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バスケットボールを始めたら腰痛がたびたび起こるようになった。そんな経験をする方は実は少なくないようです。バスケットボールと腰痛にはどのような関係性があるのか、バスケットボールが原因となる腰痛はケガなどと関係しているのか、腰痛の対処方法などを詳しく解説します。

バスケットボールと腰痛は関係あるの?

バスケットボールをしていて、いきなり腰痛を感じるようになったという方の中にはバスケットボールは関係なく、普段の生活などが関係しているのかもしれないと思う方もいらっしゃるようです。
ですが、バスケットボールと腰痛には密接な関係性があると考えられています。

その関係性とは主に2つです。
1つは、バスケットボールをするときの動作です。腰部をそらしてひねるという動作は腰に負担をかけるので、この動作を繰り返すことで腰を痛めてしまう可能性が指摘されています。特に、バスケットボールにおけるリバウンド捕球の動作はこの腰を痛める動作に該当するため、腰痛を引き起こす可能性が高いことが考えられています。
それ以外にもバスケットボールは相手との接触プレーが多いため、相手とぶつかったなど外からの力が加わったことによって腰の筋肉を痛めて腰痛を引き起こす可能性もあるのです。

👉バスケットボールと腰痛の関係とは?スポーツ歴10年の体育会系保健師が解説します

もう1つは、バスケットボールそのものではなく、バスケットボールをするにあたり筋力トレーニングなどをしている場合、そのトレーニングが腰痛に影響を及ぼししている可能性があるという点です。特に部活動など上位を目指して活発に練習をされているという場合には、バスケットボールだけでなくバスケットボールの技術などを向上させるためにフィジカル面の強化、いわゆる筋力トレーニングを行うこともあるでしょう。
この筋力トレーニングのうち特に腹筋は、状態を起こして行うタイプの場合、足を曲げていても伸ばしていてもどちらの方法で行ったとしても腹筋をしたことによって脊椎という背骨を圧迫する力は、米国立労働安全衛生研究所が定めた腰痛につながる基準値と同等だとする研究結果がでています。つまり、この状態を起こすタイプの腹筋を何度も繰り返すことで、背骨の間にある椎間板を痛めてしまい腰痛へとつながるのです。
参考
腰椎分離症|一般社団法人山口県医師会
「腹筋運動」は腰痛の原因 バスケ協会「推奨できない」|朝日新聞

バスケットボールをすることによって起こる腰痛の病名は

バスケットボールをすることによって起こると考えられている腰痛には3つの病名がついています。

急性腰痛

急性腰痛とはプレー中に腰の曲げ、そり、ひねりなどを繰り返し行ったことによってそれが負担となって痛みが出てくることを言います。他にもシュートのフォームが悪いドリブルのフォームが悪いことで結果的に腰痛を引き起こしていることもあります。急性腰痛は腰以外に痛みがないことが特徴で身体を曲げる、身体をそることで痛みが引き起こされます。軽症の場合はバスケットのプレー中にこの動作を摂ると痛みが出るがそれ以外の時には痛みはほとんど起こりません。ですが、重症になっていくと痛みによって思い通りのプレーができない、痛みで日常生活が制限されるようになってきます。

腰椎椎間板ヘルニア

バスケットボールのプレーに特に多いバスケットに多い体を曲げる、そらす、横に倒す、ひねる動作を繰り返すことで起こります。腰椎椎間板ヘルニアは背骨同士をつなぎクッションの役割もしている椎間板に負担がかかることによって起こるもので、神経を圧迫し続けてしまう結果腰の痛みだけでなく下肢の痺れが出たり、足に力が入りにくくなったりします。横になって膝を伸ばした状態でその足を誰かに持ち上げてもらうと腰の痛みやしびれが強くなるという場合や、うつぶせになった状態で足を曲げた時に腰の痛みやしびれが強くなるという場合には、腰椎椎間板ヘルニアとなっている可能性が高いことが考えられます。

腰椎分離症

腰椎分離症は腰椎という腰の骨に起こる疲労骨折のことをいい、特に小学生から高校生といったお子さんのバスケットボールプレーヤーに多く見られ、この年代の方が2週間腰痛が続いた場合には腰椎分離症の可能性が高いことが考えられています。
成長期でまだ未熟な骨にジャンプやひねり、腰をそらすなどを加えて負担をかけることが原因となると考えられています。腰椎分離症は一般の発生率は5%程度といわれていますが、スポーツをしている方では20%程度といわれており、スポーツをしている方では発生頻度の高いものです。腰椎分離症は軽傷であれば日常生活に影響を及ぼすことは少ないものの、身体をそらしたり腰をひねったりすることで強い痛みが出現するので、バスケットボールのプレー、特にシュートには影響を及ぼすことがあります。また、腰椎分離症も進行すると日常生活に影響を及ぼすことがあり、多くの場合腰の痛みによって長く座っていられない、授業に集中できなくなったというような主訴があります。

参考
腰椎椎間板ヘルニア|公益社団法人日本整形外科学会
腰 急性外傷|一般財団法人新潟県バスケットボール協会
腰 慢性障害|一般財団法人新潟県バスケットボール協会

バスケットボールにおける腰痛の対処法

バスケットボールをしていることによって起こる前述した腰痛は、ほとんどの場合が休養をしなければ治すことは難しいと考えられています。
急性腰痛症はいわゆるぎっくり腰ともいわれる状態のため痛みがなくなるまではスポーツをお休みして休養することが必要になり、3~7日ほどの休養が必要になるとされています。ですが、日常生活に影響が出るレベルにまで達した場合には医療機関を受診し、医師の指示に従って休養をすることが必要です。
また、休養が終了してもいきなり今までと同じくらいの動作レベルでバスケットボールをしてしまっては、またすぐに急性腰痛症を引き起こしかねません。医療機関で相談をしながらリハビリやトレーニングをして少しずつ今まで通りのプレーに戻していくということを心がけていきましょう。

また、急性腰痛症であっても痛みが1~2週間続いているという場合にも医療機関で詳細の検査を受けることが望ましいです。
腰椎椎間板ヘルニアの場合も痛み止めなどを服用しながら痛みがなくなるまで安静にすることが必要です。それでも痛みがなくならないという場合には神経根ブロックという注射による治療を行って痛みを軽減させていきます。それでも痛みが改善しないという場合には手術が必要になることもあり、手術をしてからバスケットボールに復帰するまで最低でも2~3カ月はかかります。
腰椎分離症では、コルセットを着用したうえで約3カ月間の安静が必要です。

いずれの場合にも自己判断で安静や復帰をすると、腰痛が悪化する、休養の期間が延びるというようなことになり、最悪の場合はバスケットボールができなくなる可能性があります。ですので、自己判断せず、医療機関を受診して医師の診察を受けるようにしましょう。
診察は主にレントゲンの撮影をして腰の骨や背骨の異常を見るという検査が一般的で、っ時間もかからずに診断をつけることができるのでバスケットボールをしていて腰痛に悩まされている、思い通りのプレーができない、日常生活に影響が出始めたという方はなるべく早く医療機関を受診するようにしましょう。整形外科を受診し、ストレッチや筋トレなどの運動療法を受けましょう。

バスケットボールで痛めた腰をそのままにしておくと、日常生活さらには年を取った時の歩行や姿勢に影響を及ぼすことがあります。今バスケットボールができるから大丈夫ではなく将来のプレーや将来の生活も見据えて腰痛のケアをしていきましょう。

参考
スポーツ外傷とは|千葉メディカルスポーツ医学センター
腰痛の原因について|徳永整形外科
腰椎分離症|一般社団法人山口県医師会

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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