高齢の方のみならず、働き盛りの男性・女性問わず、多くの方が悩みを抱える「腰痛」。寝るときや寝返りを打ったときに痛みを感じたことはありませんか。それは寝具、特にマットレスが合っていない可能性があります。腰痛を抱える人にとって正しい原因や最適な治療法を見つける以前に、適切な寝具を使えているかどうかといった点は、腰痛の症状改善に向けて重要な点になります。日々の疲れをとるため、ベッドに横になったのに寝具が合わず、腰痛が悪化して辛いといった思いを抱えることがないよう、腰痛を緩和してくれる最適で快適な寝具を見つけましょう。私たちの身体を包み込み、しっかりと支えてくれる「マットレス」を中心に、寝具が腰痛へもたらす影響や寝具の重要性、寝具の選び方、使うときのポイントなどをご紹介します。

寝具の重要性

腰痛と姿勢というのは大きく関係しており、私たちが長時間同じ姿勢で過ごすであろう、寝る姿勢は腰痛の増強の有無を左右させるともいえます。ゆっくり休みたいのに、余計に身体へ負担をかけていたなんて辛いものです。適切な寝具、特にマットレスを選択することで、正しい姿勢が保持でき、腰部の負担を軽減できるほか、リラックス効果も得られ、心身共により健康な状態で毎日過ごせるでしょう。

寝具がもたらす腰痛への影響とは?

朝起きたときに腰の痛みが増していたという場合、寝具が身体にフィットしていない可能性が高いかもしれません。寝具それぞれがどのように影響し、腰痛を引き起こす原因となっているのか、見ていきましょう。

マットレスの硬さ

マットレスは柔らかいものから硬いものまでさまざま。硬すぎてしまえば、腰や背中が浮いてしまい、肩とお尻だけで身体を支えようとするため、筋肉がこわばって、腰に負担をかけてしまいます。

枕の高さ

枕が合わないことによるお悩みの声は多く聞かれます。枕が合わないことで寝返りを打ちづらくなるため、腰痛のほか、肩こりや頭痛を引き起こしかねません。

寝具というのは、私たちにとって疲れをとってくれ、癒しの効果を得られるはずのものなのに、反対にストレスのたまるものや腰痛などの身体症状を悪化させてしまうのはもったいないことです。快適な睡眠生活を送り、腰痛の症状改善を図れるように、適切な寝具を選べるようにしましょう。

抑えておくべき!腰痛に適した寝具の選び方

腰痛に適した寝具を選ぶ際には、寝具の種類や硬さなどを見極めることが重要になります。大手家具店などで実際に横になり、体感してから選ぶ方も多いと思いますが、その際に、体圧分散が適切かどうかという点も大切です。どのような点に注意して、適切な寝具選びをしていけばいいか、具体的に見ていきましょう。

【マットレス編】

寝具の種類

・コイル式マットレス
マットレスの中にコイルが内蔵されているマットレスです。具体的には、コイル同士が長で連結されており、弾力性や硬さのある「ボンネルコイルマットレス」、湿気はこもりやすいが、コイルが1つ1つのポケットに入っており、寝返りなどの振動が伝わりづらい「ポケットコイルマットレス」、ボンネルコイルの何倍もの密度でコイルが内蔵され、耐久性に優れている「高密度連続スプリングマットレス」があります。
・ウレタンマットレス
体重や温度に反応して、身体がマットレスに沈みやすい「低反発マットレス」、耐久性に優れており、体重の負荷を分散可能で、寝返りしやすい「高反発マットレス」があります。

それぞれのマットレスに特徴があり、腰痛の程度によって向き・不向きはあると思いますが、マットレスの素材というのは、とても重要な点です。医療現場で腰痛がひどく、寝返りさえままならない方や、麻痺の影響により自分で寝返りを打てない方は、体重に合わせて体圧分散をこまめにしてくれるウレタンマットレスを使用することもあります。

寝具の硬さ

マットレスは硬すぎず、柔らかすぎないものが良いといわれています。さらに、背骨のS字カーブを保つことができるマットレスがおすすめです。しかし、実際に硬すぎず柔らかすぎないマットレスはどのようなものか分かりづらいものです。
・柔らかすぎるマットレスとは
柔らかすぎるマットレスでは、身体が沈みがちとなり、腰を支えるために余計な負担がかかってしまいます。寝ている状態を横から見ると身体全体がくの字になっているように見え、腰痛を引き起こしやすいのです。
・硬すぎるマットレスとは
硬すぎるマットレスでは、仰向けで寝てみると、身体が全く沈みません。しかし、頭と背骨の出っ張った部分に負荷がかかり、腰の部分がアーチ状になり、隙間ができることで、身体に余計な負担がかかってしまいます。結果、腰痛以外にも筋肉痛などの症状を引き起こしかねません。

仰向けで寝た場合の身体の沈み具合というのは、客観的に見ても分かりづらいため、マットレスを使う本人がベッドで横になって確かめてから、購入し使用するのが一番といえます。体圧を適切に分散してくれているか、横になったときに腰痛が引き起こされないか、しっかりとマットレスで体感してから選ぶようにしましょう。そして、腰痛のある方に適したマットレスは、自然な背骨のカーブを描き、寝返りがしやすい硬さかつ背骨にストレスがかからないものがおすすめです。また、大手家具店のスタッフや腰痛の専門医へ適切なベッドの種類などを相談しても良いでしょう。

【枕編】

枕の硬さ

寝返りがしやすいと思える硬さの枕を選ぶのがおすすめです。柔らかい枕だと寝返りが打ちづらく、腰へ負担がかかってしまいます。ラテックスやそば殻といった種類が好ましいでしょう。

枕の大きさ

寝返りを打っても頭が落ちることなく、腰への負担がかかりづらい、幅が広めの枕を使用することをおすすめします。

枕の高さ

枕の高さは中の素材により異なります。羽毛やそば殻、ビーズなどは自分の頭や首の位置に合わせて調整できるため、腰痛の方には適しているといえます。通気性や吸収性もよく、夏場には寝苦しさからも解消してくれるでしょう。

つまり、腰痛でお悩みの方にとって、枕は寝返りを打ちやすい硬めで、広い面積かつ高さ調整しやすいものを、マットレスは背骨のS字がゆるやかに保持でき、寝返りがしやすい、身体を支えてくれるものを選ぶと良いといえるでしょう。旅先などで、枕がどうしても合わない場面が多いと思いますが、バスタオルを重ねたり、ぐるぐると丸めたりし、高さを出して調整するのもおすすめです。

寝具を使うときのポイント

・寝るときには、頭・背中・お尻・かかとの4点がしっかりつくような姿勢をとると、腰に負担をかけづらくなる上に、寝具の効果を最大限に発揮できるでしょう。
・長期間の使用により同一部位がへこみやすいため、シーツを交換するタイミングなどで、マットレスの上下を反対にするとよい。結果、マットレスへの圧を分散させることができ、長持ちしやすくなります。
・マットレスは長時間使用するということもあり、年数を重ねるにつれ、ヘタリや汚れが目立ってきます。5年程度使用したら、メンテナンスするようにしましょう。

適切な寝具を使用なければ、腰痛の改善は思うように図れません。1日の疲れをしっかりとり、朝起きたら新しい1日を気持ちよく迎えられるよう、自分に適切な寝具を選ぶようにしましょう。寝具選びを変え、寝る姿勢にちょっとした工夫を凝らすことで、腰の痛みを和らげられたら幸せですよね。


■参考文献
nishikawa/つらい腰痛の原因は!?
VenusbedLibrary/ベッドマットレスの選び方
眠りのプロショップ
cacom/【ベッドと腰痛】

著者情報

腰痛メディア編集部
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