ゴルフをしていて腰痛になる方や、ラウンド中にぎっくり腰を発症する方は少なくありません。では、なぜゴルフをすると腰痛発症のリスクが増してしまうのでしょうか。

今回の記事では、ゴルフのスイング時に腰痛が出る4つの原因や、ゴルフをするときの腰痛発症リスクを増す、日常生活上のクセなどについて解説します。腰痛の改善が、もしかしたらスコアアップにつながるかもしれませんよ。

ゴルフのスイングで腰痛が出る4つの原因

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ゴルフをしていて腰痛が出る原因は実にさまざまなのですが、特にゴルフのスイングにともなって腰痛が出る場合、次の4つの原因が考えられます。

股関節が硬い

ゴルフのスイングをするときに腰痛が出る場合、股関節が硬い可能性があります。ゴルフに限ったことではありませんが、股関節が硬いと、運動中にケガをしやすいといわれています。

実際、身体の大きな力士は、相撲部屋に入門するとまず「股割り」と呼ばれる股関節の柔軟運動をおこないます。股関節の柔軟性を高めることで、土俵から落ちた時のケガや、足を大きく開いた際のケガを予防するわけです。

ゴルフの場合も同様で、股関節の動きがスムーズにいかないと、結果として腰へのリスクが増ししまいます。

肩甲骨の可動域が狭い

意外に思われるかもしれませんが、肩甲骨の可動域が狭いことも、ゴルフのスイング時の腰痛発症リスクを高めます。

ゴルフのスイングをする場合、まず体幹を回旋させながら肩甲骨を動かし、トップを作ることとなります。ところが、肩甲骨の可動域が狭いと、トップの位置が一定しなくなります。

トップの位置が一定しないと、インパクトの際にクラブのフェイスが開いたり閉じたりしてしまい、それがボールを曲げることにつながります。

ボールが曲がるのを阻止しようと小手先で調整することによって、腰への負担を増し、腰痛発症のリスクを増す結果となるのです。

仙腸関節が硬い

仙腸関節は骨盤の中央に位置している関節で、仙骨と腸骨によって構成されています。仙腸関節の関節面は平均するとおよそ20平方センチメートルとされており、その狭い関節面に上半身の体重がのしかかってくることになります。

ただ、通常であれば仙腸関節には可動性があるため、股関節と連動することで、上半身や地面からの圧力をナチュラルに逃すことができます。

ところが、仙腸関節が硬くなり可動域が減少すると、上半身の体重がもろに仙腸関節へかかってしまいます。その結果、腰痛のリスクが増すと考えられているのです。

かつては腰痛の85%が原因不明とされていましたが、腰痛診療ガイドラインの見直しによって、仙腸関節性の腰痛が、腰痛全体の6%を占めることが分かってきています(『腰痛診療ガイドライン2019改訂2版』より)。

大腰筋がうまく使えていない

大腰筋は腰の骨と股関節をお腹側で結ぶ大きな筋肉で、股関節を屈曲させ、体幹を安定させる重要な働きを持っています。

大腰筋の筋力が低下するなどしてうまく使えなくなると、股関節を屈曲させた状態で、体幹を安定させる=安定したアドレスの姿勢を取ることが難しくなり、スイングの際に腰痛が出るリスクを増してしまいます。

腰痛発症のリスクを増す日常生活上のクセ

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ゴルフのスイングをするときに腰痛が出る原因は上記の通りですが、そのような原因を招く日常生活上のクセがあるのでご紹介します。

足を組んで座っている

股関節が硬くなったり、仙腸関節の可動域が狭くなったりすると、ゴルフのスイング時に腰痛発症リスクが増しますが、そのリスクを増してしまう日常生活上のクセが足を組んで座ることです。

足を組んで座っていると、片方の臀部に大きな負担がかかり、股関節や仙腸関節を結ぶ筋肉を硬くしてしまいます。その結果、ゴルフのスイングをした際に、腰痛を発症するリスクが増すのです。

猫背になっている

普段から猫背の姿勢になっていると、骨盤が後ろに傾き、仙腸関節の可動域減少を招きます。その結果、腰痛を発症するリスクが高くなります。

あまり歩くことがない

いつも車で通勤していたり、日常的にあまり歩くことがなかったりすると、股関節周りの筋肉が刺激されず、筋力低下や血行不良を招きます。

股関節の筋力低下や血行不良によって、股関節の動きが悪くなることで、ゴルフのスイングをした際に、腰痛が出るリスクを増す結果となります。

ゴルフで腰痛が出る方に多い勘違い

ゴルフのプレイにともなって腰痛が出る方の中には、次のような勘違いをされている方も少なくありません。プレイ中の腰痛にお悩みの方はチェックしてみてください。

回転するから腰痛が出るのではない

ゴルフのスイングにともなって腰痛が出る場合、「スイングをするから腰痛が出る」と勘違いしがちですが、正確には「正しく回転しないから腰痛が出る」のです。

スイングの際に仙腸関節に引っ掛かりがあったり、股関節や肩甲骨の硬さで回転が邪魔されたりすることで、腰痛が出るリスクを増すのです。キレイに体幹が回転していれば、腰痛発症のリスクは低減します。

また、腰の回転を意識しすぎるあまり、身体が開いてしまうと、ボールがスライスする結果となりかねません。

腰はそもそも回転しない

ゴルフに限らず、野球やテニスをはじめ、体幹を回旋させるスポーツをしていると、コーチに「腰の回転で打て」と言われることがあります。

ただ、医学的に見て腰は回転するようにできていません。ではどのようにして体幹を回旋させるかというと、それは股関節を回旋させることによります。

股関節を回旋させることで、上半身全体を回旋させることが可能となるわけです。股関節が硬いと腰痛を招きやすいのは、股関節が回旋していないのに、腰を無理に回そうとするからです。

ゴルフの後には身体をケアして腰痛予防

ゴルフのプレイ中の腰痛を予防するためには、日常的に身体をケアすることが欠かせません。ゴルフのプレイ後はもちろんのこと、日ごろから腰痛予防に取り組むことが重要です。

運動後はストレッチをおこなう

ゴルフのラウンドを終えたら、シャワーを浴びてすぐに帰るという方もいらっしゃいますが、運動をした後にこそ、ストレッチをおこない、身体をクールダウンさせる必要があります。

運動によって緊張した筋肉をストレッチによって緩め、翌日に疲れを残さないようにすることが重要です。

入浴して疲労回復に努める

ゴルフを終えて家に帰ったら、湯船に浸かって身体を温め、疲労回復に努めることが重要です。そもそも腰痛は突然現れるものではなく、日々の蓄積によって発症するものです。

入浴することで血行が促進され、身体の回復力を高めることが可能となります。また、副交感神経を優位に導くことで、睡眠の質を高めることも期待できます。

腰痛がひどい場合は早めに対処する

ゴルフをしていて腰痛が出たら、なるべく早めに対処することが重要です。プレイ終了の時には痛みがなくなっていても、放置すると腰痛悪化につながるケースもあります。長くゴルフを楽しむためにも、定期的にお身体のメンテナンスをおこなうよう心がけましょう。

まとめ

ゴルフのスイング時に腰痛が出る場合、肩甲骨や仙腸関節の可動域が減少していたり、股関節が硬くなっていたりする可能性があります。

また、そのような状態でスイングをすることで、ボールがスライスしたりフックしたりする可能性も高くなります。

日常的に股関節のストレッチに取り組み、定期的に身体をメンテナンスすることで、ゴルフのスコアアップにつながる可能性もありますよ。

<参考文献>
仙腸関節・脊椎脊髄ジャーナル32巻4号
https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.5002201124

腰痛診療ガイドライン2019改訂2版・日本整形外科学会、日本腰痛学会
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001110/4/Low_back_pain.pdf
筋力トレーニング 腸腰筋・西広島リハビリテーション病院
http://www.welnet.jp/infobox/6/

著者情報

腰痛メディア編集部
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