝を曲げて、足首をもちます。
③足首をもったまま、10秒かけてゆっくり伸ばします。反対も同じように行いましょう。

バドミントンにおすすめのストレッチ②

続いては、骨盤を支える「腸腰筋」という筋肉をストレッチしていきます。

①足幅を前後に、肩幅の2倍ぐらいの広さに開きます。
②後ろの膝を床につけます。
③前の膝をゆっくり曲げます。このとき、腰を曲げないように注意しながら、10秒間ストレッチします。反対も同じように繰り返しましょう。

バドミントンにおすすめのストレッチ③

バドミントンは、「胸郭」と呼ばれる胸まわりのストレッチです。前述したように腰を回す動作は、胸椎がメインとなって働いています。
胸椎は背骨の上位に位置しており、胸まわりの筋肉が硬くなると胸椎の動きも悪くなります。胸郭のストレッチをしっかり行うことで、腰も回しやすくなるでしょう。

①四つ這いになります。
②片手を頭につけます。
③手と同じ方向に体をひねり、これ以上は捻れないところまできたら、そこで10秒静止します。反対も同様に行いましょう。

筋トレをする

腹筋や背筋など、体幹を鍛えて腰をしっかり支えられるようにしましょう。しかし体幹を鍛える種目は、腰を痛めやすい種目が多いのがネック。筋トレで腰を痛めてしまっては本末転倒なので、ここでは腰を痛めにくい筋トレを紹介していきます。

バドミントンにおすすめの筋トレ① プランク

①肘をついて、四つ這いになります。
②お腹に力をいれて、膝をしっかりと伸ばします。このとき、腰を曲げたりしないように注意しましょう。
③そのままの姿勢をキープします。キープする時間は体力に合わせ、10秒~3分の間で調整してください。

バドミントンにおすすめの筋トレ② サイドプランク

①肘をついて、横向きになります。
②肘をついたまま、腰を床から上げます。
③体をできる限り、真っ直ぐにキープします。

上記で紹介したプランクと同じく、時間は体力に合わせて調整しましょう。

正しいフォームを身に付ける

自分の身体にぴったりと合ったラケットを使い、背筋や太ももに筋肉をつけたとしてもフォームが乱れていれば、腰痛を誘発してしまいます。指導者などに指導を依頼して、正しいフォームを取得することも腰痛の予防になります。

オーバーシンドロームの防止

今までご紹介した項目がすべて整っていたとしても、無理をして長時間負担のかかるプレーをしていればオーバーシンドロームとなって、腰痛を誘発してしまいます。ご自身に無理がない程度の練習を心がけていくことが望ましいです。

参照:
慢性腰痛に効果的!「背筋」「腰」を鍛える2つの運動|NHK
筋・筋膜性腰痛症|ZAMST
バトミントン競技|ベースボールマガジン社「バドミントン教本(財)日本バドミントン協会編」
社会人バドミントン選手のスポーツ障害|神戸学院大学 総合リハビリテーション学部 村尾浩

まとめ

レクリエーションとしてはからの負担なく楽しめるため老若男女に親しまれているスポーツですが、競技で行う場合、筋肉の疲労やオーバーワークによって腰へは多大な負担を及ぼします。
腰痛によってバドミントン競技生活を終了せざるを得なくなる前にしっかりとケアをしていきましょう。

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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