「姿勢悪いね」、「歩き方変だね」、「猫背だね」などと言われたことはありませんか?何気なく歩いているつもりでも、その歩き方が腰痛の原因だとしたら…。今回は歩き方が原因で引き起こされる腰痛と、その解決策について記事にしていきたいと思います。

歩き方の癖から見つけよう

1) 友人から指摘されたことがある
 冒頭で述べたように、「歩き方」の特徴や癖を友人に指摘された方はいませんか?ガニ股やペタペタ歩き、猫背などは指摘されやすい特徴だと思います。普段は自分の歩いている姿を観察することは難しく、歩き方の癖に気が付かないかもしれません。このような指摘を受けたことのある方の腰痛は、歩き方が原因の可能性があります。
 男性に多いのが「猫背」、女性に多いのが「そり」だと統計がありますが、本来、「膝関節をしっかり伸ばし、後頭部・肩甲骨・骨盤のラインが一直線上にある」のが正しい姿勢と言えます。壁に身長測定のように背中をピタリと付けた時に、3点が壁に接着し、腰にこぶし1個ほどの隙間ができているのが正しい姿勢です。この脊椎の自然な湾曲を保つ姿勢を意識して腰痛予防の歩き方を覚えましょう。
靴ひも結ぶ男性
2) 靴の一部だけがすり減っている
 ご自身の一番よく履いてあるクツを見てください。「かかとが極端にすり減っている」「クツの外側がすり減っている」「右のクツだけよくすり減っている」などの特徴はないでしょうか。他人に指摘されたことはなくても、歩き方の癖が身についてしまっている証拠と言えます。長期間使用した靴がすり減るのは問題ありません。理想的なのは、「つま先の両内側と、かかとの両外側が同時に減る」というものです。これ以外のすり減り方をしている方は要注意です。中でも特に危険なのが左右のクツが全く不対象にすり減っているという場合です。身体に不均衡な体重や負担がかかっている可能性が高く、腰痛に直結する歩き方になってしまっているかもしれません。

3) 歩きながら左右どちらかに寄ってしまう
「白線の内側を歩いていたはずなのに、なぜか白線から出ている」「並列して歩いている友人にぶつかる」などの体験をしたことがある方は、歩き方によって腰に負担がかかっている可能性があります。左右均等に力が入っていない可能性があり、特に片側腰痛の発生の可能性も高くなります。

自宅で出来る歩き方のセルフチェック

 
1) まっすぐ歩けるかの確認をしてみよう
自宅でフローリング(畳のラインでも可)の線を見ずに、線に沿って歩けるか試してみてください。もし、左右どちらかにズレてしまうようであれば「均等に筋肉を使えていない」「片側の腰に負担をかけるように歩いてしまっている」証拠です。
線を見ながらまっすぐ歩く感覚を体感し、意識づけることで少しずつ腰への負担が少なくなっていくでしょう。歩き方の癖は長年かけて培ったものです。なかなか直ぐに改善、というのは難しいかもしれません。根気よくがんばりましょう。

2) 体幹やバランス感覚の確認をしてみよう
 腰に手を当て、片足で立って目をつぶってみましょう。年齢にもよりますが40代以下の場合では片足立ちの状態で45秒間維持できるのが基準です。それ以内にバランスを崩して地に足がついてしまう方は、体幹をしっかりと活用できていない可能性が高いです。この体幹はトレーニングなどで鍛えることもできますが、正しい歩き方ができている方は自然に鍛えられているのです。つまり、このテストがクリアできない方は暗に「正しい歩き方ができていない」と示されているのと同等です。

歩き方を改善するにはどうすれば良いか?

1) 自分足の形に最適なクツを選択する
 自分の足の形をじっくり観察したことはありますか?特に女性の方はクツをデザインで選んでしまいがちです。しかし、足の形によって最適なクツが存在します。自分の足に合わないクツを履いてしまうことは歩き方の崩れ、最終的には腰痛につながる可能性があります。大きく分けて足の形は3パターンに分かれます。自分がどれに属するのかセルフチェックしてみましょう。

① エジプト型
第1趾が一番長い脚の形です。第5趾が痛くなる場合があります。靴のサイズは1サイズ上を選択し、つま先の丸いラウンドトゥやスクエアトゥのクツの形を購入するのが良さそうです。

② ギリシャ型
第2趾が一番長い脚の形です。つま先は細くとがったものや、ハイヒールなども履いても負担が一番少ない脚の形です。クツのサイズは足長通りで問題ありません。

③ スクエア型
第1趾~第3趾が同程度の長さで一番長い脚の形です。足幅がかなり広くなるタイプの足の形です。スクエアトゥのクツや幅広のクツを選択しましょう。足長よりも2サイズ大きめのクツを購入するのが最適です。

2) 偏った肩に荷物をかけて歩かないようにする
 荷物を左右どちらかの肩にかけていると、知らず知らずのうちに荷物をかけている側の半側をかばうように歩く姿勢をとってしまいます。自然な歩き方のバランスが崩れてしまい、腰痛につながる可能性があります。リュックサックの導入や、肩掛けバッグは左右交互に持つことを意識するだけで、歩き方の姿勢が改善されるでしょう。

3)歩行矯正グッズを使用してみる
 歩き方を修正するのが目的である「歩行矯正グッズ」が市販されています。
靴下のように装着するタイプのものや、テーピングのように巻き付けるものなど様々な形状で販売されています。自身が使いやすいと感じる形状のものを選択してみましょう。比較的安価で、ドラッグストアやインターネットなどで購入可能です。手軽に歩行矯正を始めてみたいという方にはオススメのグッズです。

腰痛の改善策は?

歩き方
1)歩き方が原因の腰痛でも薬を使用してよいのか
 歩き方が起因となる腰痛だとしても、「疼痛」が発生している以上は我慢せず、鎮痛薬を使用しましょう。疼痛を我慢してしまうと、歩く姿勢はどんどん悪くなり腰痛が悪化してしましますので注意が必要です。

2)リハビリテーションやヨガに通う
 「歩き方」「歩くための姿勢」を治すのは、客観的な観察力や、癖を指摘してくれる指導者が必要です。鏡を見ながら練習するのも有効ですが、プロの指導を受けることで効率よく歩き方の修正ができるかもしれません。ウーキングレッスンや、歩行矯正教室などをご自身の住んでいる周辺で開催されていないかリサーチしてみてください。腰痛改善をウリにしている教室も存在し、腰に負担のかからないレッスンが期待できます。パーソナルレッスンや、少人数教室、オンライン受講などもありますので参加ハードルは低くなりますね。

3)集中したウォーキングをしてみる
 「正しい姿勢での歩き方」を意識してウォーキングしてみてください。15分程度の集中したウォーキングを1日数回、思いついたときに実践してみてください。(15分以上集中して歩行すると疲労が勝る可能性があります)長期的な矯正になりますが、いずれ癖がついて腰痛の改善、予防につながるかもしれません。

4)医療機関を受診する
腰痛の原因は何十種類も存在しています。腰痛が続くときには自己判断せず、医師の診察をうけましょう。日常生活や歩き方の改善で軽快する腰痛もあれば、医療機関で治療しなければ軽快しない腰痛があるのも事実です。

まとめ

 歩き方を治すというのは非常に労力のいることだと思います。しかし、歩き方が原因の腰痛を一時的に鎮痛薬で抑え続けていても、根本的な解決にはなりません。鎮痛薬を使用し、疼痛のコントロールをしつつ、根本的な解決ができるように行動していきましょう。「歩き方」の修正は、見た目にもキレイにもなりますし、腰痛も改善されるので一石二鳥です。腰痛を治して今より充実した日々を過ごしましょう。

著 加藤 光寶『運動器 成人看護学』[系統看護学講座 ]出版社 医学書院, 発行年 2014
著 坂井建雄 / 岡田隆夫『解剖整理学』[系統看護学講座 ]医学書院, 発行年2014
著 武田宣子『リハビリテーション看護』[統計看護学]出版社 医学書院, 発行年 2015
URL: https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/01/dl/s0119-5f.pdf(厚生労働省)
URL:http://www.walking.or.jp/school/(日本ウォーキング協会)

著者情報

益田 香

保有資格

看護師国家資格

経歴

2014に資格取得後、小児科病棟をメインに成人病棟や外来など様々な部署で腰痛を訴える患者の看護業務をしてまいりました。

自身の経験から腰痛患者に有益な情報を発信していきます。

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