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長時間の車の運転や、久しぶりの運転で腰痛を訴える人は少なくありません。遠出の旅行や、お仕事で腰痛があるとつらいですね。運転で腰痛を感じる人は、もしかしたら少しの工夫で改善できるかもしれません。今回は車の運転で腰痛が起こってしまう原因と、運転前、運転中、運転後の腰痛対策と改善策を紹介したいと思います。

車の運転で腰が痛くなる原因

車の運転で腰が痛くなる原因として、主に座る姿勢とシート、運転し続ける時間、車の振動の3つが挙げられます。

座る姿勢とシート

座った姿勢では立った姿勢の約2倍もの負担が腰にかかると言われています。正しい姿勢で座れていたとしても約2倍の負担がかかりますが、座る姿勢が崩れていると腰への負担はさらに大きくなります。長時間座ったままでいると座る姿勢は疲労とともに崩れやすくなる傾向があり、骨盤は後ろへ傾き、座面は前方へずれ込み、シートにもたれかかった姿勢になったり、反対に背中がまるまってハンドル側へややもたれかかるような姿勢になったりします。こういった不良姿勢は長く続ければ続けるほど腰への負担となります。
また、車のシートも座る姿勢に影響しています。硬すぎるシートでは座ったときに骨盤が安定しづらく不良姿勢を招きやすいです。また、反対に柔らかすぎるシートでは体重で座面が沈み込みすぎて正しい姿勢が保持しにくくなります。

シートに座り続ける時間

運転する時間が長ければ長いほど、同じ姿勢でシートに座り続けることになります。座面には体重のほとんどがかかり、特に腰やお尻周囲は圧迫されて血行が悪くなりやすいです。血行が悪くなると筋肉には疲労物質が溜まり、それが痛みとなって現れます。

車の振動

車の振動も腰痛の原因の一つとして厚生労働省からも挙げられています。(※1)車はエンジンがかかった状態だとずっと振動している状態となり、そのわずかな振動が全身を振動させてしまいその負担が腰にかかります。また、補正されていない道路や風の影響も車体の振動につながります。

車の運転前に腰痛を予防する方法

腰痛の予防は、まずは車選びからです。エンジンがかかった状態の時になるべく車体の振動の少ない車種を選ぶようにしましょう。また、軽自動車と比較すると普通車の方が路面や風などの振動を受けにくいです。さらに運転する道のりは、なるべく補正されているスムーズな道を選ぶとドライブ時の振動は軽減されます。出発前に目的地までのルートもチェックしておくといいでしょう。
車のシートは自分の体に合ったものを選択し、座った時に不快感があれば座った姿勢を整えるためのクッションなどを利用してもいいでしょう。腰に当てるクッションや、肘掛けにできるクッションなど様々なタイプのドライバー用クッションが販売されています。安いクッションなら、100円ショップなどでも購入できます。

オートマ車よりもミッション車のほうがいいの?

オートマ車はミッション車と比較して片足のみがペダル上にあるため、オートマ車の方がミッション車よりも腰痛になりやすいと言われています。オートマ車だから腰痛になるという訳ではありませんが、オートマ車は足の動きに左右差が出やすい分、腰痛にも注意が必要です。

車の運転前に!正しいドライビングポジションチェック

正しいドライビングポジションは、腰痛の予防、改善になるだけでなく運転中の疲労を軽減させてくれます。特に車を家族共有で車を使っている人は、前の人が使ったままの状態で運転し始めるのではなく、自分の体格にあったシートの位置に変えてから運転し始めるように気をつけてくださいね。

座面の前後調節

両足が床面またはアクセル、ブレーキのペダルにしっかりと届く位置で、お尻が深く腰かけられる位置にします。アクセル、ブレーキペダルを目一杯踏んでも軽くひざが曲がる位置が理想的です。

リクライニングの調節

背中は全体がシートに着く位置で、両手がハンドル上の頂点部分を持っても両肘が軽く曲がる位置にします。

ヘッドレストの位置

ヘッドレストは後頭部がヘッドレストの中心と合う位置にします。また頭はヘッドレストにつかずに、頭がヘッドレストから指3本分くらい離れて手前にあるのが正しい位置です。

バックミラーやサイドミラーの位置

バックミラーやサイドミラーが見にくい角度になっていると、ミラーを見る際に姿勢が崩れやすくなります。運転前に姿勢に合わせてミラーの角度も調節しておきましょう。

車の運転中に腰痛を改善する方法

運転中は姿勢が崩れないように座面にしっかりと腰かけ、軽く顎を引いた姿勢で運転するのが理想的です。車内の室温は、寒すぎると血液循環が悪くなるので快適な温度をキープするようにしましょう。
また、1時間以上の長距離運転をする場合は、少なくても1時間に1回は安全に停まれるところで車を停め、ストレッチをしたり、一度車から出て立ったり、足踏みをしたり少し歩くことで腰痛が予防、改善できます。

車内で簡単にストレッチする方法

1. 両肩を前に10回、後ろに10回ぐるぐると回します。
2. 首を右に5回、左に5回回します。
3. 骨盤を前後、左右に10回ずつ傾けます。
4. 体を左右に5回ずつ捻ります。
5. その場で足踏みを20回します。

1時間に1回のペースでストレッチしたり姿勢を変えたりすることで、腰痛は格段に改善されます。痛みが出てから対処するのではなく、運転し始める前にあらかじめ車を止める場所を決めておくのもいいでしょう。また、元々腰痛のある人は1時間に1回を目安にせず、より頻回に休憩やストレッチを取り入れましましょう。

車の運転後に腰痛を改善する方

車の運転後は全身の血液循環が悪くなっていて、体が冷えやすい状態になっています。腰を中心に筋肉内に疲労物質が溜まっていて腰痛も出やすい状態になっています。車の運転後は体を温めて血液循環を改善することが理想的です。運転後に腰痛がある人は、腰痛をそのままにせず早めの対処が肝心です。40度前後のお風呂でしっかりと体を温めたり、体の温まるものを食べたり、またヨガなどの有酸素運動を心がけるといいでしょう。車の運転後は筋肉だけでなく関節もこわばりやすい状態になっているため、入浴後や運動後に体が温まったら、ストレッチをするとさらに腰痛予防、改善になります。

運転後の血行改善ストレッチ方法

運転後の疲れた体に、簡単にできるストレッチを紹介したいと思います。特に長距離運転した後や、普段運転しない人が運転した後は是非試してみてくださいね。

1.上むきで寝た状態で、両ひざを立てて、両手は万歳します。
2.両ひざを右に倒して10秒、左に倒して10秒、ゆっくり深呼吸しながら数えます。
3.次は両ひざをお腹の前で、両手で抱えてゆっくり10秒数えます。
4.最後はうつ伏せの状態で、上体を起こしてゆっくり10秒数えます。
筋肉は息を吐くときにストレッチ効果が高くなります。時間をかけて、呼吸にも意識してストレッチするといいでしょう。

👉腰痛改善ストレッチ15選│予防におすすめの筋トレ5選も

さいごに

車の運転は腰痛の原因になることが多い注意すべき日常生活動作です。特に仕事で長時間運転する必要がある人は、日頃から気をつけて柔軟性を高めるストレッチをしたり、代謝を高めておいたりすることで腰痛の予防、改善になります。
車の運転でなってしまった腰痛をそのままにしておくと、どんどん悪化してしまうこともあります。車のシートの位置やストレッチ方法など、今一度チェックしてみてくださいね。また腰痛が強い場合は、我慢せずに早めに病院を受診し、医師の診断を受けるようにしましょう。

参考文献
運転時の腰痛をどのように改善するか

運送業務で働く人のための腰痛予防のポイントとエクササイズ
姿勢の違いが腰に与える負担について
車の運転の基本〜正しいドライビングポジション〜
運転疲れ対策

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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