ファシアとは

「筋膜」という言葉が以前は使用されていましたが、翻訳や意味の違いから近年では「fascia」と変更されるようになりました。
ファシアは筋肉だけではなく、内臓、骨、血管、神経など全身の組織を包み、組織の保護や組織間の滑走性(動き)だけでなく、力を伝えて位置を保持する機能を有しています。
ファシアには感覚を受容する機能が豊富に存在し、痛みや位置情報などを感じ取ります。
ファシアは治療効果が高いことから、専門家の間でも近年注目を集めている組織です。

ファシアが原因の腰痛とは

ファシアが腰痛の原因となっていることが近年の研究で多く報告されています。今回はその理由についてご紹介します。
ファシアは床の物を持ち上げるなどの、腰を曲げることを繰り返す動作により炎症を起こすことがあります。これによって腰部のファシアに滑走性の低下が生じ腰痛を発症します。
この腰痛の改善には以下を目的にアプローチを行います。

① ファシアの滑走性を高める
② 体幹部の安定性を高める
③ 背骨~股関節の柔軟性を高める
④ 物を持ち上げる動作時の正しい体の使い方を学習する

これらの機能を高めることで、腰部のファシアへ負担をかけていた動作を修正し腰痛を改善していきます。

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※腰痛メディア内では床の物を持ち上げる動作時の腰痛だけでなく、さまざまな腰痛に関しての原因や対策を詳細に解説した多数の記事が投稿されています。腰痛で悩んでいる方は、自分に合った記事を見つけてぜひチェックしてみてください。

ファシアの滑走性を高める方法

ファシアの滑走性を高める主な方法は、医師が注射で生理食塩水を注入しファシアの滑走性を体内から直接的に高めるハイドロリリースがあります。また理学療法士が手を用いた手技(徒手療法)にて、体表面からファシアにアプローチする方法も研究されており臨床で行われています。
今回は腰痛メディアにご協力頂いている、桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部で教授の成田崇矢先生が1月27日にNHK番組の「あさイチ」で紹介された「軽くつまんでゆらゆらほぐす」方法を一部ご紹介します。
まずは、体を動かし凝り固まった部分を探します。方法はこの凝り固まった部分を、痛気持ちいい程度で軽くつまんでゆらゆらさせるだけです。
これを1回に30秒~1分程度行い、先ほどの部位の周辺にあるつまむと固い部分を順にほぐしていき、ファシアの滑走性低下を改善していきます。
※痛みが強い方や、ぶつけたけがなどには適応とならないため注意してください。

ファシアケアについて

前回の放送に続き、成田崇矢先生が2021年4月14日(水) NHKあさイチに出演します。
今回は体メンテナンスの新常識「ファシア」第2弾の特集として、「腰」「ひざ」の痛み対策についてご紹介される予定です。
柔軟性や姿勢の改善に効果が期待できる「ファシアケア(運動)」の方法についてご紹介頂けます。
腰痛で悩んでいる方は勿論、膝の痛みで困っている方も、「ファシアケア」をぜひチェックしてみてください。

【参考文献】
・成田崇矢編集(2019年2月)「脊柱理学療法マネジメント」株式会社メジカルビュー社
・CARLA STECCO著(2018年2月)「筋膜系の機能解剖アトラス」医歯薬出版株式会社

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著者情報

枡中 昂也
枡中 昂也

保有資格

理学療法士

経歴

整形外科病院勤務12年目。現在は臨床業務を行いながら、当メディア内でWebライターとして記事の執筆と校正・校閲業務に携わる。

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